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受験生やその家族であれば、偏差値という言葉を見聞きしたことがあるでしょう。模試を受けるたびに、出てきた数字で一喜一憂することも珍しくありません。しかし偏差値とは何でしょうか。

言い換えると、偏差値が高ければ確実に合格できるのでしょうか。逆に低いと絶望なのでしょうか。その仕組みを知っておくと、不安になったり惑わされることもないでしょう。何をすべきかが明確になるはずです。

偏差値とは

1.計算の方法

偏差値とは、あるテストや模試において、その平均点を50とし、平均値から受験生個々の点数がどれだけ離れているかを示した数値です。一般的には次の式が用いられます。

受験生個々の偏差値=(その人の点数-模試の平均点)×10÷標準偏差+50

式からわかるように、平均点より自分の点数が低ければ、偏差値は50未満になります。逆に平均点より高ければ50を超えます。

2.標準偏差とは

偏差値と間違えやすいのが標準偏差です。つまり標準偏差とは、テストにおけるバラツキを表す統計学的な指標です。その計算方法は次の通りです。

  1. 一人一人の点数から平均点を引く(これを偏差と呼びます)
  2. 個々の偏差を2乗し、全員分足し合わせる(これを偏差平方和と呼びます)
  3. 偏差平方和を受験者数で割る(これを分散と呼びます)
  4. 分散の平方根を求める(これを標準偏差と呼びます)

上記2で2乗する理由は、偏差をそのまま合計すると、プラスマイナスゼロになり計算できなくなるからです。また2乗しているので、分散の平方根を求め、平均値と同じ次元へ戻します。

3.計算例

平均点60点、標準偏差が10の模試で、70点とった人の偏差値は、次のとおりです。

(70-60)×10÷10+50=60   すなわち偏差値60です。

4.解釈の仕方

統計学的には偏差値40~60の範囲に全体の68.3%、同30~70の範囲に全体の95.4%、そして同20~80の範囲に全体の99.7%の人が入ります。

もちろん計算上の話なので、どんな数値でも事実上は可能です。しかし偏差値25以下もしくは75以上の数値が出る模試は、母集団、すなわち受験生のバラツキが大きすぎる、もしくは平均点が高すぎたり低すぎるなど内容に問題があると考えられます。そのためそうした模試の信頼度は低いでしょう。

なお簡単に言えば、偏差値60の学校とは、模試で偏差値60をとった受験生の80%の人が合格しています!そういう話です。

学校が決めているわけではない

塾や予備校に通っていると、受験する中学、高校、そして大学の偏差値を教えてくれます。それと模試の結果を比べて志望校を変える、もしくは勉強方法を見直すことが多々あります。とはいえ偏差値は、学校が決めているわけではありません。

偏差値は、塾や予備校などが実施する模試の結果から算出している数値です。そのため中学や高校、大学などが自主的に求めているレベルではありません。受験産業側が勝手に決めている基準です。つまり東大が偏差値70以上の生徒を欲している?ではありません。もちろん目安になるのは事実です。

多くの受験生が、受験案内本に記載されていたり塾や予備校から言われる偏差値に応じて志望校を決めます。統計的な理由から、それに似たレベルの子が集まります。そのため偏差値に見合った結果になるのです。ある意味では集団心理を利用していると言えるでしょう。

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中学受験では意味が違う

偏差値の見方に関して、ちょっと注意してほしいのが中学受験です。今の時代であれば、高校受験はほぼ全員が経験することです。大学受験もそれに近くなっています。とはいえ中学受験は、未だに少数派です。

仕組みから考えると母集団、つまり受験者のレベル試験の平均点が重要になります。だから受ける模試の種類によって偏差値が違ってくることが稀ではありません。

例えば同じ開成中学であっても、四谷大塚が実施する合不合判定テストでは偏差値72、首都圏中学模試センターの統一合判では同77、日能研の全国公開模試では同72、サピックスの合格力判定サピックスオープンでは同66です。

基本的に中学受験は、学校のクラス内でも比較的勉強ができる子たちが対象です。ということは母集団のレベルが必然的に高くなります。したがって模試の結果が悪かったとしても、変に心配する必要はありません。

また高校受験でも増えてきましたが、同じ学校でも特進コースなど、一部偏差値が飛び抜けているケースがあります。この辺も冷静な判断が必要です。

偏差値20点台から一流校に合格することは可能か

低い偏差値から一流大学に合格した!そんな勉強法や体験談が紹介されることもあります。偏差値30から東大へ合格した!うらやましい話ですが、本当にそんなことは可能なのでしょうか。

1.一部の受験科目に集中する

大学受験は多様化しています。私立大学であれば、推薦入試があったり文系ならば国語と社会の2科目だけ!そんな入試もあります。ならばそこだけに集中して勉強すれば、できない話ではありません。

もちろんだから激戦だ!そういった意見もありますが、何かひとつだけでも得意分野があれば、それを伸ばすことで合格に近づきます。基本的に大学の一般入試では高校での成績を問いません。ならば学校の勉強を止めて受験だけに特化すれば、十分に可能です。

2.基礎学力と経験があれば問題なし

国立大学を受験する場合はどうでしょうか。特定の科目に絞るわけにはいきません。もちろん可能性はあります。とはいえ大きく違うことは何か?それは中学受験の実績があるかどうかです。つまり基礎学力、受験経験の有無です。

中学や高校時代にサボった、病気になった、いじめに遭って不登校だった、様々な理由で一時的に偏差値が下がることもあります。模試で一桁台の点数をとれば、偏差値20も十分にありえます。そこから逆転した?数字のマジックにすぎません。

中学受験をして私立中学に合格したという実績がある人は、基礎ができています。あとはやる気になるか?それが決め手です。本やドラマになるケースは、これが多いように思いますが、奇跡ではありません。

3.中学受験も一発逆転の可能性あり

中学受験の場合はどうでしょうか。5年生の夏以降、塾でも最下位のクラスに入っていれば、偏差値が高い学校は狙えないのでしょうか。塾からは、どんな指導があるでしょうか。

基本的に中学受験も、小学校での成績は考慮されません。そもそも中学受験は任意であり、公立小学校に受験指導の義務はないからです。ならばこちらも大学入試と同様です。受験に特化した勉強をすれば可能です。小学校なら定期テストもありません。もちろん本人のやる気しだいです。

小学生の能力は無限です。やる気を引き出すコツ、つまり目標をどのように設定するか、それ如何で一発逆転する可能性は十分にあります。最後まで諦めなければ、方法はいくらでもあるはずです。

偏差値で決めてよいのか

志望校を決める際は、自分が行きたい学校ではなく、偏差値で選んでいるのが実態でしょう。学校や塾からも、今の偏差値では受からないよ!そういった指導を受けることがあります。もちろん偏差値は重要な数値であり信頼性は高いでしょう。とはいえ合否を保証するものではありません。

先生に指導され、偏差値で志望校を変えるのも良いでしょう。学校の名前を問わず単に進学したいだけなら、安全圏を狙うべきです。ただし本当に行きたい学校があるならば、偏差値の呪縛から自分を解き放ち、相応の努力をすべきだと思います。

見方を変えれば、偏差値ほどあてにならないものもないでしょう。おすすめできないような塾では、受験生や保護者を不安に陥れる?受講科目を増やさせるツールになるからです。例えば、偏差値を上げるには、講座を増やしましょう!新しい問題集を買ってください!言われた経験はないですか?

過去問を解いてみよう

偏差値は目安ではありますが、信じすぎてはいけません。80%合格できるレベル!そう言われても落ちる人はいるし、絶望的!そう事前に通告されていても合格することはあります。ではどうやって志望校を決めるべきでしょうか。

過去問を解いてみましょう。試験問題には学校が求める基準が示されています。大きな傾向は変わらないので、自分がその問題をどの程度解けるか?それこそが確実な合格基準、志望校を決める目安になるはずです。

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