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花粉とは何か?なぜ飛ぶのか?花の仕組みを考えよう

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この記事の所要時間: 642

春が近づくのは嬉しいものですが、乗り越えるべき壁があります。それはスギに代表される花粉症です。これから約1カ月、世の中はマスク姿、くしゃみ音などが絶えません。一説によると日本経済への打撃も大きいとか。

そもそもなぜ花粉は飛ぶのでしょうか。その仕組みを理解することにより多少でも気休めになれば幸いです。

花とは何か

花を見ているとホッとしますね。綺麗な花は楽しい気分にしてくれます。そもそもサクラが咲かないと花見もできない?しかしサクラの花粉症はあるのでしょうか?そうした点から考えていくことが大切なようです。

1.葉が変わったものです

そもそも花とは何でしょうか。

基本的に植物は、の3部分から構成されています。

もちろん熱帯の寄生植物であるラフレシアのように葉を付けない植物もあります。とはいえ植物にとって花は、主要な構成体ではないようです。
参考「光合成しない植物がいる!そもそも植物なのでしょうか

では花とは何か?

明確な定義はなく、葉が変形した物と考えられています。

つまり原始的な植物であるコケやシダに花はありません。またスギやマツなどの裸子植物にもわかりやすい花はありません。

すなわち花とは、種子植物への進化の過程において、葉から必要に応じて形態変化したもの推定されています。

例えばアジサイで色づくのはガクポインセチアで赤くなるのは葉です。厳密な意味での花びらではありません。そうであれば納得できるかもしれません。

2.花の四要素

小学校の理科で学びますが、花は4つの部分から構成されています。

つまり外側からガク(萼)花びら(花弁)おしべ(雄蕊)めしべ(雌蕊)です。

これらを合わせて花の四要素と言います。

この四要素が一つの花に揃っている場合を完全花と呼びます。どれかが欠けると不完全花です。

例えばイネには花びらやガクがありません。またカボチャなどのウリ科植物は雄花と雌花に分かれます。そのため雄花にめしべはありません。逆も同じなので不完全花です。

ウリ科のように雄雌分かれる花は単性花、おしべとめしべが揃っている花を両性花と称します。
さらに花弁が基部でつながっている、例えばアサガオやツツジですが、これを合弁花、一方でサクラのように離れているタイプを離弁花と呼びます。

3.花は生殖器官です

花は美しいですね。

それもそのはず、花は植物にとって生殖器官だからです。

そう考えると、ちょっとエロい感じがします。しかし植物も子孫を残すために命がけです。名前の通り色仕掛けの戦略が多々見られます。

基本的にめしべの基部に子房と呼ばれる膨らみがありますが、これが将来実になります。
そして子房の中には、将来種になる胚珠が入っています。
なお子房がある植物を被子植物、ない植物を裸子植物と呼びます。

スギは裸子植物です。

おしべの先端にある(やく)で作られる花粉が、めしべの先端にある柱頭(ちゅうとう)に付くことを受粉と言います。

付着した花粉が発芽して花粉管を伸ばし、作り出された精細胞が子房内にある卵細胞と結合すると受精完了です。

花粉はなぜ飛ぶのか

花粉はなぜ飛ぶのか?簡単に言えば小さくて軽いから風に流されるのです。とはいえ花粉を飛ばさない花の方が主流です。その違いや仕組みについて考えてみましょう。

1.花粉とは何か

スギ花粉症が国民病となった現状を鑑みて、花粉を作らないスギ種を開発しているようです。

とはいえ何故スギを植え続けるのか?

根本的な疑問もありますが、有用な木材種だからです。ヒノキも同様です。

国内林業のためには重要な植物です。

さて本題である花粉とは何でしょうか。

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おしべで作られる雄性配偶体です。

有性生殖をする種子植物であれば、花粉が不可欠です。もちろん中には接ぎ木、イモから芽を出すなど無性生殖で行われる繁殖もあります。しかし花を咲かせることは、花粉を作ることと同義です。

なお産業で用いる木材や野菜、果実などを生産するためであれば、有性生殖である必要はありません。逆に高品質な遺伝因子を持つ個体のクローンを使えばよいからです。
ちなみに日本中にあるソメイヨシノは、すべてが遺伝的に同じクローンだと考えられています。

2.花粉の運び方

植物は花粉をめしべまで無事に届ける必要があります。それで初めて受粉し子孫を生み出す一歩になるからです。とはいえ花粉を飛ばす植物は、限られた存在です。基本的に花粉をめしべに伝える方法は、大きく4つあります。

(1)虫媒花

花びらを持つほとんどの花は虫媒花です。

つまり昆虫によって花粉を運んでもらいます。ミツバチやチョウなどが典型例でしょう。

とはいえ虫は好き好んでやっているわけではありません。蜜や花粉を餌にする過程において、結果的にめしべに花粉を付けているだけです。

蜜を漁るチョウの身体に花粉が付き、別の花へ移った際にその花粉がめしべの先端に付着する!

そのため植物は綺麗な花を咲かせたり蜜、臭いなどで虫を誘惑します。

そうしたお互いウィンウィンの共生関係が成立しています。

(2)風媒花

花粉症の原因風媒花です。

つまり虫などの他者に頼らず、風に流されて運ぶ方法です。
風媒花の特徴は、マツやスギなどの裸子植物、そしてイネ科植物のように花びらやガクを持たないことです。

風が吹いた際に邪魔だからです。

また風媒花の花粉は風で飛ばされやすいようにサイズが微細です。

マツの場合には空気袋が両側にあってより飛びやすい工夫がされています。

(3)鳥媒花

虫媒花の親戚のような感じが鳥媒花です。必然的に大きな花もしくは樹木になります。鳥が止まれるようなサイズです。代表的なのはツバキやサザンカ、ビワなどです。

(4)水媒花

水の中で生活する植物の場合には、周りにある水が花粉を運んでくれるパターンもあります。それを水媒花と呼びます。例えばキンギョモやミズハコベなどがあります。

3.受粉の仕方

受粉の方法には2つの方法があります。

(1)自家受粉
ひとつの花の中で受粉できるタイプを自家受粉と呼びます。

つまり同じ花の花粉がめしべに受粉します。結果としてできる種子は、親と同じ遺伝因子を持つことになります。

自家受粉する主な植物はイネ科、マメ科、ナス科、アサガオやサツマイモなどを含むヒルガオ科です。一般的な特徴は、花の咲いている時間が短いことです。

(2)他家受粉
他の花にあるめしべとしか受粉できないタイプが他家受粉です。

こちらは必然的に花粉を運んでくれる誰かが必要になります。もちろん風の場合もあります。すると花粉症の原因になりそうです。

他家受粉する代表的な植物はリンゴやモモ、イチゴなどのバラ科です。そのためビニールハウス内ではミツバチを放すこともあります。一方で人間が人工的に受粉させる、人工授粉も積極的に行われています。品種改良する際には重宝します。

ちなみに、受粉と授粉の違いは何か?
植物自身が行う場合が手偏なしの「受粉」です。
人間の手で人工的に行うと手偏がある「授粉」になります。
ただし最近は両者とも手偏なしの「受粉」を使うことが多いようです。

草による花粉症もある

日本人の花粉症は、ほとんどがスギやヒノキです。北海道に行けばシラカバの花粉症があるようです。とはいえ欧米ではhay feverと呼ばれるように、牧草になっています。

実際に日本でも、イネ科牧草の一種であるカモガヤ、英名オーチャードグラスによる花粉症が指摘されています。また本来は虫媒花であるはずのキク科植物であるブタクサも二次的に風媒花となり、秋に発症する花粉症の原因として重要視されています。

植物の戦略は凄い

植物には脳神経系はありませんが、子孫を残すために凄い戦略を考えています。進化の過程ではありますが、それを偶然と呼んでよいのか?実に巧妙です。植物を侮ってはいけません。リスペクトすれば花粉症が和らぐかも。

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たくと
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著者サイトたくとすく~る
生まれつき無関心な子供はいない! そう信じ、学習塾や講習会などで、 科学を楽しく解説しようと日々奮闘しています。 半世紀生きていますが、 気持ちは、今でも夢見る少年です。

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