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日本版GPSがスタートします。何が変わるか?5つの可能性と危険性

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この記事の所要時間: 724

2018年の春から日本版GPSがスタートします。
それを担う準天頂衛星「みちびき2号」の打ち上げが2017年6月1日に成功しました。
カーナビの精度も上がります。誤差が最小で6センチになるとか。
良くも悪くも私たちの生活が大きく変わるのは事実です。

ここでは日本版GPSで何が変わるのか、注意点なども解説します。

GPSとは

GPSとは、Global Positioning Systemの略であり、日本語では全地球測位システムと訳されます。具体的には、人工衛星へデータを送ることによって自分の位置を正確に教えてくれるシステムです。もともとはアメリカが軍事目的で作ったものです。その一部を民間が利用できるようになっています。

軍事目的なので秘密の部分はあります。そのため日本を含めた民間が利用する場合は、わざと精度が落とされていると言われます。つまり米軍はもっと鮮明な情報を持っているのです。だから北朝鮮が核実験の準備をしている?要人がどこにいるか?分析できます。

ちなみに海外でも独自のGPSを構築しており、ロシアはグロナス、ヨーロッパはガリレオ、そして中国には北斗衛星導航系統などと呼ばれるシステムがあります。

日本版GPSが求められる理由

現在のGPSでも十分ではありますが、高層ビルに囲まれた都会・山が多い日本の地形では電波が届かず、部分的に精度がガタ落ちすることもまれではありません。そこで日本に特化したシステム、つまり日本版GPSに対するニーズが高まっています。

単に精度が上がるだけではありません。日本が運営することにより、後述するような日本人、日本企業の需要に合致した開発や改良が可能になります。アメリカに遠慮することがなくなるのです。もちろん一部は軍事目的にも利用できます。日本を守る盾にも使えます。

みちびき2号とは

6月1日に打ち上げられた衛星は「みちびき」と命名されました。既に試験用のみちびきが軌道を周回しているので、今回の衛星は2号機です。当面は4機、最終的には7機体制にする計画です。そのため2017年度中にあと2機を打ち上げる、3号機の打ち上げは8月下旬の予定です。

みちびきは準天頂衛星と呼ばれます。これは日本のほぼ真上を通過する衛星のことです。実際には日本からオーストラリアまで、つまり地球の縦軸、経度に沿った周回軌道をとります。4機のうち最低でも1機は常に日本上空にある計算です。

既にある他の衛星とあわせて情報を集約します。それによって精度が向上します。

なお、みちびき計画の詳細に関しては、下記内閣府のサイトを参照してください。
みちびきとは|みちびき(準天頂衛星システム:QZSS)公式サイト – 内閣府

日本版GPSを活用すると何が変わるのか

日本が独自に衛星を打ち上げることによって何が変わるのでしょうか?それは日本専用の、日本の上を通過することによりGPSの精度が上がります。具体的にはどんな成果が期待できるのでしょうか。

1.自動運転の実用化が近づく

GPSの恩恵を受けていた部分は、車のカーナビでしょう。最新版の地図を更新していれば、自分の現在位置が明確にわかります。今でも十分かもしれませんが、これがもっとはっきりとわかります。

するとどうなるか?完全な自動運転技術がさらに一歩近づきます。細かい交差点の状況、渋滞情報、歩行者の位置なども瞬時に伝えることが可能になります。法律が整備されれば、2020年東京オリンピックの際に実用化するかもしれません。

2.カーナビならぬマンナビ

将来的にはマンナビ?つまり人間が歩いてもカーナビと同じようなことが可能になります。実際にはスマホやタブレットを使い、細い路地なども歩けます。具体的な利用法として、観光客の道案内や視覚障がい者へのナビゲートが考えられています。

ウエアラブル端末ができれば、イヤホンから指示を受けどの道をどう曲がる、もう道に迷うことはないでしょう。とはいえ地図マニアにとっては楽しみが半減されそうですが。

3.ドローンによる配送

荷物の配送員不足が問題になっていますが、それを解消する手段として、ドローンの利用が検討されています。GPSの精度が向上すると、ドローンが自動的にGPSと通信しながら一戸一戸の家まで向かえます。これは誘導ミサイルの原理です。

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マンションなどの集合住宅はどうするか?しかしベランダへ届けられるそうです。すると不在であっても盗難の心配はありません。

一方で期待されているのは離島への配送です。中でも医薬品に対するニーズが高まっています。天候の問題もありますが、週に数回の船を待つ必要がありません。

4.農業の無人化

農業分野もGPSが使える可能性を秘めています。例えばトラクターの無人運転です。経験者はわかるでしょうが、トラクターで畑を耕す、肥料や種子をまく、繊細な作業ですが単調でもあります。それを無人で行えるようになります。

トラクターの運転を人工知能(AI)に任せれば、人間はもっと人手が必要な細かい作業に集中できます。実際にオーストラリアなどでも研究が進んでいます。高齢化が進む日本農業への救世主として期待されています。

5.災害状況の確認

事故を含めて災害状況の確認にも使えます。人間が入りにくい場所へ、ドローンを飛ばすこともできます。逆に被災者からの連絡を受信できれば、ピンポイントで向かえます。救出までの時間が短縮されると期待されています。

日本版GPSの活用によるデメリットはないか

技術の進歩は人間にとって必ずしもよい面だけを提供するわけではありません。鮮明すぎると粗が目立ちます。そうしたデメリットについても知っておくべきでしょう。

1.プライバシーが暴かれる

今でもスマホにGPS機能が付いています。道に迷った時などは便利ですが、この精度がもっとよくなります。今まで以上に現在位置が明確になります。するとプライバシーが暴かれる危険性も否めません。

今後はビッグデータの活用が進むと考えられています。もちろん個人情報にならないよう匿名化技術を用いますが、それでもどんな人がどこでどんなことをしていたか?知られてしまいます。不倫しやすい人の特徴や行動パターンが明確化するかも。

2.悪用されるリスクもある

道具は使いようです。よいことに使う人もいれば悪いことに使う人もいます。具体的には、SNSなどへ写真をアップしている人はストーカーに注意しましょう。また、ないとは言いたいですが、テロ等準備罪の捜査に使われる可能性も。そうしたリスク管理が極めて重要になるでしょう。

3.受信機が100万円を超える

GPSの誤差が数センチになるとは言いますが、それを有効にするための受信機は100万円以上するようです。もちろん普及すれば安価で供給されるようになるでしょう。とはいえこれは鶏と卵の話です。つまり安くならないと普及はしません。

ただし時間の問題です。バブル時代の大型携帯電話が、今は小さなスマホです。技術は黙っていても進みます。2020年の東京オリンピック時は、スマホに標準装備!大きく変わることを期待しましょう。

4.地球の周りは衛星だらけになる

衛星を打ち上げると便利になりますが、地球の周りは衛星だらけになります。もちろん使える衛星だけならよいですが、用済みになった衛星も、地球の周りを回っています。さらに衛星の破片など宇宙ゴミもあります。

ほとんどの人には知られていませんが、地球の周りは危険な状態になっています。それらがいつ地上に落ちてくるかわかりません。とはいえその多くは落ちる間に燃え尽きてしまうでしょうが、本当に安全なのか?専門家でも賛否両論あるようです。

5.衛星への過度な依存は危険です

利便性とリスクは同時並行します。衛星を使うと便利ではありますが、何らかの原因によってそれらが使えなくなったらどうなるでしょうか?つまりスマホ、テレビなどが利用できない世界です。

想像しがたいかもしれませんが、上述のように空は衛星だらけです。それがぶつからない保証はありません。また地球の近くを通過するいん石などもあります。さらに今心配されているのは太陽風、磁気嵐、つまり強力な電磁波です。これが直撃すると、衛星は故障します。

今さら昭和の生活に戻れませんが、便利な生活の裏には危険が潜んでいる、何かが起きる可能性も想定しておくべきでしょう。

技術進歩は止まらない

技術進歩は止められません。ネガティブに考えるより、可能性を広げる方向へ進むべきでしょう。日本版GPSの精度が高まれば、車の自動運転が現実的になります。方向音痴の人でも目的地へ行けます。認知症患者の徘徊(はいかい)トラブルだって解消されるかも。どんどん夢を膨らませ、それを実現していくべきです。それができる時代です。

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たくと
たくと
著者サイトたくとすく~る
生まれつき無関心な子供はいない! そう信じ、学習塾や講習会などで、 科学を楽しく解説しようと日々奮闘しています。 半世紀生きていますが、 気持ちは、今でも夢見る少年です。

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