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東京都小池知事は、私立高校授業料に関して一部無償化する!意向のあることが2017年1月17日の新聞報道によって明らかにされました。ほぼ義務化されている高校の学費について、高すぎる!そうした指摘があるからです。

とはいえ公明党が強く要望していたとも記事には記載されています。もちろん夏に行われる都議会議員選挙を見込んだ選挙協力の一環でしょうが、もっと裏に何かあるような気もします。とりあえず論点を整理しましょう。

世帯収入760万円未満が対象です

新聞報道によれば、世帯収入が760万円未満の都内にある家庭が対象になります。東京都内に位置する私立高校の平均授業料が年間44万2千円と推計されるので、相当額を支給するようです。とはいえ都民であれば、都外の私立高校に通っていても該当します。

予算として従来からある58億円に今回約75億円を追加し、合計133億円を2017年度会計に盛り込んだようです。対象者は約5.1万人であり、私立高校生の3割になるとか。

ちなみにお隣の埼玉県は世帯年収500万円未満、大阪府は同590万円未満の家庭を無償化の対象にしています。もちろん東京は平均収入が高いからなのでしょう。760万円は、都内の平均世帯年収のようです。

メリットは何か

反対のための反対を唱える人達以外であれば、議会的には総論賛成となるのでしょう。とはいえ具体的なメリットを考えてみましょう。

1.選択肢が広がります

親の年収で教育機会が決まってしまうのが現状です。もちろん義務教育は受けられますが、それでも塾に通えない!だから成績が伸びない?そんな声が少なからずあります。初めから進学を諦める子供も稀ではありません。

私立高校を受けられない!これは子供にとって大きなプレッシャーです。そのためあえて安全圏ということで、本来行ける都立高のレベルを数ランク落とす事例も散見されます。それでは子供のやる気は失せるでしょう。

とはいえ私立も受けてよい!そうした選択肢が広がるだけで、子供のやる気、想像力は高まるでしょう。夢を諦めなくてよくなります。日本全体としても、優秀な人材を育成できる!総論では良いことだらけです。

2.学力格差が解消されるかも

選択肢が広がることにより、学力格差が多少ではありますが解消される可能性は出てきます。レベルの高い私立高校で学習する機会が持てれば、東大を筆頭とする国立大学への進学も夢ではなくなるからです。

昨今は都立高校へ進学しても、著名大学に合格できるようになっています。とはいえ一部の生徒に限られます。大学受験を考えれば、中高一貫の有名私立中学へ行くのが近道です。そうしたチャンスを与えることができるでしょう。

3.親の精神的負担が軽減されます

当然ですが親の負担が軽減されます。経済的な負担はもちろんですが、精神的な負担こそ軽くしたいでしょう。つまり我が子に対して、私立はダメだよ!そう言うことがどれほど辛いことなのか。

子供に能力があっても、経済的に教育の機会が閉ざされます。親バカ的な部分も少なからずあるでしょうが、可能性があるならば伸ばしてあげたい!親心です。それを一歩でも前進させられる政策を、多くの都民は待っています。

日本は少子化という現状があります。少ない子供を大切に育てなければなりません。優秀な人材として社会に還元されるのであれば、お金の使い方として有効性を否定することはできないでしょう。

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デメリットはないのか

教育費を行政が負担することは良いことです。とはいえお金が絡むことです。デメリットも少なからずあることは考えておくべきでしょう。保育所建設地のように、想定外の敵が現れる可能性も否めません。

1.都立高へは逆風?都が都に敵対する!

現状における教育制度、特に首都圏であれば、都立より私立へ行くのがベストな選択です。そのため私立が無償になるならば、不況で都立へ向いていた風が、逆風になることは否めません。

そもそも都立は都が運営する学校です。都が都に敵対する?おかしな構図にならないでしょうか。教育費を負担する!その精神は正しいのでしょうが、早くも都立高校関係者からは不満が出ているようです。

優秀な生徒がどんどん私立高校へ流れたら、都立高校はレベルが下がってしまいます。さらに公立と私立の格差が広がってしまう結果になりそうです。東京都としてそれを容認するのでしょうか。

2.税金の使い方として正しいのか

子供がいる家庭にとっては切実な話です。とはいえ東京都には多くの子なし世帯があります。独居老人や若者でも独身世帯が多いですね。同じく都民です。そのため税金の使われ方に疑問を持つ人も少なくないようです。

率直に言えば子供のいない世帯にとっては無意味な出費です。133億円は高いか?個人相手にした政策と考えれば高いかもしれません。ならば非正規で働く若者への補助金にしてもよさそうです。

一方でオリンピックに2兆円を費やすのと比べれば?将来にわたる人材育成です。安い買い物だと思いますが。オリンピックに否定的な都民も一定割合で存在します。

そもそも教育には国が関与すべきです。高校がほぼ義務化している状況では、国が大学までの教育費をすべて無償化する!そういうことこそ考えるべきでしょう。日本は公的な教育支出が世界的にみても低い国だからです
参考「日本は学校への公的支出が先進国の中で最低!

3.無償でやる気が生まれるか

全員が無償になれば公平性が保たれるのでしょうが、一部の家庭を救済する政策です。受け取り方によって違いも生まれます。もちろん助けてもらって感謝する人間に育てばよいでしょう。

とはいえ奨学金も同じことですが、無償になってやる気が生まれるでしょうか。穿った見方ではありますが、ただより高いものはない!お金のありがたみがわからないと、社会人になっても働く意識が失せてしまいます。ニートを増やすだけかもしれません。
参考「あえて5つ問う!学習支援と称して無料で教えてよいのか

お金をかけて教育を受ける!アメリカの大学は典型例でしょう。だからこそ費用が無駄とならないように頑張る!そうした気持ちを培うことも教育の目的だと思います。

4.私立への政治的介入にならないか

私立高校へ税金を投入することになります。もちろん現状でも大学へ助成金などを出しています。今さら言うことでもありませんが、私立には建学の精神があるはずです。間接的ではありますが、公的資金の投入です。
参考「国立大学は助成金や補助金で優遇されているのか?されてはいけないのか

ちなみに都議会第二会派の公明党が強く要望しているとか。その理由は?母体の高校が絡んでいるのでは?こちらも穿った見方をしてしまいます。間接的に母体を支援していることにならないか?選挙は成功しそうですけどね。

5.中学受験が過熱する

私立高校が無償になれば、中学受験が過熱する可能性も否めません。つまり中高6年間だと親の経済的負担は大変ですが、半分の3年分が無償になるなら、私立中学を受験するメリットが生まれます。

年収760万円未満が対象になるので、これまで私立中学を考えていなかった世帯でも可能性が出てきます。とりあえず受けてみよう!そうした親や子供が増えるでしょう。

やる気が出るのはよいことですが、過熱しすぎは、かつてのお受験を考えると微妙です。もちろん塾関係者であれば、市場が拡大します。塾産業を回復させる意味もあります。ちなみに自民党都連の会長は誰か?そういう話も見えてきます。

奨学金にする案もある

教育費を誰が負担するのか。大きな社会問題です。将来的な人材育成です。国を背負う人もいます。そう考えれば、子供がいない世帯であっても、税金の使い道として納得すべきでしょう。

もちろん直接の学費補助ではなく、奨学金と言うパターンもあります。実際に給付型奨学金の話も進んでいます。とはいえ無償は教育的な意味があるのか?借金を返そう!そういうハングリー精神は、もはや日本にはなくなったのかもしれません。
参考「返還不要の給付型奨学金があれば格差は解消されるのか

政教分離を考える

現状では、まだ予算案にすぎません。とはいえ小池知事の意向に逆らえる議員は、選挙を控える現状において少ないでしょう。ならば2017年の4月から無償化が始まるのでしょうか。

教育を政争の具に使ってはいけないのでしょうが、政教分離の「教」は教育なのか?第三者的に考えると、面白い構図は残っています。一都民として、政策の実現のみならず夏の選挙が楽しみです。

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