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中学入試が子供の理科嫌いを助長している?5つの問題点とは

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この記事の所要時間: 74

中学受験を目前に控えた時期に言うことではないかもしれませんが、中学入試用の理科教育子供の理科嫌いを助長している?そんな可能性が示唆されています。

進学塾で教えていると、理科がわからない!難しい!そんな声が少なくありません。もちろん根本原理を考えると難解ではあります。しかし理科は単なる暗記科目ではないはずです。科学が面白いと感じるには、矛盾するような内容が少なくありません。

中学入試に理科が加わった影響はあるか

かつての中学入試は、国語と算数だけでした。しかし、いつからか理科と社会を採用する学校が増えました。最近では英語を取り入れる中学校もあります。多角的に子供達を評価することは良いことです。

一方で学校教育における理科は3年生から始まります。このギャップというか、性急さが理科を難しくさせているのは否めない事実です。近年は学校であまり理科実験をやらないとか?座学だけでは理科の楽しみが半減します。

もちろん中学受験をする子供たちは6人に1人、未だ少数派です。ただし言い方には語弊がありますが、エリートを目指す子供達です。そうした子供達が理科を好きになるか嫌いになるか?日本が科学大国になれるかどうかの分岐点です。

中学受験の勉強が理科嫌いを助長している疑いとは

ちょっと穿った見方かもしれませんが、中学受験の勉強が理科嫌いを助長している?そう思えてしまう理由を説明してみましょう。

1.小学校の理科は現象だけを教えます

算数や英語は積み上げ型です。つまり基礎を一段ずつ上ることで、難しい内容が理解できるようになるからです。もちろん学問に限りませんが、基礎を固めることが上達への近道です。

一方で理科は掘り下げ型です。小学校では磁石や電気であっても、現象だけを教えます。なぜそうなるのか?もちろん科学的に解明されていない部分もありますが、難しすぎるので仕組みは教えません

そして中学、高校と学年が進むにつれて原理的な話をしていきます。これは子供の理解力に合わせる、当然ですが数学の知識が求められるからです。言い換えると原理を理解する前に、理科嫌いになっている可能性は否めません。

化学に関しては、元素周期表を先に教えた方が、水溶液や気体の発生など化学反応のメカニズムを理解しやすいと思えますけどね。
参考「元素の周期表を理解すれば化学がよくわかります

2.知識偏重型になる

中学入試には典型的な問題が少なくありません。それをひたすら覚えることになります。そのため知識偏重型になるのは避けられません。例えば完全変態の昆虫名を暗記する!これではアクティブラーニングは進まないでしょう。
参考「学習塾でもアクティブ・ラーニングをすべきなのか

大学入試に記述問題を含めるなどの入試改革が進んでいます。とはいえその成果が中学入試に波及するまで、どのくらいかかるのでしょうか。著名中学が方向性を変えないと、大きな流れにはならないでしょう。

もちろん一部の中学では、知識を知らなくても文章を読ませてその場で考えさせる問題を出しています。中学側がそうした出題を増やさない限り、いわゆる詰込み学習はなくならず、理科イコール暗記!理科嫌いが増える可能性は否めません。

3.難易度の高い計算問題は必要なのか

5年生以上に理科を教えていると計算問題が頻発します。すると子供達から「それは算数だ」非難轟々です。とはいえ科学を理解するには計算が不可欠です。しかし小学生に難易度の高い計算問題は必要なのでしょうか。

特に面倒なのは、水溶液、電流、てこなどです。原理を覚えれば簡単ですが、限られた時間内で手際よく計算するにはテクニックが求められます。結果的に何をやっているのか?解説している方も困惑します。

例えば電流を求める際には、電圧や抵抗を使えません。これは中学で習う範囲だからのようです。そのため逆比など苦し紛れの計算をします。よけいに電流がわからなくなりそうです。

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そこで算数では、つるかめ算、植木算、ニュートン算などなど、小学生では方程式が使えないので、工夫された計算方法が説明されます。もちろん中学以降でも役立ちますが、そうした技が理科の問題を解く際にも利用されます。

算数が苦手だから理科がわからない!早期に理系の子供達からやる気を奪っている?疑われても仕方がないのかもしれません。

4.矛盾することはないのか

小学校の理科は、ちょっと首をかしげたくなる話があります。しかしそこを突破しないと合格しません。ジレンマです。

例えば地球温暖化のプロセスです。子供たちは地球温暖化の原因は二酸化炭素!そう理解しています。とはいえ実質的には水蒸気やメタンも重要だし、温室効果がなければ逆に問題です。そこを詳しく説明する時間はありません。
参考「地球温暖化に関する3つの誤解?本当に解決すべきなのか

ちなみに水溶液と気体の話に関して、二酸化炭素は水に溶けやすい。とはいえ簡単に炭酸水は作れない?ただし水上置換によって集める!さらに空気より重いなら、上述のように温室効果を生み出せるのか?教えている方も混乱します。

また実生活から消えてしまった理科の教材も少なくありません。料理も電気でする時代です。ガスの説明も大変です。缶切りや栓抜きの保有率はどの程度なのでしょうか。
参考「小学校の理科が変わっている?日常生活から消える物も多いです

5.細かい用語の話

細かいことですが、使われている用語の問題があります。気になる人は、違和感を覚えてしまいます。

(1)肥料とは何か

植物が根から吸収するのは何か?水です。また水に溶けた養分も同時に取り込みます。とはいえ一部のテキストでは「肥料」を吸収すると解説しています。

農学の経験者からすると、肥料とは人工的に与えた栄養のことです。そのため農作物以外では、肥料を根から吸収することはないでしょう。

もちろん細かいことを言うな!お叱りを受けそうですが、そうした細かい誤解が積み重なった大人が少なくないのも事実です。

(2)三角と三角形の違い

星座の学習において、冬の大三角と夏の大三角があります。とはいえ「大三角形」ではないようです。つまり三角形とは、点と点が線で結ばれた状態だからです。夜空に線は引かれていませんね。

一方で三角とは、三つの点のことです。例えとして使われるのは男女間の三角関係です。三角形関係とは言いませんね。

ただし天文学的に考えれば、どちらでもよいことでしょう。宇宙の解説本には線が引かれていますし、古い天文系の本には、大三角形との記載があります。

なお現在、学校のテストで「大三角形」と書くと×になるようです。こちらも細かいことですが、そうした説明を学校でしているのでしょうか。

科学理論は変わる可能性が大きい

現在学校で習っている理科は、あくまでも現時点において正しいとされていることです。今の大人が子供時代に習ったことが大きく変わっていることもあります。例えば次のような点があります。

  • 冥王星は、2006年に惑星から準惑星となりました。他にも類似した天体が見つかったからです。
  • 昭和の時代、空気中の二酸化炭素濃度は0.03%でした。今の教科書には0.04%と記載されています。
  • 最強の恐竜であるティラノサウルスは、かつてゴジラのように直立二足歩行していたと考えられていました。しかし今では前傾姿勢!さらに羽毛が生えていた可能性も示唆されています。
  • 単子葉植物と双子葉植物の境界が不鮮明になる可能性が指摘されています。

もっと言ってしまえば、DNA鑑定が当たり前になると生物の分類自体が大きく変わるかもしれません。

なお化学や物理の理論でも、反論がないから正しいと考えているだけであり、ニュートン力学はアインシュタインの相対性理論によって崩れ、量子力学を含めた統一理論が完成すれば、アインシュタインの座も、危ういかもしれません。

そうした議論をもっと教室で展開することにより、理科好きとは言わないまでも、興味を持つ子供が増える可能性は否めないでしょう。

理科は楽しいですか

理科の勉強は楽しいのか?とはいえ科学は楽しく学びたいですね。様々な可能性を含んでいる教科だからです。もちろん将来に役立つかもしれませんが、実生活と密接に関係しています。そこから考えていけば、科学の不思議に出会えるはずです。

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たくと
たくと
著者サイトたくとすく~る
生まれつき無関心な子供はいない! そう信じ、学習塾や講習会などで、 科学を楽しく解説しようと日々奮闘しています。 半世紀生きていますが、 気持ちは、今でも夢見る少年です。

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