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職務発明の報酬は妥当なのか?そもそも発明は誰の物か

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この記事の所要時間: 626

日本は天然資源に乏しい国です。そのため人こそが宝です。そうした社員が生み出す発明品によって企業は利益を上げるのです。

とはいえ生み出された発明は誰の物になるのでしょうか。

特許や意匠、商標などの権利です。

言い換えると企業はどこまで開発した研究者に報いるべきなのか?

初めに契約を結んでいても、後からトラブルになる事例もあるようです。企業としても頭が痛いですが、研究者こそ頭を冷やす必要がありそうです

職務発明とは

社員が業務の過程で発明した物、アイデア職務発明と呼びます。

法律的には曖昧だったので、事前に社内規定を設けることによって発明品の権利は企業の所有物になる!2016年度から基準が設けられました。

もちろん当該社員へは特別ボーナスや昇格などの便宜が図られます。それでも企業が莫大な儲けを得たならば?社員として妬みが生まれるのも仕方のないことなのでしょう。とはいえ発明品は、結果オーライのことが多いです。

科学的に貴重な発明であっても、それが社会に受け入れられるのか?別の話です。研究者は何かと自分の成果を誇張したがる風潮があります。

ただし営利企業であれば、それが製品として売れなければ1円の価値もありません。

そうした点を理解すべきでしょう。

例えば生物学的に考えると、青いバラの開発は画期的なことでした。しかしそれを消費者が欲しがるのか?バラは赤い方が美しい?博物館からしか需要がないならば、企業は利用しようとしないでしょう。

もらった報酬は妥当なのか

有名な話として、ノーベル賞受賞者でもある中村修二氏が、当時働いていた日亜化学工業と争った事例があります。ある意味では、職務発明の問題に焦点を当てた重要な分岐点でした。これによって特許法が改正されました。

簡単にまとめると、難題だった青色発光ダイオードを同氏が発明したことです。最終的には裁判で争い、利息を含めて8億円以上を会社側が支払うことで和解しました。

世界的にみれば当然の額と言われていますが、企業としてはどうでしょうか。

オリンパスや東芝、そして日立製作所などの主要メーカーでも似たような訴訟が起きています。リーディングカンパニーであるためには、社員に発明してもらいたい!そのために研究者を雇っています。とはいえ、飼い犬に噛まれた?そんな気分もなくはないでしょう。

いくらもらえれば納得できるのか

事前に取極めがあったとしても、バカ売れすれば当事者として嬉しい反面、納得しがたいことも多いでしょう。つまり自分のみならず、社長を筆頭として社員全員の給料が増えたりするからです。そういう意味では割に合わない?

ではいくらもらえれば納得できるのでしょうか。

わかりやすいのは音楽や書籍の印税のように、売れた製品1個当たりの歩合制にすることでしょう。

とはいえ会社としては面倒ですね。永遠に支払いが終わらないケースも想定されます。

しかし一方で、満を持して発売した商品でも、売れないケースは少なくありません。

言い換えるなら、売れなければ当該研究者は損失の負担するのか?

プラス面だけを考えてはいけないのでしょう。

発明できた要因は何か

そもそも職務発明ができた要因は何でしょうか。その辺を冷静に考えるべきなのでしょう。

1.研究者本人の能力

発明できた要因は何か?当然ですが発明した研究者本人の能力です。

これは誰もが認める事実でしょう。例えばまったくの偶然?何らかの間違いから生まれた発明であっても、それは当人の能力です。それを見出した視点の違いです。

2002年にノーベル化学賞を受賞した田中耕一さんも、間違いから発見に至ったとか。抗生物質の嚆矢(こうし)であるペニシリンの発見も、その事実に気づいたからです。そうした失敗を成功に変える力の方が大切なのかもしれません。

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2.会社の設備・体制・資金力

会社によって設備、体制、資金力が異なります。大手企業であれば多額の研究費を使えます。億単位の機械を揃えることも可能でしょう。中小企業であれば難しくても、大企業だからできる!製薬業界などで合併が起きる理由です。

直接の社員ではなくても、大学の研究者と共同できます。製品化は企業でするから研究だけしてください!資金を提供するパターンもあります。そうした背景があることも見過ごすべきではありません。

さらには周りで支えてくれた人、同僚や裏方もいます。そうしたバックアップがあったからこそ研究がスムーズにできた、専念できたことも事実です。

3.失敗を許す環境

資金面と関係しますが、企業であれば失敗を許す環境があります。よく例に挙げられますが、医薬品の場合は1%にも満たない成功率しかありません。

言い換えると、失敗することを前提にして研究し続ける場があるのも事実でしょう。

個人的には諦めてしまいますが、それでも続けられる環境があるからこそ、1%の確率で発明品が生まれる!それがこれまでの失敗分をカバーする利益を生み出す!そう考えるからこそ、企業は研究に投資できるのです。

時には、研究者へ報酬として支払った以上の費用をこれまでに使っている可能性もあります。売れた儲けでコストを相殺してください!研究者にはそうした気持ちも必要なのでしょう。試験管1本も電気代も、ただではありません。

独力で発明はできたのか

職務発明に関する不公平感があるのも事実でしょうが、社員が企業を訴える話を聞くたびに、違和感を覚えます。文句を言える筋合いなのか?です。

1.個人が費用を負担できるか

上述のように研究する際は莫大な費用が必要です。

個人がそんな費用を負担できるのでしょうか。言い換えるとリスクを負えるのか。

バックアップ体制があったからこそ発明できた!そうした謙虚な気持ちを持つべきです。

また特許の申請には多大な労力が必要です。先日PPAPに対する商標権の問題が一瞬巷を賑わせましたが、特許を維持するにもお金がかかります。使われていない、いわゆる休眠特許を他企業に売却する事例もあるくらいです。個人にできることは限られます。

2.営業努力はしたのか

発明品は、製品として売れるからこそ価値があります。どんなに優れた商品であっても、一般人に知られず埋もれている物も多いでしょう。そこには莫大な広告宣伝費、そして営業マンの努力があります。
研究者は、営業面を軽視します。大学の研究者が独立してつまずく理由の多くはこれです。技術があれば即お金になるほど現実社会は甘くありません。この点を研究者は事前に理解すべきです。

3.文句を言うなら独立すべし

発明品をとられた!文句を言うならば、初めから独立すべきなのでしょう。

売れる自信があるならば、自ら資金を調達して開発を進めましょう。結果的に会社が儲かったから言っているだけのような気がします。一般のサラリーマンでも同じことです。体制を批判するならば、自分で起業しましょう。

倫理的な問題はありますが、ある程度の目途が立てば、その技術を持って独立すればよいのです。守秘義務やスパイなどの法的制約はありますが、隠れて研究しておくやり方もあります。結果的に賢いのはどちらか?負けを認めるべきです。

研究は誰のためか

そもそも何のために研究しているのか?仕事だから仕方なく!とはいえ本人のやりがいでもあります。科学者であれば、採算度外視のケースが少なくありません。一方で社会貢献につながります。そうしたプライドもあります。

自分の短期的な利益に走ってはいけないのでしょう。お金ではなく、もっと名誉としての誇りがあるはずです。せっかくの栄誉を汚すことがあっては悲しいですね。

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たくと
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著者サイトたくとすく~る
生まれつき無関心な子供はいない! そう信じ、学習塾や講習会などで、 科学を楽しく解説しようと日々奮闘しています。 半世紀生きていますが、 気持ちは、今でも夢見る少年です。

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