menu

89 views

X線天文衛星ひとみの後継機を2020年に打ち上げます

この記事の所要時間: 346

X線天文衛星ひとみの後継機を打ち上げる?
宇宙航空研究開発機構JAXAからそんな話が聞こえてきました。
ひとみは、2016年4月28日に通信が途絶え事実上廃棄されました。
一部に批判はありますが、X線天体観測の事業を継続したい!
日本のみならず世界的なニーズがあります。
その責任を果たすためにも、チャレンジして欲しいですね。

スポンサーリンク

ひとみとは

ひとみとは、JAXAが2016年2月17日に打ち上げたX線天文衛星です。
ほぼ人為的ミスによって2か月後に故障し廃棄処分となりました。

とはいえ地球の周りを、破片となって飛び回っています。
考え方によっては危険な物体となりました。
JAXAでは、それなりの反省はしているようです。
プロジェクトの体制を改めるとしています。
そこで2016年7月14日に資料を公表しました。タイトルは、
X線天文衛星ASTRO-H「ひとみ」の後継機の検討について

プロジェクトの内容は

公表された資料からプロジェクトの内容について紹介しましょう。

1.これまでの経過

重大な事故を起こしたため、十分な反省が必要です。
そこでJAXAでは専門の委員会を設置し、

 ・プロジェクトマネジメント体制の見直し
 ・宇宙科学研究所と請負業者の役割・責任分担の見直し
 ・プロジェクト業務の文書化と品質記録の徹底
 ・審査や独立評価の運用の見直し

などを実施してきました。
一方でX線天文学者の団体である高エネルギー宇宙物理連絡会と
話し合いをしてきました。

2.X線天文衛星の意義とは

新たな衛星を打ち上げるには、税金の投入が不可欠です。
国民が納得するような、相応の意義が必要です。
例えば、
これまで日本は1979年以降、6機のX線天文衛星を打ち上げてきました。
もちろん欧米も打ち上げていますが、中でも日本は、
他国にはない観測装置を搭載しており、顕著な成績を収めています。

実際に関連する論文は3500編以上執筆されているようです。
特に今後は宇宙の大規模構造ブラックホールの解明
宇宙を埋め尽くしていると考えられているダークマターを調べる
X線を使わないとわからない課題が山積しています。

スポンサーリンク

3.世界から求められている

宇宙観測は、日本だけの話ではありません。
諸外国と協力することにより、研究が進むのも事実です。
科学技術立国としての日本は、責任を果たす必要があります。
実際に今回の「ひとみ」は、世界中から期待されていました。
それが一瞬にして失望に変わりました。
実質的に、次のX線天文衛星は、欧州機構による2028年までありません。
一方で現在運用中のX線天文衛星は、ほぼ2020年に観測が終了します。
この空白期間をどうするか?それこそ、ひとみの使命なのです。

4.実績がありました

短期間ではありましたが、ASTRO-Hの観測結果は、
著名な科学雑誌Nature7月7日号に掲載されました。
搭載されていたX線分光計の能力は、高く評価されました。
これが継続的に利用できれば、多大な科学的貢献ができる!

5.今後の計画案

打ち上げスケジュールは、2020年を目標にしています。
また2020年の楽しみが増えました。
打ち上げロケットはH2Aであり、地球を周回する円軌道を通ります。
前回と同様に、軟X線分光検出器(SXS)を搭載します。
基本的な計画は、ほぼ変わることはありません。

6.見直しする点

同じ轍を踏まないように、いくつかの設計見直しがあります。
第一に、システム面です。
安全性を優先し外的な影響を阻止する頑健性を取り入れます。
第二に、問題となった姿勢制御系ソフトウエアです。
慣性基準装置の誤差が大きくならないようにします。
第三は、こちらも問題だった太陽角異常検出条件です。
太陽の方向を正確に把握できるようにします。
第四は、運用面の改善です。
運用準備作業のガイドラインを第三者の視点を交えて作ります。
失敗を繰り返さない?繰り返せない体制を築きます。

X線天文学は引き返せない

宇宙開発はパンドラの箱です。X線天文学は引き返せません。
ヒッグス粒子や重力波の発見など、よい流れが来ています。
国際宇宙ステーションISSで日本人宇宙飛行士が活躍しています。

このまま宇宙の謎を解明していきたいです。
JAXAにもう一度チャンスを与えてあげましょう。

スポンサーリンク
The following two tabs change content below.
たくと
たくと
生まれつき無関心な子供はいない! そう信じ、学習塾や講習会などで、 科学を楽しく解説しようと日々奮闘しています。 半世紀生きていますが、 気持ちは、今でも夢見る少年です。

gmnドイツではテロが起きにくい?理由は5つあるようです

ueno世界文化遺産決定!国立西洋美術館が世界遺産にこだわった理由

関連記事

  1. d58116d46db1c3ac0fa51193d6919d99_s

    火星が大接近します!とはいえなぜ距離が変わるのか

    2016年5月31日、火星と地球が大接近します。全国的に天気は悪くはなさそうなので、夜、南の…

  2. pixta_16114147_M.jpg

    注目の素材セルロールナノファイバーのメリットは5つある

    どの業界も競争が激しく大変です。とはいえ画期的な製品を作り出せば、それで一気に形勢逆転するこ…

  3. 572394418998e4096c39b7ea6839a3c7_s

    【続報】プロ棋士がAIに1勝!その意外な理由とは何か

    韓国で行われていたAI(人工知能)とトップ棋士との囲碁5局勝負2016年3月15日に終わりました…

  4. c50aacd687d13e999204d40b8f6eb02e_s

    国内の二酸化炭素濃度が最高値?でも悪者なのか

    国内で観測している3地域で、二酸化炭素濃度が過去最高!2016年5月31日、速報値を気象庁が発表…

  5. pixta_11432084_M.jpg

    外来生物は誰にとって悪なのか?「自然とは何か」ですね。

    東京23区にハクビシンが多発している!不可解なニュースが届いています。街中に「野生動物」がい…

  6. pixta_18125886_M.jpg

    光合成しない植物がいる!そもそも植物なのでしょうか

    屋久島でまた、光合成をしない植物が発見されたようです。2012年にも同島において光合成しない…

  7. 02025eb7473750ce48c913534f4356b8_s

    遺伝子組み換え植物が逃げた?何がいけないのでしょうか

    2016年5月9日、奈良先端科学技術大学院大学が明らかにしました。研究用に育てていた遺伝子組み換…

  8. 190782.jpg

    建物の耐震基準は、科学的にどこまで信用できるのか

    2016年4月14日から続く熊本地震は、多くのことを教えてくれます。これまでの地震に対する考え方…

最近の記事

  1. ff15
  2. security1205
  3. bird1205
  4. vogue_word
  5. global_warming
PAGE TOP