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ジカ熱はどうなったか?油断禁物!ウイルスは変異しますよ

この記事の所要時間: 643

リオオリンピックも無事終わったようです。日本人は大活躍しました。
当初心配されていた大規模な犯罪やテロは起きませんでした。
とはいえもうひとつ危惧されていたジカ熱はどうなったのでしょうか。
人から人への感染はないとされていましたが、様々な事例が出ています。
実際のところどうなのか。夏が終わる前に復習しておきましょう。

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あらためてジカ熱とは

いまさらではありますが、ジカ熱についておさらいしましょう。
どんな病気であり、どうやって予防すべきなのでしょうか。

1.原因

ジカウイルス(Zika virus)に感染することが原因で発症します。
同ウイルスは、主にAedes属のヤブカによって媒介されます。

ジカウイルスは、アフリカのウガンダにあるジカの森(Zika forest)
そこに生息していたアカゲザルから、1947年に初めて見出されました。
人間に感染した最初の事例は、1968年ナイジェリアにおいてです。
具体的な移動経路は不明ですが、2007年には太平洋にあるミクロネシア、
2014年には南米チリ沖にあるイースター島、そして2015年に南米大陸へ上陸し、
みなさんご存知のようにブラジルでの大規模発生となりました。
熱帯病のひとつではありますが、日本に生息するヒトスジシマカも、
ウイルスを保有できるので、油断してはいけません。

2.症状

潜伏期間は3~12日とされており、主な症状は38℃程度の発熱です。
高熱にうなされるほどではなく、デング熱より軽いと言われています。
また皮膚の発疹、関節痛、頭痛、結膜の充血などが見られます。
軽度な場合には、下痢、嘔吐、便秘などの消化器症状で済みます。

重度になるとギランバレー症候群や神経系を冒すリスクもあります。
一方で心配なのは、妊婦が感染したケースです。
ブラジルにおいて、生まれてくる子供に小頭症が多く確認されました。
これは胎児期にウイルスが脳の発達を阻害したためと考えられています。
ジカ熱で死ぬ事例は極めて稀ですが、免疫力が低下していれば危険です。

3.治療法

世界各地の製薬企業がワクチンや治療薬の開発を始めています。
しかしウイルスに効果がある薬は、原則としてありません。
ウイルスに対しては、個々人が持つ免疫力で対処するしかないのです。
その理由のひとつは、後述するようにウイルスの変異が激しいためです。
今年効果があったとしても、来年も効果があるか?保証できません。
例えばインフルエンザの薬であるタミフルも、
ウイルスを退治するわけではなく、ウイルスの増殖を抑えるだけです。
だから発症後48時間を過ぎると有効性はほぼなくなります。
2016年の夏段階における治療法は、解熱鎮痛剤を利用した対症療法のみです。
他人にうつさないよう隔離して静かに回復を待つのが唯一の治療法です。

4.予防法

ジカ熱に限りませんが感染症の予防法は、とにかく蚊に刺されないことです。
野外で活動する際には長袖長ズボンを着用し、防虫スプレーも利用しましょう。
ただし防虫薬も過信してはいけません。汗や紫外線で直ぐに効果を失います。
また家屋の周辺でボウフラが発生するような水たまりを作らないことです。
雨の後、数日もすればボウフラが湧いてしまいます。
とはいえ無暗に殺虫剤を撒くと、蚊を食べるハチやクモなども殺してしまいます。
なお後述するように、ヒトからの感染も危惧されています。
そのため感染したと思われる人には、特に妊婦さんは近づかないようにしましょう。
もちろん発症予防には、健康管理に努め、免疫力を高めることです。

主な感染経路は

感染症の予防に関して、感染経路を断つことが最大かつ絶対的な方法です。
治療薬の開発も急がれますが、感染経路の把握も重要なことです。

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1.蚊から人間へ

基本的には蚊から人間へウイルスが運ばれますが、本来蚊も被害者です。
とはいえ蚊から感染することがほとんどです。
蚊に刺されない、蚊を繁殖させないことが大切です。

なおほとんどの蚊は日本の冬を越すことができません。
そのためウイルスを持っている蚊も、冬には死に絶えます。
そういう意味では夏だけ注意すればよいのでしょう。
とはいえ海外渡航した人は別です。
特にオーストラリアや南米、そしてアフリカは、日本と季節が逆です。
もちろん熱帯であれば、一年中ウイルスも蚊も生きています。
事前の予防接種と同時に、滞在中のケア、帰国後も要チェックです。

2.人から人への可能性

当初は人から人へ感染する心配はない!言われていました。
しかし人から人に伝染したと考えられる事例が発見されています。
もちろん感染者の血液を吸った蚊が、別の人を刺す!
そうしてウイルスが伝搬するケースは十分に想定されます。
一方で性行為によってうつされる疑いもあるようです。
ウイルス汚染地域に行ったことがない女性で感染例があるからです。
そのパートナーが、危険地域への渡航者だったとか。
ただし血液と尿の中でジカウイルスは成長しないようです。
とはいえ輸血によると思われる発症事例も起きています。

今後は、あらゆるパターンを調べていく必要がありそうです。

3.野生動物からうつる?

元々はどこにあったのか?西アフリカの森です。
そこではサルやネズミもウイルス保持者と考えられています。
したがって日本でも野ネズミや野生動物がウイルスを持っている?
可能性は否定できないようです。

蚊の駆除も大切ですが、野生動物の巣を作らせないことも重要です。
都会であってもドブネズミやアライグマなどが生息しています。
最近の建物は断熱化が進み暖房設備が充実しています。
そのため冬でもウイルスが生き残る環境が整っています。

なぜ変わったのか

2015年にブラジルでジカウイルスによる小頭症が発生?
そうした時とは異なり、感染経路がなぜ変わったのでしょうか。

1.ウイルスの変異

ひとつには、ウイルスが変異した可能性もあります。
インフルエンザでも同じことですが、ブタやニワトリの病気が、
突然人間へ感染し発症するように変わるケース
が少なくありません。
そもそもウイルスの世代交代は速いものです。
極端には数時間で倍増することが稀ではありません。
そして増殖するたびに、何らかの変異を起こします。
ほとんどの変異は無意味もしくは当ウイルスにとって致命的ですが、
中には薬への耐性を持つ、劣悪環境に適応するパターンもあります。
そうなると人間にとっては厄介です。
新たな感染経路でも生きる手段を見出したウイルスが登場する?
ウイルスの辞書には、不可能という文字がないようです。

2.事例が知られるようになっただけ

これまでもジカ熱は多くあったのでしょう。とはいえ発熱程度です。
デング熱よりも軽度で済むため、あまり重要視されていなかった?
そこにブラジルでの発生がありました。
特にオリンピックがあることから、世界中へ知られるようになりました。
すると、様々な症例が注目され、掘り起こされてきたのでしょう。
探していけば、人から人へ、性行為や体液、輸血で感染する!
そうした事例が知られるようになっただけなのかもしれません。

やはり知らないということほど、怖いものはありません。

日本でも油断は禁物です

日本では夏も終盤を迎えます。そのためジカ熱のリスクは下がります。
とはいえ油断は禁物です。特に妊婦は注意しましょう。
夏バテで免疫力が弱っていれば、重症化する可能性は否めないからです。

一方でブラジルなどの感染地域から帰国した人も、様子をみましょう。
潜伏期間が過ぎる2週間程度は、不特定多数と接触してはいけません。
発症しないウイルス保持者として、バラマキはとても危険です。

2014年に起きたデング熱の騒ぎのように拙速な対策も厳禁ですが、
自分でできることは十分にやっておきましょう。

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たくと
たくと
生まれつき無関心な子供はいない! そう信じ、学習塾や講習会などで、 科学を楽しく解説しようと日々奮闘しています。 半世紀生きていますが、 気持ちは、今でも夢見る少年です。

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