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京都を支える水物語(第2話)琵琶湖疎水の見所、インクラインとは?

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この記事の所要時間: 447

第1話「琵琶湖疎水の成り立ち」に続く、京都を支える水物語(第2話)は、琵琶湖疎水最大の見所、インクラインについて説明します。

インクラインとは?

インクラインとは、水路にある落差の大きい箇所を船が通行するための仕掛けです。

川や運河は山あり谷あり!

海と異なり、川や運河は正に山あり谷あり!!

滝のように一気に流れ落ちる落差の大きな部分も多々あります。

実際、京都の名物の一つである保津川下り(ほづがわくだり)は、スタート地点とゴール地点の高低差約50メートル!

日本一高い木造建築物とされる東寺の五重塔の高さほどもあります。

とは言え、約16キロという長い距離を掛けて下るため、船が太刀打ち出来ないほどの急勾配はありません。

最大でも落差2メートルという事で、難所と言うよりむしろ、最もスリルを楽しめる場所だと言えるでしょう。

しかし、琵琶湖疎水には、高低差15メートル以上。

どう考えても、船頭さんの技や力量では超えるに超えられない難所が2ヶ所ありました。

特に東山の蹴上(けあげ)から南禅寺前までは僅か数百メートルの区間にも関わらず、高低差36メートルと、10階建てのビルを上り下りするようなものです。

当然、人や荷物を積んだ船が這い上がったり、飛び降りる訳に行きません。

水流だけなら、見事な滝と言ったところなのかも知れませんが・・・、船旅は行き詰まってしまいます。

そこで、こうした水路途中の落差の大きな部分を船が超えるには、文明の利器が必要不可欠となります。

その方法としては大きく分けて2つ、エレベーターのような方式で船を上下させる「ロック」と、ケーブルカーのような方式で船を往来させる「インクライン」。

このどちらか一方を導入する事になるのです。

閘門作戦

ロック式は、別名「閘門(こうもん)」方式とも呼ばれ、2つの水門で遮った部分の水量を調節しながら船を上げ下げする方法。

閘門扉と呼ばれる水門を2ヶ所に設置し、その中を完全防水の個室にします。

そして、「閘室(こうしつ)」と呼ばれるその部屋の中に船を収納し、予め水位を調整した上で再び運河に送り出すというもの!

閘室の中は自由自在に注水と配水が出来るようになっています。

そこで、例えば下流から上流に向かう場合は、船が閘室の中に入ると給水が始まり、船体は徐々に押し上げられて行きます。

そして、上流の水位と同じ高さまで来たところで、閘門扉をオープン!そのまま船は前進出来るという仕組みです。

一方、上流から下流に向かう場合は、閘門室内にたっぷりの水を張った状態で船を迎え入れます。

そうして放水しながら徐々に下ろし、下流と同じ水位に到着した段階でOpen the door!

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そう、正しく水のエレベーターなのです。

<参考>→閘門 – Wikipedia

インクライン作戦

閘門方式は、波もなく、勾配もありませんから、豪華客船やタンカーのような大型船でも安全に大きな落差を超えられます。

そのため、パナマ運河などに設置されているのは全てこちらです。

けれど、故に大掛かりで、疎水レベルの幅の水路に設置するのは困難です。

また、行き交う船の大きさや重量を考えても、無駄に立派なシステムだと言えるでしょう。

そこで琵琶湖疎水では、上流と下流の段差をレールで結び、その上を通る台車に船を乗せて移動させる方式が採用されました。

そう、昭和の時代に本州と北海道や四国を結んでいた鉄道連絡船の逆バージョンです。

実は、この方式こそがインクラインで、先の閘門がエレベーターなら、こちらは正しくケーブルカー!!

実際、船を載せた台車はケーブルで引き上げたり、引き下ろしたりしていました。

琵琶湖疎水のインクライン

全長約23キロの琵琶湖疎水は、滋賀県の琵琶湖と京都府南部の宇治川とを結ぶ舟運水路です。

その間にある高低差の大きな難所は2ヶ所!

そこで、その2ヶ所に、それぞれインクラインが設置されました。

世界一長いインクライン

そのうちの1つが、親子で楽しむ春の京都0円旅、琵琶湖疎水記念館で学ぶ疏水の歴史と十石舟めぐりで出て来た蹴上のインクラインです。

延長640メートル、何を隠そう、世界一長いインクライン!

併設されていた日本初の事業用水力発電所「蹴上発電所」から供給される電力で動いていました。

勾配は15分の1ですから、15メートル進むごとに1メートルずつ上って行きます。

何だか緩やかなように思われるかも知れませんが、実際の走行区間は587メートル、これで十分36メートルほどの高低差は超えられるのです。

所要時間は約10分から15分前後。

ただし、水路に直接線路を覆い被せている訳ではなく、脇に隣接する形で設置されています。

そして、蹴上船溜り(けあげふねだまり)と南禅寺船溜り(なんぜんじふねだまり)という2つの船専用の駅を結ぶように上り下りしていました。

従って、琵琶湖からやって来た船は、一旦蹴上船溜りに入り、そこからインクラインで下に待つ南禅寺船溜りに下ろされます。

京都から琵琶湖に帰る船は逆に、南禅寺側から蹴上側へ引き上げられる事になります。

船の乗客たちはきっと、なんとも楽しい一時。

この船旅の最大の難所どころか、最高にワクワク出来るスポットだった事でしょう。
そんな蹴上インクラインの完成により、琵琶湖疎水の完工は見事に成し遂げられました。

という事で、古都を支える水物語(第3話)では、その後の歩みを探訪してみましょう。

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yamamoto
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おしゃべり大好き!お節介大好き!!の典型的関西人おばちゃんです。 趣味で京都の観光ボランティアガイドをしています! 言いたい事はズケズケ言うけど、結構面白かったり、時々ホロリとさせたりもしまっせ~( `pq´)ゥシシ 地元関西地区の食や趣味嗜好的な情報を中心に、自分の最大の課題であるダイエットの情報なんぞも、バンバン発信していきますので、よろしゅうおたのもうします(*^_^*)

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