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マイナスとは何か?マイナスの世界は存在するのか

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この記事の所要時間: 824

経営の話ではマイナスという概念が出てきます。もちろん引き算もマイナスと言います。温度計をみても、マイナスの部分がありますね。とはいえマイナスとは何でしょうか。そもそもマイナスの世界などあるのでしょうか。

中学生が数学で躓くポイントは、まずマイナスの計算です。ここで多くの子供が挫折し、数学嫌いになるようです。しかし言い換えるとマイナスの概念を理解すれば、これほど便利なものはありませんよ。

現実の社会にマイナスは存在しない

普通に生活していても、マイナスという言葉を常に見聞きします。そのため私たちは、マイナスの世界があると勘違いしているようです。とはいえどこにそんなものがあるのでしょうか。マイナスの疑問を考えていきましょう。

1.マイナス1匹の羊はどこにいる?

数は、大きく実数と虚数に分かれます。虚数については後述します。

また実数有理数無理数に分かれます。無理数とは、平方根や円周率などのように、分数として表せない、すなわち循環しない小数のことです。

有理数整数分数に分かれます。分数は小数でも表せますが、無理数でなければ、割り切れない小数であっても分数にすることが可能です。例えば1/3は、小数にすると0.333・・・と永遠に続きますが、分数にすれば簡単になります。

整数とは、小数点以下がない数字です。例えば1、2、3、192などです。そして整数は、正の整数、ゼロ(零)、負の整数に分かれます。この負がいわゆるマイナスです。

なお正の整数は、自然数と呼ばれます。つまり自然界にある数字だからです。リンゴが3個、ヒツジが1匹などです。しかし羊が-1匹?幽霊でしょうか。

ちなみにゼロは、プラスでもマイナスでもありません。存在しないということです。ただし古い参考書などを見ると、ゼロを正の整数に入れている場合があります。

もちろんマイナスの小数や分数、無理数なども作れますので、数を大きく分けると、プラス、ゼロ、マイナスに分かれます。ただし現実社会にある数字は、基本的にすべてがプラスです。

2.温度にマイナスはない

(1)氷点下

現実社会にマイナスはない?しかし温度にはマイナス表記がありますね。これは嘘の世界なのでしょうか。とはいえマイナス温度を別に言い換えるなら、氷点下となります。氷点下とは、氷になる点の下、つまり0℃未満と言うことです。

ちなみに日本で使う温度の表記は摂氏(℃)です。これは、水が凍る温度を0、沸騰する温度を100と定め、その間を百等分した概念です。そして0℃超をプラス温度、0℃未満をマイナス温度と定めたのです。

つまり水を温度の基準に使っただけであり、もし別の物質を基準に選んでいれば、違う表示になったはずです。例えばアルコールは約78℃で沸騰し、-114℃にならないと氷になりません。だから日本人が言うマイナス温度は、便宜的な数値にすぎません。

(2)アメリカでは体温が100度!

アメリカへ行ったことがある人は、温度表記に驚いたことがあるかもしれません。つまり体温が100度!とはいえこれは華氏という基準を採用しています。摂氏に換算すると約38℃です。

詳しくは、下記を参照してください。つまり日本のマイナス温度とアメリカのマイナス温度は違うのです。
参考「最近は暖かいですね。とはいえ温度とは何ですか

(3)絶対温度

高校の化学や物理を学ぶと、絶対温度という言葉が出てきます。科学的に考える際には、こちらを使います。マイナスがあると計算が面倒になるからです。

つまり究極的な最低温度、これ以上下げることができないと想定される温度を0度、絶対零度と定めています。単位はK、ケルビンと呼びます。

ゼロKは、摂氏で現わすと-273.15℃です。また0℃は、約273.15Kになります。したがってケルビンの世界ではマイナス温度はありません。つまり温度に関してはマイナスはないのです。

3.数直線で考える

(1)座標の考え方

中学の数学では座標を使います。そこではマイナスの座標が出てきます。とはいえここでもマイナスは便宜的な概念にすぎません。ゼロを境にして、右へ行くとプラス、左へ行くとマイナス。同様に上へ行くとプラス、下へ行くとマイナスと定めただけです。深く考える必要はありません。

(2)マイナスを引くとプラスになる

計算で「マイナスする」とは、引き算のことです。つまり「3-2=」これを「3ひく2は」とも言いますし、「3マイナス2イコール」とも言えるからです。

では「3-4=」答えはいくつでしょうか。中学生以上であれば「-1」と答えるでしょう。ただし小学生はまだマイナスになる計算は習っていないので、答えられない、答えない、そもそも問題として出されません。

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ならば「3-(-4)=」答えはいくつでしょうか?つまり3からマイナス4を「引く」のです。ここでマイナス4を引くということは、プラス4を足すことになります。答えはプラス7です。

すなわち「マイナス」を「引く」どちらもネガティブなことであり、反対の反対は賛成!つまりプラスになるのです。この辺の理屈がすっきり頭に入って来ないと、ずっと数学がわからなくなるようです。

(3)マイナス五分後とは

数字だけだと混乱するので、方角的に考えてみましょう。例えば「東へ3m進む」は言い換えると「西へ-3m進む」ということです。つまり東を向いて3歩進むということは、西を向いて(東に背を向けて)3歩下がるということです。

同じように「マイナス5分後」とは、五分後の反対、つまり5分前ということです。こうした言葉の操作ができるようになると、数学も面白くなります。またマイナスが便宜上の言葉ということも理解できるでしょう。

4.(-1)×(-1)=(+1)の謎

中学生が疑問を抱く最大のポイントは、マイナスの掛け算です。(-1)×(-1)これがなぜ(+1)になるのでしょうか。

学校や塾では様々な解説がなされますが、どれもすっきりすることがないようです。原理的には、掛け算は足し算です。つまり2×3は、2を3回足しています。すなわち2+2+2=6ということです。

同じように考えると、(-1)×(-1)は、マイナス1をマイナス1回足しています。ちょっと難解ですが「(-1)をマイナス1回足す」とは「(-1)をプラス1回引く」。

もっとくだけて言えば、「何かから」(-1)を1回引く、だから「-(-1)」ということになるのです。ここでマイナスのマイナス、すなわち反対の反対なのでプラスになるということです。

足し算であっても基準(通常はゼロ)に何かを足す。0+2+2+2=6 などと考えればマイナスの計算も腑に落ちるでしょう。

そもそもマイナスは、概念的なもの、計算するために必然的に使っているにすぎないので、深く考えてはいけないのかもしれません。マイナス×マイナスはプラス!そう覚えた方が数学は理解しやすくなります。

5.虚数とは何か

高校になると虚数を学びます。つまり嘘の数、ありえない数です。すなわち2乗してもマイナスになる値です。便宜的に小文字のアイ(i)を記号として使います。そして定義は、i×i=-1 です。

そもそもマイナス×マイナスはプラスと習いました。同じ数を2乗する、2回同じ数を掛けるとプラスになるはずです。その常識をひっくり返すような概念です。数学嫌いはここで怒りに変わるでしょう。

とはいえ名前の通り嘘の数です。計算上必要となるから作っているにすぎません。また虚数があることで高校以上で習う数学や物理の計算がスムーズになるのも事実です。もう開き直って、そういう概念がある!思うことが賢明なのです。

嘘も百回言えば本当になる!マイナスという概念自体が嘘なのですから、深く考えてはいけない、信じることが次へ向かうステップです。

6.マイナスイオンとは何か

(1)電気のマイナスは、プラスの反対だから

電気の話でもマイナスが登場します。とはいえこちらも概念的な話です。プラスの反対だからマイナスにしているだけです。磁石のようにNとSでも良かったわけです。しかしプラスとマイナスにした方がわかりやすかったのでしょう。

そもそもプラスの電気やマイナスの電気という話もおかしなことです。本当はどちらがプラスでもよかったようです。すなわち電気の正体は、電子の流れです。電流はプラスからマイナスへ流れると小学校で習いますが、実態は、電子がマイナスからプラスに流れる!ここも理科嫌いになるポイントです。

ちなみにイオンに関して言えば、原子や分子に、電子が規定数より多いとマイナスであり、電子が足りないとプラスになります。ちょっと矛盾するような話です。

磁石と同じように、電流はNからSに流れる!そう決めてくれていれば、マイナスの話で悩むことはなかったかもしれません。

(2)マイナスはネガティブ?暗いのか

ポジティブに考えよう!これはプラスですね。反対はネガティブ、つまりマイナス思考です。どうしてもマイナスは暗いイメージですね。とはいえマイナスの概念に関しては、わからないと諦めるのではなく、ポジティブに、前向きに取り組みましょう。

なお巷ではマイナスイオンという言葉があります。なんとなく健康に良さそうですね。しかしこれも概念的な話です。どこまで科学的な根拠があるのか疑問です。しかしこちらのマイナスはポジティブな雰囲気がある?余計に混乱しそうです。

マイナスは便宜上の世界です

マイナスという概念は、人間が便宜的に作り出した世界にすぎません。そのため数学者たちも、ごく最近までマイナスの存在を認めてきませんでした。専門家も悩んでいたのです。

言い換えるならマイナス1匹の羊が現実に登場しない限り、一般の私たちがマイナスの世界を考える必要はないのでしょう。ゼロという境界があるからプラスとマイナスがある。基準の取り方でマイナスの範囲は変わる、単なる決め事にすぎません。

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たくと
たくと
著者サイトたくとすく~る
生まれつき無関心な子供はいない! そう信じ、学習塾や講習会などで、 科学を楽しく解説しようと日々奮闘しています。 半世紀生きていますが、 気持ちは、今でも夢見る少年です。

喧嘩するたび開いていく溝?深くなる愛情?【好きな人との言い争い】喧嘩するたび開いていく溝?深くなる愛情?【好きな人との言い争い】

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