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高病原性鳥インフルエンザ発生!偏見は禁物、正しい知識と注意点とは

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この記事の所要時間: 631

2017年11月29日、新潟と青森で、それぞれ高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出されました。直ちに自衛隊などが出動し、飼育されているニワトリやアヒルすべてが殺処分されています

とはいえ人間に対する直接的な影響はありません。変に恐れたり偏見を持たないようにしましょう。そうすることが結果的に自分たちのためとなるからです。正しい知識と行動が身を助けます。

鳥インフルエンザとは

鳥インフルエンザとは何でしょうか。つまり鳥類に限定して感染するインフルエンザの一種です。名称が示す通り、インフルエンザウイルスの仲間が原因です。感染力および致死率も高いとされています。

かつては家禽ペストと呼ばれ法定伝染病に指定されていました。しかし2003年における家畜伝染病予防法の改正に伴い高病性鳥インフルエンザへと改名されました。同法上の対象動物は、ニワトリ、アヒル、ウズラです。

なお鳥インフルエンザウイルスが人間に感染して発症した場合も、鳥インフルエンザとの診断名が付くことがあります。そのため鳥類に限定する際は、高病原性鳥インフルエンザと称するのが一般的です。

インフルエンザウイルスの種類

インフルエンザウイルスにはいくつかの種類があります。その分類には記号が使われています。例えばHNです。それらを組み合わせてインフルエンザウイルスの型を特定し治療に役立てます。

1.Hはヘマグルチニンの種類

Hは、ヘマグルチニンhaemagglutininと呼ばれる抗原性糖たんぱく質のことです。ウイルスが細胞へ近づいた際、強く結合する役割をします。それによって細胞内へ侵入しやすくなる仕組みです。

発見順にH1からH16まであります。最近グアテマラのコウモリから新たなタイプが発見されており、これをH17にすべきか検討されています。一般的にH1、H2、H3がヒトインフルエンザであり、H5とH7が鳥インフルエンザです。

Hの型によって感染できる細胞の種類が異なります。とはいえ高病性鳥インフルエンザであるH5N1は、一部の遺伝子変異を起こしている人に対して感染する可能性が指摘されています。

2.Nはノイラミニダーゼの種類

Nは、ノイラミニダーゼneuraminidaseと呼ばれる加水分解酵素の一種です。ウイルス自身の自己複製に際して使われます。そのためインフルエンザの治療薬に、この働きを抑える作用を持つ薬剤が応用されています。

ノイラミニダーゼとしては現在137種が知られています。とはいえインフルエンザウイルスに関するのはそのうちの9種類、ヒトに関係するのは亜型N1およびN2です。

感染源はどこか

昨今の養鶏場は外気が入らないように密封性を高めています。これは感染症を予防するためです。つまり鳥インフルエンザなどの病気は、主に渡り鳥などから感染すると考えられているからです。稀にネズミなどからうつることも指摘されています。

今回青森と新潟で見つかったウイルスは、韓国で飼育されている鳥類や日本の野鳥で見られるH5N6型であることが判明しました。とはいえ隙のなさそうな鶏舎へどのように入り込んだのでしょうか。

なお青森では、同経営の離れた農場でも病鳥が発見されています。ならば人間が運んでしまった可能性も否めません。ウイルスは見えないので予防が難しいのが現実です。そのため感染が見つかった近くのエリアでは、人や車の移動制限が強いられます。

野鳥の死体には触らない

鳥インフルエンザの感染源は野鳥と考えられています。そのため住宅の周辺で野鳥の死骸を見つけても、安易に触れてはいけません。もちろん直接人に感染することはありませんが、ウイルスを拡散する危険があります。

同様に飼っている鳥が死んだ場合も注意しましょう。ウイルスを持っていないという確証はないからです。

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ちなみに鳥インフルエンザの主な症状は、トサカや顔、足が腫れる、元気がなくなるなどがあります。とはいえ最近は、何らの症状も示さず突然死ぬケースも少なくないようです。この場合は、一応近くの獣医さんに報告しておきましょう

なお鳥小屋や地面の消毒には水酸化カルシウム、いわゆる消石灰が有効です。さらに消毒用アルコール塩素系漂白剤も除ウイルスに効果的です。

人に感染する危険は低いようです

ニュースを見る限りでは、真っ白な防護服を着た作業員が黙々と殺処分および穴埋めをしています。ちょっと不気味ですね。とはいえ人に直接感染する危険は低いようです。心配しすぎてはいけません。

1.鳥から直接人へは感染しません

一部の例外を除いて、鳥インフルエンザウイルスが人間の体内に入っても感染することはありません。上述の通りヘマグルチニンの種類が異なるためです。言い換えると感染しているニワトリやアヒルと接しても、鳥インフルエンザに罹ることはありません。

ただし外国の例において、一部の遺伝子変異を起こしたタイプが人に感染した事例はあるようです。とはいえ過度な物理的接触があったとされています。そのため私たちが通常の生活を続けている限り、心配する必要はありません。

2.鶏肉や卵を食べても安全です

鳥インフルエンザに罹っている鳥の肉や卵を食べても問題はなく、それが理由でインフルエンザに罹るかかることはありません。基本的に卵や鶏肉は安全ですが、ウイルスの拡散を防ぐ意味で、感染が確認された農場周辺では畜産物の移動を制限しています。

これまで事例として報告されていませんが、遺伝子の突然変異があれば可能性としては捨てきれません。ただし十分に加熱すればウイルスは死滅します。心配な人は生卵を食べない、肉は清潔に扱い加熱処理する。食中毒予防三原則を徹底しましょう。

3.人から人にはうつりません

極めて稀な事例があるので100%とは言い切れませんが、基本的に日本で鳥インフルエンザが人から人へうつる可能性はありません。ほぼ心配する必要はありません

なお1918年のスペインかぜ、また1968年の香港かぜの原因は、元々鳥インフルエンザのウイルスが変異したと考えられています。とはいえ人へ感染する状態では、それぞれH1N1亜型、H3N2亜型でありヒトインフルエンザウイルスになっています。

なぜ全部を殺処分するのか

法律的には、鳥インフルエンザが見つかったなら、同一農場内にいる健康な個体を含めすべてを殺処分とし、土に埋める必要があります。かわいそうな気もしますが、もちろんウイルスは目に見えないからであり、万全を期するためです。

土中に埋める理由は、ウイルスの拡散を防ぐためです。そのため原則は、発生した農場内で埋めることになります。基本的にウイルスは、生きた細胞がないと生存できません。したがって死体にウイルスがあっても1週間程度で死滅します。

なお焼いた方が安全だと思いそうですが、完全に灰とするには時間もお金もかかります。何より悪臭が発生します。焼き鳥の香ばしさはありません。羽を焼くと意外にも臭いがきつくなります。そして結局灰はどうするか?埋めることになるでしょう。ならばそのまま埋めた方が経済的、労力的な面でメリットがあります。

インフルエンザの予防に努めましょう

今回の発生において、私たちが直接脅威にさらされることはありません。また卵や鶏肉を食べても、まったく問題はありません。そうした風評被害こそ危険です。落ち着いた行動をとりましょう。

とはいえ季節的に人間のインフルエンザが流行っています。2016年12月初頭、既にピークを迎えました。今後も蔓延が心配されます。そのためうがいや手洗い、アルコール消毒、人混みの中ではマスクを着用するなどの予防に努めましょう。

参考「この冬に気を付けたいウイルス病とその予防法!5つずつ紹介!!

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たくと
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著者サイトたくとすく~る
生まれつき無関心な子供はいない! そう信じ、学習塾や講習会などで、 科学を楽しく解説しようと日々奮闘しています。 半世紀生きていますが、 気持ちは、今でも夢見る少年です。

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