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FDAが抗菌石鹸の販売を禁止?理由は3つ!日本への影響は?

この記事の所要時間: 837

2016年9月2日、アメリカ食品医薬品局FDA)は、
抗菌剤を含有する抗菌石鹸やボディーソープの販売禁止を発表しました。
日本人にはちょっと理解しがたいニュースかもしれませんが、
アメリカでは数年前から問題になっていたようです。
どんな理由で販売禁止を決めたのか?日本への影響はあるのでしょうか。

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日本で販売されているトリクロサンが入っている商品

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取り急ぎとして、先に日本国内の商品情報を共有します。

  • 薬用石鹸ミューズ(固形石鹸のみ【泡ハンドソープや液体ハンドソープ、ウェットクロスには入っていません】)
  • コラージュフルフル石鹸(ボディーシャンプーのみ
  • ビオレU薬用ハンドソープ(含まれているとの記載のあるサイトがありますが【2016/04/09以降に発売分には入っていないようです】)
  • ナイーブ 薬用ハンドソープ
  • エオリア 薬用ハンドソープ メディキュッ
  • GATSBY (ギャツビー) バイオコア デオドラント

以下ソースです。

薬用石鹸ミューズ

http://www.musejapan.jp/products/ (固形石鹸以外は含まれていないことが確認できます。)

ビオレU薬用ハンドソープ(現在発売中の最新商品には含まれていないようです)

http://www.kao.com/jp/bioreu/bru_handsoap_00.html(新商品)
http://www.kao.com/jp/bioreu/bru_handsoap_00.html(旧商品アーカイブ)

ナイーブ 薬用ハンドソープ

http://www.matsukiyo.co.jp/store/online/(公式サイトに非掲載のため、販売サイトより)

薬用ハンドソープ メディキュッ

https://www.amazon.co.jp/(公式サイトがないためAmazonより)
http://www.tenkazai.com/ciba/itiran_koukinzai.html(トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル=トリクロサン)

GATSBY (ギャツビー) バイオコア デオドラント

https://www.amazon.co.jp/(公式サイトに記載が見当たらないらめ、Amazonより)
http://cosme-science.jp/3000cosmetics/3030cosme-materials/3060b.html
(トリクロロカルバニリド=トリクロカルバン)

FDAとは

fda
医療系のニュースを見聞きしているとFDAという略語によく出会います。
これは、Food and Drug Administrationの略であり、
アメリカ食品医薬品局と訳されます。
日本でいう厚生労働省に該当するのがアメリカ保健福祉省ですが、
その下部組織であり、医薬品の製造承認などを行っている部局です。
名前からわかるように食品や医薬品、医療機器、ただしのみならず、
化粧品やタバコ、玩具など、国民生活に関わる全般的な物に対して、
監視や指導取り締まりなどをしています。
例えば、玩具に使われている塗料について、子供が舐めたらどうなるか?
そんなことまで考えてくれる人たちです。
アメリカにおける一局ではありますが、世界的な影響力も強く、
日本の医療にも大きく関与してくることが少なくありません。

抗菌石鹸とは

wash_hands
石鹸(せっけん)とは、汚れを落とすために使う薬剤です。
基本的には脂肪酸ナトリウムもしくは脂肪酸カリウムを含む製品です。
一方日本では、薬用石鹸と呼ばれる区分があります。
この中には、化粧品のように肌荒れを防止するためのもの
また今回話題になるような殺菌成分が入っているタイプがあります。
これらは石鹸という名称が付いていますが、
正式には化粧品であったり医薬部外品に該当します。
配合されている物質が違うので特別な許可が必要になります。
そこで抗菌石鹸とは何か。
殺菌剤の成分であるトリクロサントリクロカルバンを含むものです。
アメリカでは19種類の殺菌剤を指定しているようです。
単に汚れを落とすのみならず、殺菌や消毒を謳って宣伝しています。

トリクロサンとは

c12h7cl3o2
トリクロサンとは、どのような化学物質なのでしょうか。
正式な化学名は、5-chloro-2-[2,4-dichlorophenoxyl]phenol です。
ベンゼン環を対称的に2個持ち、塩素が3つ付加されています。
比較的広い範囲の細菌類に対して効果があり、特にブドウ球菌は有効です。
とはいえカビなどの真菌類では、あまり期待できません。
塩素を含んでいるため低温で燃焼するとダイオキシンの発生が心配されます。
融点は55度なので、常温では固体になります。
ただし日本でも売られている液体の薬用石鹸にも一部配合されています。
またトリクロカルバンとは、トリクロサンの派生物質であり、
ベンゼン環2つの間にアミノ基が2つNHとして結合しています。
殺菌剤、防臭剤、防腐剤などの用途があります。
ちなみに一部の化粧品メーカーは2014年、トリクロカルバンと
トリクロサンの人体に対する影響について懸念を表明しています。

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禁止する理由は3つあります

why
今回FDAが抗菌石鹸の販売禁止を発表した理由は何でしょうか。
そもそもアメリカでは、2013年頃から問題視されていました。
FDAがメーカーに対して安全性に関する根拠を求めていましたが、
十分な回答を得られなかったようです。

1.健康を害する可能性がある

第一の問題点は、抗菌石鹸を使うと健康を害する危険がある点です。
つまり主成分であるトリクロサンは、ダイオキシンを発生するかもしれないので、
環境ホルモンの一種
との指摘があります。
実際に内分泌系器官へ作用し、特に甲状腺ホルモンの働きを阻害する?
動物実験では確認されているようです。
あくまでも動物実験ですが、人体に対する安全性試験は行われていない?
最も心配なのは女性ホルモンの分泌に対する影響であり、
胎児の発育
に関与するリスクが否定できないようです。
とはいえ妊婦さんが抗菌石鹸を使うシーンは十分にありえます。
アメリカでの調査ですが、トリクロサンの痕跡が尿や母乳から検出されています。
なおトリクロサンの怖い点は、脂肪組織に蓄積されやすいことです。
すなわち一度体内入ると、排出が難しいようです。
しかしどうやって体内に入ったか?それが疑問ではありますが。

2.長期に使用すると耐性菌が生まれる

抗菌剤ですから、長期使用に対する影響が心配されます。
単刀直入に言えば、耐性菌が生まれる可能性はゼロとは言えません。
つまり石鹸ですから、常用するはずです。
毎日使っていれば、周辺にある菌類は一時的に死滅しますが、
中には突然変異によって塩素に強い細菌が現れるリスクはあります。
それを知らずに続けていると、いざという際に効果がなくなる?
もちろん健康な間は、自身の持つ免疫力で撃退できます。
しかし乳幼児や高齢者、そして病人などが使い続けて大丈夫なのか?
この点に関するメーカーからの回答もなかったようです。

3.通常の石鹸こそ有効です

抗菌石鹸!そう聞けば頼もしく感じるでしょう。
我が家にも薬用石鹸と呼ばれる製品があり「幅広いバイ菌から家族を守る」
「殺菌・消毒」などのキャッチコピーが記されています。
有効成分にはトリクロカルバン、トリクロサンの名前があります。
もちろん一時的な抗菌効果は期待できます。
とはいえ一般の石鹸ではいけないのでしょうか?
そもそも野戦病院のような状態ではない限り、危険な細菌類がいるか?
通常の石鹸
流水を使って手洗いすれば、大概の細菌類は除去されます。
石鹸がなければ、アルコール消毒液でも効果はあるようです。
もちろん好み、気持ちの問題はあるでしょうが、
高いお金を払ってまで必要もなさそうです。

石鹸の保管方法こそ重要かも

石鹸に関して、有効成分も大切ですが、保管方法こそ重要です。
例えば風呂場などで無造作に石鹸を放置していませんか?
石鹸を手に取る際は、手が汚れているかもしれません。
その汚れが石鹸に付着する、その汚れはどうなるのか?
石鹸を使って手を洗った後、石鹸を洗う?そういった気遣いが必要です。
それをしないで、抗菌石鹸だから大丈夫?本末転倒のような気もします。
もちろん気持ちの問題ですから。
なお石鹸の使用後は、汚れや水分を取り除き、乾燥した場所に置きましょう。
言い換えると風呂場やキッチンに放置するのは、おすすめではありません。
できれば乾燥できる石鹸箱に入れて、外気に触れないようにしまいましょう。
そこまで考えて初めて、抗菌石鹸も効果が生まれてくるようです。

消毒薬は除外されます

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今回のFDAによる決定は、あくまでも抗菌石鹸に関してです。
消毒液や医薬品などは対象外です。
つまりそれらは、正しく管理して使われているはずだからです。
薬と同じように、専門家の指導に従って利用すれば、
有効性が確保されるのは、抗生物質などと同じ原理です。
十分な知識を持たない素人相手の製品は、
殺菌効果も重要ですが、安全性が大前提であるはずです。
病気が流行っている時だけ抗菌石鹸を使用する!
そうした方法も間違ってはいないのでしょう。

日本でも中止になるか

soap02
FDAの決定は、あくまでもアメリカに関する話です。
しかし日本もFDAの決定に従うケースが少なくありません。
もしかしたら近いうちに厚生労働省が、または消費者庁が、
何らかのアクションを起こすかもしれません。
というか既に水面下でメーカーに対して指示しているでしょう。
それでも利害関係があります。
今日本の市場から、抗菌石鹸や薬用石鹸を全部撤去するとしたら、
メーカーの損害も大きいでしょうし、消費者もパニックに陥りそうです。
薬用石鹸で乳幼児の手洗いをしている家庭は多いですね。
扱いやすいボトルタイプも普及しているようですから。
慌てる必要はありませんが、ちょっと考えてみる良い機会です。

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たくと
たくと
生まれつき無関心な子供はいない! そう信じ、学習塾や講習会などで、 科学を楽しく解説しようと日々奮闘しています。 半世紀生きていますが、 気持ちは、今でも夢見る少年です。

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