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リチウムイオン電池とは何か?なぜ問題視されないのか

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この記事の所要時間: 751

韓国サムスンが作ったスマホで発火事故!
大きなニュースとなりました。
原因はリチウムイオン電池か?
とはいえ別電池に交換した後も発火した?
ならばシステム自体に問題があるのか?

これまでもリチウムイオン電池には、
いくつかの疑わしい事故があります。
ここまで言われても電池が原因ではない?
科学的に解明してみましょう。

リチウムイオン電池とは

そもそもリチウムイオン電池とは何か?
仕組みについて解説しましょう。

1.リチウム電池との違い

ちょっと紛らわしいものとして、
リチウム電池があります。
こちらは単に負極でリチウムを使っただけ
コイン型の電池などが売られています。
充電できない一次電池です。

一方で今回話題なのはリチウムイオン電池。
充電により繰り返し使用できる二次電池
こちらは正極にリチウム金属酸化物を使い
負極は炭素棒を利用するのが主流です。
もちろんリチウムイオンが動くことは同じ
しかし充電できる点が大きな違いです。

とはいえ間違って買うことはないか?
心配ありません。リチウムイオン電池は、
取扱に注意が必要なので市販品はなし!
パソコンやスマホのバッテリーなどとして
使われているのが一般的です。

なお電池の原理については、
電池の原理を知りましょう!ここにもイオンが活躍しています
を参照してください。

2.基本構造

リチウムイオン電池の基本構造は、
4つのパーツに分けることができます。
正極、負極、電解液、セパレータです。

(1)正極

正極とはプラス極です。用途によって、
異なる素材が使われます。

一般的なのはコバルト酸リチウム、
大電流特性に優れるのが三元系素材、
高温保存向きは高ニッケル系材料、
などが知られています。

(2)負極

次に負極は、マイナス極です。
一般的には炭素、黒鉛が使われます。
特にグラフェンと呼ばれる
六角形の網を持つタイプがあります。

層状に積み重なっており、
層内にリチウムイオンを収納することで
充電が行われます。

(3)電解液(電解質)

電解液は、イオンが実際に流れる
電流の性能に直接影響する部分です。

こちらも用途に応じて
6フッ化リン酸リチウムなどを溶かした
有機溶媒などが使われます。

溶媒の粘度を変えることによって、
リチウムイオンの移動が円滑になります。

(4)セパレータ

同電池で大切なのがセパレータです。
しばしばここが原因で出火する?
正極と負極のショートを防ぐ部分です。

主な素材はポリエチレンやポリプロピレン
とはいえ20マイクロメートルほどの厚さ、
リチウムイオンが透過できる微細な孔が
開いています。

メリットは何か

危険とも思われるリチウムイオン電池が
使われる理由は何があるのでしょうか。
少なくないメリットが指摘されています。

1.高い電圧が得られる

一次電池と直接比べることはできません。
とはいえ一次電池、いわゆる乾電池は、
通常1.5ボルトの電圧があります。

一方で充電できる二次電池の電圧は、
一般的なニッケル水素電池は1.2ボルト、
これに比べてリチウムリオン電池は、
3.5~4.0ボルトが得られます。

そのため大きな電力容量を長時間、
安定して取り出すことができます。

2.寿命が長い

二次電池なので充電して使います。
ならばどれだけ充放電を繰り返せるのか。

ニッカド電池やニッケル水素電池は、
1000~1500回程度充電ができるようです。
一方でリチウムイオン電池の場合は、
1500~2000回程度できるとされています。
単純に長寿命となります。

また自然に放電してしまう自己放電率
こちらはニッカド電池などの半分程度、
10%くらいだとされています。

さらに充電を繰り返すと持ちが悪くなる?
いわゆるメモリー効果がありません。

トータルで見て経済性に優れる電池です。
利点の多いリチウムイオン電池の登場で、
電池市場が激変したのは事実です。

3.高速充電できる

リチウムイオン電池の特性として、
高速充電できる旨があげられます。

ただし負極の材料に依存します。
ハードカーボンと呼ばれる難黒鉛化性炭素
もしくはチタン酸リチウムは、急速充電可
しかし黒鉛は急速充電が苦手です。

無理すると過熱、発火の原因になります。
用途に応じて使い分けるべきのようです。

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デメリットはないのか

リチウムイオン電池のデメリットは何か。
すなわち使用上の注意点です。

1.熱を持ちやすい

たぶん今回の問題となっているのが、
熱を持ちやすいことでしょう。

材質によるのでしょうが、急速充電すると
熱を持ってしまいセパレータが溶ける?
ショートを起こして発火するリスクあり。

一般論として180℃に達すると熱暴走
しかしセパレータが先に溶けて、
リチウムイオンの移動が遮断され、
熱暴走が防止できると謳われていますが。

なお充電が完了しても続けてしまう過充電
0%まで使い続ける過放電
いずれの場合も電池が劣化したり、
化学反応により発火する危険があります。

2.燃えたら消えない

熱を持っても充電を止めれば問題ない?
しかし一度燃え出すと止められない!

水をかけるだけでは容易に鎮火しません。
水没させる、しかありません。

もしくは燃え尽きるのを待つ!
取扱注意と言われる所以です。

3.低温環境だと劣化する

マイナス20度まで使える!
そんな製品もあるようですが、
充電の適温は0~45℃とされています。

0℃以下もしくは高温にすると、
劣化しやすいと言われています。
これも発火の原因になるとか。

事故の事例は多い

バッテリに起因すると考えられる事故が
スマホ以外でも少なからず起きています。
しかしリチウムイオン電池が本当の原因?
詳しくは報道されていません。

1.もちろんGalaxyNote7

本記事執筆のきっかけは、もちろん
サムスン製スマホの発火事故です。

結果的に同社はNote7の生産を中止した!
とはいえバッテリを交換しても発火した?
回路自体に問題があったかもしれません。

すると電池の問題はうやむやにされる?
新たな事故が起きないことを祈ります。

2.ボーイング787

前から気になっていたのは、飛行機です。
期待が大きかったボーイング787です。

2013年、同機に積まれたバッテリが発火!
とはいえこの事件が逆に
リチウムイオン電池に注目が集まった?
そうした指摘もあるようです。

しかし結果的に原因がわからない?
ショートや発火を防ぐ応急処置をしただけ
同じバッテリを使い続けています。

幸いなことに以後事故は起きていません。
でも安全性は保証されているのか。

3.パソコンなどのバッテリ

2007年から2008年にかけて、
あまり話題になりませんでしたが、
バッテリの回収騒動がありました。

2007年はパソコン用や携帯用バッテリ、
そして2008年はiPod nanoのバッテリです。

とはいえ製品のリコールは起きず、
詳しい原因究明はありませんでした。
以後事故がないので、結果オーライ?

4.電気自動車テスラ

日本ではあまり報道されていませんが、
2016年8月、フランスにおいて、
電気自動車のテスト走行中、
バッテリが原因とされる炎上事故発生!

これまでにも同社製の車で事故があり、
そのたびに改良を加えているようです。

ただしテスラは高速を出す車です。
そのためバッテリに負荷がかかっている?
走り方にも問題?何らかの衝撃があった!
違った見方もあるようです。

5.電気タバコ

煙が出ないタバコとして人気なのが、
電気タバコです。

中でもアイコスは、リチウムイオン電池を
使っているようです。
関連したと思われる発火事故があります。

自然?発火のリスクを避けるには、

  • 車内に放置しない、
  • ジュースや海水に触れさせない、
  • 過充電しない、

いくつかの注意点があるようです。

ソフトや回路が悪いのか

サムスンが製造を中止したことにより、
また原因究明ができなくなりそうです。

リチウムイオン電池本体ではなく、
その電流を制御する回路が悪いのか?

GalaxyNote7は防水性を高めたため、
熱を逃がせなくなったのが原因では?
そうした指摘もあります。

回路やソフトに問題があるとしても、
素人が使う製品に搭載してよいのか?
根本的な問題は残りそうです。

取扱いに注意しましょう

パソコンやスマホには電池があります。
長年使っているから大丈夫?
逆に劣化が起きているかもしれません。

普段と違う臭いがする?音がある?
異常に熱を持った感じがあれば、
直ぐに使用を止めましょう
バケツに水を汲みましょう。

落とすなどの衝撃を与えない、
過充電など無理な使い方はしない!
今一度取扱いには注意しましょう。

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たくと
たくと
著者サイトたくとすく~る
生まれつき無関心な子供はいない! そう信じ、学習塾や講習会などで、 科学を楽しく解説しようと日々奮闘しています。 半世紀生きていますが、 気持ちは、今でも夢見る少年です。

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