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究極のダイエット法か?やせる細胞の培養に成功!

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2016年11月17日の日本経済新聞に、「やせる細胞」量産技術 という見出しがありました。肥満治療や創薬に活用できるかもしれないということですが、そもそもやせる細胞などあるのでしょうか。

遺伝子操作やiPS細胞、AIなどを活用することによって、もはやできないことがなくなるような感じがしています。再生医療も、経済性を抜きにすれば可能な時代です。ついに肥満治療にまで科学の力が忍び寄ってきました。

やせる細胞とは何か

やせる細胞とは何か、それは誰もが持っている褐色脂肪細胞のことです。やせるのに脂肪とは、おかしな気もします。とはいえ人間には脂肪細胞が2種類あります。一つは白色脂肪細胞であり、もう一つが褐色脂肪細胞です。

1.白色脂肪細胞

こちらはいわゆる脂肪です。身体の至る所で蓄積され、皮下脂肪になったり血中の中性脂肪として現れます。基本的に一度増えてしまった白色脂肪細胞はなくなることがありません。この細胞がさらに太ったり、やせたりすることが、見かけのダイエットになるようです。

2.褐色脂肪細胞

有効に活用したいのが褐色脂肪細胞です。こちらは限定された場所にしか存在しません。それは心臓や腎臓の周辺、肩甲骨や首の周り、そして脇の下です。主な働きは、体内に蓄積されたエネルギーを熱に変換して放出することです。

人間には存在しない、かつては考えられていました。しかし昨今の研究によって、脂肪細胞全体の1%程度が褐色脂肪細胞であることがわかっています。白色脂肪細胞を破壊してくれる?そんな話もあるようです。今後の研究に期待が高まっています。

ただし褐色脂肪細胞は、加齢によって減少していくことが知られています。成人に達すると、生後すぐに比べて半分以下になるようです。これこそが年齢を経ることにより太りやすくなると感じる理由かもしれません。

また日本人の3人に1人は、褐色脂肪細胞の変異に関する遺伝子を持っていると言われています。すると基礎代謝力が低下してしまい太りやすくなると言われています。肥満の家系?なんとなくわかるのかもしれません。

褐色脂肪細胞を増やすには

人工培養によって量産化する技術が得られたようですが、自分で褐色脂肪細胞を増やすことはできないのでしょうか。いくつかあるようなので試してみましょう。

1.寒冷刺激を与える

例えば寒冷刺激を与えることが有効とされています。そのため18℃くらいの低温プールに入って泳ぐことが推奨されています。体温の低下によって身体が危機感を察知し、脂肪を熱に変えようと考えるのでしょう。理には適っていますが、ちょっと辛そうです。

2.昼夜の生活にメリハリをつける

生活にメリハリをつけることも良いとした報告もあります。具体的には、日中積極的に身体を動かし、日没後はリラックスして質の高い睡眠をとることです。ちょっとした心がけで褐色脂肪細胞を活性化し、太りにくい体質に変えることができそうです。

仕事があると難しそうですが、週末などに試してみましょう。もちろんブルーライトが多いパソコンやゲーム、スマホは、就寝前2時間は禁止しましょう。

3.肩甲骨のストレッチをする

褐色脂肪細胞は肩甲骨の周りに集中していると言われています。そのため肩甲骨のストレッチが有効との説があるようです。一部には俗説だとするサイトもありますが、肩を回して肩こりを解す、筋肉を動かすことは肥満解消の一歩にはなるでしょう。

遺伝子操作によって作られます

今回ニュースになったのは、臨床試験を支援する企業であるアイロムグループが国立国際医療研究センターと共同開発した技術です。褐色脂肪細胞の人工的な量産に成功しました。アメリカと日本で特許が成立したようです。ビジネスの話が進みそうです。
参考:当社子会社による多能性幹細胞から褐色脂肪細胞を製造する技術の 日本および米国における特許査定のお知らせ|株式会社アイロムグループ

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具体的な技術とは、ノーベル賞の対象にもなったiPS細胞などに代表される幹細胞に遺伝子操作を加えて人体に近い環境下で培養します。褐色脂肪細胞は上述の通り遺伝子の関与が大きいので、ここがポイントになります。血液細胞を作るための物質を使ったとか。

毒性や副作用などのリスクが極めて低くできるので、もちろん肥満対策に有効だと考えられています。アメリカの肥満人口、そして日本人のダイエット志向を考えれば、ビジネス規模は大きくなりそうです。

ただし創薬という観点で見れば、あくまでも医療なのかもしれません。すると利用できる対象が限定される可能性もあります。もちろん安全性が高まれば、サプリメントなどの形式で普及することもあるでしょう。美容クリニックの対応が注目されます。

美容整形の一つになるか

当面は極度の肥満者を対象とした医療分野に限定されそうですが、美容整形の一つに取り入れられるとすれば、普及は早くなりそうです。つまり美容の分野は、もちろん医師の処方が必要ですが、健康保険を使わないため、先進的な手法が利用できるからです。

さらに美容目的なら料金を厭わない患者さんも多くいます。医療側、患者側、双方の協力によって技術が洗練化されていけば、薬局でも買える医薬品、一般的なサプリメントへの応用も進んでくるはずです。

解決すべき課題は何か

もちろん未だ実験段階です。開発企業のウェブサイトを見る限りでは、当面業績に影響を与えることはなさそうです。つまり実際に私たちが利用できるようになるまでには数年単位の時間がかかるでしょう。では現状において解決すべき課題は何かあるのでしょうか。

1.経済性

今回の報道で、アイロムグループの株価が上がりストップ高となったようです。それだけ世間の注目が集まっている証拠です。ビッグビジネスに発展する可能性は十分にあります。日米の大手製薬会社が乗り出してくるかもしれません。

とはいえ一部のマニアだけが扱う商品であれば、儲けになりません。サプリ程度とまでは言いませんが、肥満治療が一般化するレベルに至るまでの経済性がなければ、単なる期待で終わりそうです。

例え薬として承認されたとしても、高額な薬価は、オプジーボの事例があります。処方薬で儲ける商売は、転換点に来ているのかもしれないからです。大衆薬になるかが事業化へのポイントです。

2.安全性

アメリカであっても遺伝子操作に対する拒絶感はあります。もちろん遺伝子治療など一般化された技術もありますが、どこまで遺伝子を操ってい良いのか?ゲノム編集といった不気味な技術の応用も中国などで進んでいます。

やせる細胞で治療した場合、iPS細胞で危惧されていたような、がん化する恐れはないのか?また生殖細胞へ伝わり次世代に変化は起きないのか?自身の細胞を使うのでしょうが、拒絶反応は起きないのか?そうした実験も詳しくしていくべきなのでしょう。

マウス実験で成功!しかし以後泣かず飛ばす?消えてしまう「有効成分」は少なくありません。それこそAIによって副作用の有無を事前にチェックすべきでしょう。

3.倫理性

ただやせればよいのか?そうした問題があります。例えてみれば、糖尿病の薬を服用しつつ贅沢な食事をするようなものです。脂肪をスルーするサプリ?それは倫理的に正しいことなのでしょうか。

遺伝的な病気を抱えているⅠ型糖尿病患者などもいます。とはいえ後天的な肥満であれば、食事を含めた生活習慣の改善が第一に求められます。それを後回しにして薬でやせようとする風潮が残っていれば、ビジネス側が儲かるだけであり、本人の健康は保証できません。

科学で医療はどうにでもなる時代が目の前に来ています。とはいえ科学を操るのは人間です。悪魔の細胞を作り出さないように、研究者、事業者が考えるべき点もあります。

食べても太らないことは良いことなのか

食べたら太る?それが問題視されるようになってから未だ100年も経っていないでしょう。生物学的に考えれば、食べて太らないと困るはずです。変な正義感を振りかざす気もありませんが、食べても太らないことは良いことなのでしょうか。

肥満になるには、病気も含めて理由があるはずです。そこを優先的に解決せず、安易にやせる細胞を利用するということは、科学的に正しいのか?神のみぞ知る領域なのでしょうか。

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たくと
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著者サイトたくとすく~る
生まれつき無関心な子供はいない! そう信じ、学習塾や講習会などで、 科学を楽しく解説しようと日々奮闘しています。 半世紀生きていますが、 気持ちは、今でも夢見る少年です。

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