menu

121 views

X線天文衛星ひとみの後継機を2020年に打ち上げます

この記事の所要時間: 346

X線天文衛星ひとみの後継機を打ち上げる?
宇宙航空研究開発機構JAXAからそんな話が聞こえてきました。
ひとみは、2016年4月28日に通信が途絶え事実上廃棄されました。
一部に批判はありますが、X線天体観測の事業を継続したい!
日本のみならず世界的なニーズがあります。
その責任を果たすためにも、チャレンジして欲しいですね。

スポンサーリンク

ひとみとは

ひとみとは、JAXAが2016年2月17日に打ち上げたX線天文衛星です。
ほぼ人為的ミスによって2か月後に故障し廃棄処分となりました。

とはいえ地球の周りを、破片となって飛び回っています。
考え方によっては危険な物体となりました。
JAXAでは、それなりの反省はしているようです。
プロジェクトの体制を改めるとしています。
そこで2016年7月14日に資料を公表しました。タイトルは、
X線天文衛星ASTRO-H「ひとみ」の後継機の検討について

プロジェクトの内容は

公表された資料からプロジェクトの内容について紹介しましょう。

1.これまでの経過

重大な事故を起こしたため、十分な反省が必要です。
そこでJAXAでは専門の委員会を設置し、

 ・プロジェクトマネジメント体制の見直し
 ・宇宙科学研究所と請負業者の役割・責任分担の見直し
 ・プロジェクト業務の文書化と品質記録の徹底
 ・審査や独立評価の運用の見直し

などを実施してきました。
一方でX線天文学者の団体である高エネルギー宇宙物理連絡会と
話し合いをしてきました。

2.X線天文衛星の意義とは

新たな衛星を打ち上げるには、税金の投入が不可欠です。
国民が納得するような、相応の意義が必要です。
例えば、
これまで日本は1979年以降、6機のX線天文衛星を打ち上げてきました。
もちろん欧米も打ち上げていますが、中でも日本は、
他国にはない観測装置を搭載しており、顕著な成績を収めています。

実際に関連する論文は3500編以上執筆されているようです。
特に今後は宇宙の大規模構造ブラックホールの解明
宇宙を埋め尽くしていると考えられているダークマターを調べる
X線を使わないとわからない課題が山積しています。

スポンサーリンク

3.世界から求められている

宇宙観測は、日本だけの話ではありません。
諸外国と協力することにより、研究が進むのも事実です。
科学技術立国としての日本は、責任を果たす必要があります。
実際に今回の「ひとみ」は、世界中から期待されていました。
それが一瞬にして失望に変わりました。
実質的に、次のX線天文衛星は、欧州機構による2028年までありません。
一方で現在運用中のX線天文衛星は、ほぼ2020年に観測が終了します。
この空白期間をどうするか?それこそ、ひとみの使命なのです。

4.実績がありました

短期間ではありましたが、ASTRO-Hの観測結果は、
著名な科学雑誌Nature7月7日号に掲載されました。
搭載されていたX線分光計の能力は、高く評価されました。
これが継続的に利用できれば、多大な科学的貢献ができる!

5.今後の計画案

打ち上げスケジュールは、2020年を目標にしています。
また2020年の楽しみが増えました。
打ち上げロケットはH2Aであり、地球を周回する円軌道を通ります。
前回と同様に、軟X線分光検出器(SXS)を搭載します。
基本的な計画は、ほぼ変わることはありません。

6.見直しする点

同じ轍を踏まないように、いくつかの設計見直しがあります。
第一に、システム面です。
安全性を優先し外的な影響を阻止する頑健性を取り入れます。
第二に、問題となった姿勢制御系ソフトウエアです。
慣性基準装置の誤差が大きくならないようにします。
第三は、こちらも問題だった太陽角異常検出条件です。
太陽の方向を正確に把握できるようにします。
第四は、運用面の改善です。
運用準備作業のガイドラインを第三者の視点を交えて作ります。
失敗を繰り返さない?繰り返せない体制を築きます。

X線天文学は引き返せない

宇宙開発はパンドラの箱です。X線天文学は引き返せません。
ヒッグス粒子や重力波の発見など、よい流れが来ています。
国際宇宙ステーションISSで日本人宇宙飛行士が活躍しています。

このまま宇宙の謎を解明していきたいです。
JAXAにもう一度チャンスを与えてあげましょう。

スポンサーリンク
The following two tabs change content below.
たくと
たくと
著者サイトたくとすく~る
生まれつき無関心な子供はいない! そう信じ、学習塾や講習会などで、 科学を楽しく解説しようと日々奮闘しています。 半世紀生きていますが、 気持ちは、今でも夢見る少年です。

ドイツではテロが起きにくい?理由は5つあるようです

世界文化遺産決定!国立西洋美術館が世界遺産にこだわった理由

関連記事

  1. 大型連休中にあった宇宙や星に関する5つのトピック

    大型連休はどこへ行ったでしょうか。最近は体験型の博物館なども増えています。もちろん何の予定も…

  2. 岩盤は固いとは限らない!福岡道路陥没の原因とは?岩盤とは何か

    2016年11月8日未明、福岡県博多で信じられない事故が起きました。駅前のメインストリートが30メー…

  3. 月と太陽と引力を解説

    海で起こる現象の一つに潮が満ちたり、引いたりする現象があります。月の引力が海水を引っ張るために【…

  4. 音が伝わる仕組みとは、音の性質を知ろう

    普段何気なく音を聞いています。聞こえてしまう?それが正しいのかもしれません。聞こえる…

  5. 温暖化を防げ!代替フロンの開発が急がれています

    暑い夏、熱中症を防ぐには、冷房が不可欠です。しかしエアコンの冷媒として使われている代替フロンが、…

  6. またNASAが、巨大ブラックホールを発見したようです

    アメリカ航空宇宙局NASAは、2016年4月6日に発表しました。太陽の約170億倍の質量がある巨…

  7. 冬は火事に備えよう!被害を抑える5つの方法を科学的に解説

    季節を問いませんが、冬は火事に注意しましょう。太平洋側は空気が乾燥しています。小さな火種でも、それが…

  8. アメリカのトランプ大統領が科学を軽視?どちらが正しいのか

    就任以来多くの大統領令を出し物議を醸しているのが、アメリカのトランプ大統領です。それ自体は合法であり…

最近の記事

  1. 価値観とルックスどっちが重要?男と女の結婚観はこうだった!
  2. 味覚の違いはどう埋める?味付けが不味いと言われて悩む方の解決策
  3. 自分とは違う彼氏の【お金の価値観】許容範囲?それとも許せない?
PAGE TOP