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3年で卒業できる専門職業大学が設置される?背景と課題を探る

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この記事の所要時間: 639

文部科学省は2019年度の開校を目指した専門職業大学(仮称)の設置を進めています。実務経験や関連する国家資格を有していれば、従来のような4年という期間より短くして卒業できる?

専門職業大学に関しては過去に解説しましたが、今回具体案が決まったようなので、さらに詳しく課題と背景にあるものを考えてみましょう。
参考「専門職業大学?文科省が新しい大学を作るみたいです

大学とは

まず大学とは何でしょうか。しかし明確な定義はないようです。そのため海外の大学を受験する、逆に留学生が来る場合、試験制度などが異なり混乱することもあります。またuniversityとcollegeの違いとは?不明瞭ですね。

日本の教育制度では、高校までの12年間を経た後に学ぶための場所、高等教育機関との位置づけです。

とはいえ昨今は18歳人口の半数以上が所属するようになりました。もちろん喜ばしいことなのでしょう。ただし中卒後に高等学校卒業程度認定試験(旧大検)を経て入学することも可能です。

ちなみに中学や高校に通う人は生徒、大学では学生と呼ばれます。そして中高では授業、大学では講義です。主体的な学び方の違いとは言いますが、これも曖昧です。さらに中高では卒業証書をもらいますが、大学からは学位記(学士号など)をもらいます。
なお大学の所管省庁は文部科学省ですが、ややこしいのは大学校です。例えば防衛大学校があります。こちらは防衛省の管轄になるため、いわゆる大学ではありません。同じように消防大学校は総務省消防庁が有する教育施設です。

専門職業大学とは

専門職業大学とは専門分野で国家資格や相応の経験を有した人を積極的に受け入れる大学です。特徴としては、職業高校出身者を一定程度受け入れることを努力義務とするようです。

一般的には職業高校から大学へ進学するのは難しいのが現状です。そうした人たちに大学進学の機会を与えることができるでしょう。もちろん昨今では、職業高校から推薦で私立大学へ進学する道もかなり開けてはいますが。

具体的には

  • 調理
  • 農業
  • 旅行
  • 情報技術

などの分野を想定しており、個別ではなく他業種との融合により新たな展開を考えるきっかけにしたいようです。食の安全性や環境問題など幅広い知識の習得を目指しています。

通常の大学は4年間通いますが、入学時点で、3年卒業!そうしたことが可能であることを明記します。つまり実務経験を卒業単位として認める手法です。さらに前期と後期に分け、途中で一時的に仕事復帰することも可能としています。

上述の大学校は、資格を得るために学ぶ場ですが、新しくできる専門職業大学は、その逆?資格を有してから学ぶ?専門学校とも異なります。

故に社会人として既に働いている人へ門戸を開放する!

使いやすい制度になることが求められます。

背景には何が

大学の新しい類型ができるのは、1964年以来とされています。そこまで思い切ったことを行政がする背景には、何があるのでしょうか。

1.即戦力の育成

第一に謳っている目的は、即戦力人材の育成です。

経験を有した人をさらにブラッシュアップする!経験に知識、論理的な裏付けを加える!そうしたことによって新たなビジネスチャンスを生み出すことができると期待されています。

皮肉な言い方をすると、現状の大学を卒業しても即戦力にはならない?国際化、IT化など昭和の時代に比べれば社会は進化しています。そうした場所で働ける人を育てるには何らかの機関が必要になったのでしょう。企業自身も内部で社員を育成できない?とりあえず時代のせいにしておきましょう。

2.社会人をターゲットにする

これまでの大学と異なる点は、社会人をターゲットにすることです。

もちろん高卒が原則なのでしょうが、大卒でも違った分野に進みたいと考える人はウェルカムでしょう。資格をとっただけでは実務経験が不足する?それをカバーできるかもしれません。

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法学部卒が集まる財務省は経済の専門集団ではない?そう豪語する法学部出身の自称「経済評論家」もいますが、新たなキャリアを積むという意味では、肩書的にも説得力が増えるのでしょう。

3.大学の選別化

少子化なので必然的に18歳人口は減ります。だから大学は淘汰の時代に入っています。とはいえ視点を変えれば、まだまだ市場は広がります。それが社会人です。

既に経験や資格を持っている意欲的な人を入学させれば、大学も生き残るチャンスが生まれます。

つまり表立っては示されていませんが、大学の選別化は重要な理由になります。これによって転換する大学は出て来そうです。もちろん海外の大学のように、老若男女が入り乱れるようなキャンパスになれば、地方の大学であっても活性化するでしょう。

課題は何か

国民のためになるならば積極的に検討すべきですが、あえて課題を考えてみましょう。

1.相応の教員が求められます

制度を作るのは簡単ですが、経験と資格を有した人が学生になるならば、教員にも相応の能力が求められます。今までのように現場を見ていない理論家や天下り?そんな人たちでは通用しないでしょう。有能かつ実践的な人材をどこから確保するのでしょうか。

言い換えると現在の大学教員は、社会人に教える能力があるのでしょうか。

単に事例研究だけをするのであれば、それは学問ではありません。大学である必要はないでしょう。そんなMBAスクール的なものが少なくないのも事実です。

2.大卒にこだわる理由は何か

専門性の高い人であれば、専門学校などで学んだはずです。国家資格も有しています。

それでも大学で学び直す必要があるのでしょうか。そもそも新しい大学を設置する理由は何でしょうか。

卒業すれば学位を授与するとありますが、学位や学歴が欲しいのでしょうか。

例えば料理の専門家も、学位が欲しいのでしょうか。ミシュランなどの三ツ星の方が価値はありそうな気もしますが、学問的な裏付けも必要なのでしょうか。お店に調理師の免許と学位記を貼るのでしょうか。

3.早期卒業のメリットは何か

そもそも早期に大学を卒業できるメリットは何でしょうか。もちろん大学に通うのは時間的にも大変です。お金もかかります。それが短縮されるなら、嬉しいことでしょう。しかし言い換えるなら、そこまでして経験者が大学へ入る理由はあるのでしょうか。

大卒に拘る理由とも関係しますが、覚悟を決めるなら、4年間じっくりと勉強した方が結果的に得をすると思います。世の中で大切なものは、時間です。言い方には語弊がありますが「遊べる時間」を合法的に生み出せる学生時代を有効に使うべきでしょう。

飛び級を考えることこそ急務かも

新しい大学を作ることも重要ですが、現状の問題点を解決することの方が急務かもしれません。

つまり飛び級を一般化することです。

一部の大学では実施されていますが、高校生、大学、双方に及び腰な部分があります。

日本では義務教育期間における留年もありません。変に同年齢意識が高いからです。飛び級が進まない理由も、そこにあるようです。とはいえ有能な人材であれば、得意分野を伸ばした方が、社会にとっても本人にとっても有益なはずです。
参考「義務教育期間中でも留年させるべき3つの理由

磨けば光る人材を早期に発見して、異端を育てる社会を作ることこそ、文部科学省に検討してもらいたいことです。特に数学的センスが求められる情報技術系は、小中生から探さないと、手遅れになることが珍しくないからです。
参考「国がサイバー防衛専門家の育成を本格的に進めるようです

本当に必要なのか

時代に合わせた教育制度を整えることが大切です。とはいえ本当に世間は専門職業大学を求めているのでしょうか。何らかの刺激が欲しい?役所として何がしないと!そうしたことが背景にあるならば、新たな問題を生むだけかもしれません。

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たくと
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著者サイトたくとすく~る
生まれつき無関心な子供はいない! そう信じ、学習塾や講習会などで、 科学を楽しく解説しようと日々奮闘しています。 半世紀生きていますが、 気持ちは、今でも夢見る少年です。

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