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【海外旅行記】インドの過酷な紛争地スリナガール旅行

この記事の所要時間: 335

昔、間違って紛争地に行ってしまった事がある。

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湿気の多い雨期のインド・ニューデリーで、私は暑さと嘘つきばかりのインド人に、少しばかり疲れていたせいか、私はよく考えもせずに、旅行代理店に入ってしまったのだ。

ただ、私の結論から言って、インドの旅行代理店は99%信用しない方が良い。

ニューデリーには、日本語が通じる旅行代理店もいくつかあり、大体いつも日本人のバックパッカーが店内でくつろぎながら、お喋りなんかをしている。

インドショックで思考停止状態の私に、旅行代理店の職員は優しく話しかけ、インドのミルクティー・チャイを出してくれるので、インドで気が滅入っている状態の時には、そこに居れば、何となく全てが救われるような気がしてくるのだ。

1.罠にハマる。

旅行代理店に集う旅行者と言うのも、大体旅程が決まっていない人が多いので、日本語がペラペラのインド人職員は、笑顔でインド各地の旅のアルバムなんかを持ってくる。

その時に、職員がオススメしていたのが、スリナガールという北部・カシミール州にある小さな町で、「町には大きな湖があって、その湖に浮かんでいるボートハウスにステイしながら、美しい山の中を乗馬するのも最高だ!」と行ってくる。

…まさに楽園。

そんなイメージがピッタリの若草色に染まった山々は、写真で見るだけでも、相当な美しさと平和に満ちていた。

「カシミール、どこかで聞いた事があるような…」
カシミールと調べてみると、何でも、昔から土地を巡って紛争をしている所らしい。
日本のニュースでも、カシミールの名前を何度も耳にした事があるのはそのせいだったのだ。

紛争地と聞けば、誰も行きたくないので、「危ない所なんでしょ?」と聞くと、職員は「とんでもないっ!紛争なんてもう随分前に終わっているし、僕たちだって先週行ってきて、すっごく安全だったもん!」と全力で否定してくる。

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今思えば、こんな怪しい話しに引っかかる方がおかしいのだけど、思考停止状態だった私は、「スリナガール満喫ツアー♪」をまんまと購入してしまったのだ。

2.誰を信じるべき?

旅行代理店を出て、リキシャータクシーに乗り、これからスリナガールという町に行く事になったと話しを運転手としていると、「え!スリナガール!絶対危険だよ!つい最近も暴動が起こってるってテレビで見たよ!」と必死に私を止めてくる。

こんな事言って、また違う旅行代理店に連れてって、違うツアーを買わせる気だな!騙されないぞ!

もうインド人の誰も信じられなくなっていた私は思った。

その当時は、首都のニューデリーですら、イスラム過激派のテロが勃発しており、つい数日前も、外国人観光客を狙ったと思われるニューデリーの観光地同時多発テロに巻き込まれる所を、私は1日違いで助かったのだ。

「もうインドのどこにいても、誰といても安心は出来ない」
そんな気持ちが徐々に強まって行った。

1.私を救ってくれたのは…

数日後、スリナガールへ降り立つと、案の定と言う感じに、町の店は全て閉まっていた。

「カシミール州の独立支持者のストライキで、警察と衝突があったんだ!死亡者も出た上に、町のシステムも全てストップしている。いつまでこんな状態が続くか分からないんだ…」と、滞在先のボートハウスの家族は、心配そうな顔で私に、親切に、教えてくれる。

「何があるか分からないから、町へ行くのはオススメしないよ?ボートハウスからでも行けるツアーをいくつか紹介してあげる。」

「嫌気がさす」というのは、こういう瞬間を言うのだろう。

町の方からは銃声なども聞こえてくるので、湖から出る事はせず、私は、結局このボートハウスに滞在というか、軟禁という感じで10日間を過ごす事になった。

その中で私の救いだったのは、旅行代理店のアルバムで見たような美しい自然と、そのボートハウスにやって来たスペイン人夫婦が、安心出来る時間を私と過ごしてくれた事だった。
その夫婦とは、今でも友達として、たまに連絡を取っている。

旅をしていれば、どこにでも、どんな時にも出会いはある。
と、インド人ではなく、スペイン人の夫婦は私に教えてくれた。

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TAKADA
TAKADA
南米・アルゼンチン在住。ウェブライター、日本語教師。 19歳の時から、世界一周旅行を始め、アジア、中東、ヨーロッパを周り、その先に行き着いた南米で生活を始める。 南米では、ブラジル、チリ、ペルー、ボリビア、ウルグアイなどを周遊し、その後、ボリビア、チリでの長期滞在を経て、2009年からは、アルゼンチンに移住。 現地で英語、スペイン語を使いながら日本語教師、日本語アシスタントの仕事をしている。

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