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2017年1月18日の夕刊です。文部科学省が天下りを斡旋(あっせん)している?そんな報道がありました。つまり再就職等監視委員会国家公務員の天下り斡旋を監視している政府機関ですが、ここが文科省の斡旋疑いを調査している旨が判明したからです。

同日午前に行われた官房長官の記者会見でも明らかになりました。教育の総元締めとも言える文科省がルールを破っていた?これで日本の教育は大丈夫なのでしょうか。是非について考えてみましょう。

天下りとは何か

天下りとは、どういうことでしょうか。神秘的な表現であり、そもそもは天から神が舞い降りてくることです。そこから転じて、神のような存在、つまりお上(政府の高級官僚)が関連団体に降りてくる。すなわち職に就くことです。

文部科学省で考えれば、外郭団体や大学を含めた学校関係で働くことが天下りに該当します。とはいえ実際の業務をするかは別です。ただいるだけで存在感を示すことがあります。口利き?それも重要な仕事です。

ちなみに天下り自体は禁止されていません。上記の政府機関は、あくまでも不公正な斡旋を監視しているだけです。なぜならば、すべてを制限することは、日本国憲法で定められている「職業選択の自由」に抵触する可能性があるからです。

退職した職員が関連団体に再就職することは倫理的に好ましくはないでしょうが、優秀な人材を適材適所に配置する!企業や国全体で考えれば、ベストな選択と言えるかもしれないからです。

天下りを正当化する意見

ちょっと触れましたが、先に天下りを正当化する理論から紹介しましょう。感情的になってはいけません。

1.適材適所

天下りするレベルの高級官僚は、基本的に優秀な人材であるはずです。ならばその能力を有効に活用すべきでしょう。それでなくとも人材が不足しています。深い知識と経験を有した人が、関係する場所で働く、まさに適材適所です。中途半端な年功序列よりは生産性が上がるはずです。

逆に考えると、まったく関係のない会社に就職したら、個人の能力は発揮されるのでしょうか。自分の転職と考えてみれば、天下りを100%否定することはできません。

2.個人の自由

退職した人間が、何をしようと個人の自由です。そもそも日本国憲法第22条では職業選択の自由が保障されています。とはいえ「公共の福祉に反しない限り」との但し書きはありますが。

なお天下りの問題として、後述するように不公正な行為があります。とはいえ再就職先で不正を働くかどうか、それは個人の資質に関わってきます。天下り自体とは分けて考えるべきでしょう。

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天下りの何がいけないのか

一方で天下りを禁止すべし!そうした意見も紹介しましょう。

1.不公平という感情論

第一に生まれるのが、不公平という感情論であるのは否めないでしょう。ただでさえ高級官僚は恵まれた仕事です。公務員自体が安定した仕事だし、収入も平均的なサラリーマンより高いでしょう。

もちろんそれなりの努力をし、かつ能力があるからなれたのでしょうが、さらに安定した職を得るのは虫が良すぎると考える国民も多いでしょう。トップに立つ者ほど、謙虚さが求められます。

2.実際に不正が行われるかも

天下りが忌み嫌われる最も重要な点は、実際に不正が行われることでしょう。今回問題になった直接の事例は、大学などを管轄する高等教育局長という立場の人が、管轄下にある早稲田大学の教授になったことです。どう考えても利害関係は発生しそうです。

大学側は、文科省の動向、やり方を知りたいですね。そのノウハウとパイプを持つ人が大学に来れば、鬼に金棒です。文科省としても日本を代表する大学に介入できれば、教育改革がしやすくなるのも事実です。

実際にやったかどうかは別として、瓜田に履を納れず、李下に冠を正さず!疑わしきことをすべきではない!教育に携わる人がまず模範を示すべきでしょう。

3.学問の独立が失われる

2017年1月21日の朝刊に、早稲田大学総長の問答が載っていました。つまり記者から学問の独立が問われるのでは?との質問に対して、「国との連携を拒絶することが学問の独立ではない」と弁明したようです。本当にそう思っているのでしょうか。

もちろん誰と組もうと、本人の意志があれば独立を保つことができます。とはいえ高級官僚を教授職で迎える?それ自体に違和感を覚えないのでしょうか。教授になるには相応の研究歴と業績が必要なはずです。論文の数なども求められます。今回の元局長にどれだけの実績があったのか?

少なくとも大学で研究室を持つことは、オリジナルな、独立した研究者である必要がある!大学院時代にそう指導された気がします。こちらは文科省の審査を受ける側でしたが、関連著作が足りない!即却下されたみたいです。

天下りを受け入れた私立大学こそ、公に屈した!致命的なエラーです。創立者が許してくれることを祈ります。

天下りがなくならない理由とは

天下りが問題になるのは今回が初めてではありません。そもそも2007年に改正された国家公務員法では、退職前の5年間に携わっていた分野に関する民間会社への再就職を原則として退職後2年間は禁止しました。当時は第一次安倍内閣です。ではなぜ天下りがなくならないのでしょうか。

1.監視が甘い

新聞報道によりますと、監視が甘すぎるとのことです。つまり天下りに関係する団体は1000以上もあるのに、上記機関の職員はたった14人だとか?これではすべてをチェックするのは難しいでしょう。

とはいえチェックするだけの仕事、もちろん大切ではありますが、そのために人材を使い、税金で給料を払う?ちょっと問題がありそうです。第三者委員会、まったく独立した部門を設立しないと「監視」の意味はないでしょう。

2.身内に甘い

こちらも言い訳であり、あってはならないですが、日本は身内に甘い社会です。特に組織の上層部がやっていることに対して文句を言えないですね。実際今回の調査が入るに際して、組織的な隠蔽があった?大学側と口裏合わせがあったとか。

政府は全省庁に対する調査を指示したようですが、今回のことは氷山の一角でしょう。匿名ながら、なぜ文科省だけが狙われたのか?不用意な発言をした職員もいたようです。完全に天下りを認める発言です。そうした土壌があるのは事実です。

3.早期退職制度の弊害

身内に甘い理由は、日本の公務員が抱える制度的な問題もあります。つまり一般企業であれば60歳定年ですが、公務員の場合は役職が高いほど早期に退職すべし!そうした慣行があります。

すなわち中央官庁のトップは事務次官ですが、基本的に事務次官と同期入省の人は、そこで出世レース終了です。事実上退官することになります。今度新しく次官に就任する人は59歳です。簡単に言うと、この人以上の人は、役所に残れません。

言い換えるなら、出世できないと思った時点で辞める方が得策なのです。再就職は少しでも若い方が良いでしょう。そのため、多少でも適した仕事を探してあげよう!組織としての親心です。

こうした悪しき慣行がなくならない限り、法令順守やコンプライアンスは単なる掛け声であり、今後も天下りはなくならないはずです。法律は役人が作るのですから、公務員にとってはどれも完全なザル法です。

4.そもそも自覚がない

今回の事件でも出てきた意見ですが、何が悪いのか?半ば開き直った発言も散見されます。そもそも役所内に、天下りは良くない!そうした自覚はないようです。

違反が疑われる行為は、今回わかっただけで38件あったようです。数件であれば、ちょっとした過ちとの言い逃れはできますが、10件以上あれば、組織的と言わざるを得ません。それを許容する土壌があったことは否定できない事実です。

文科省がそれで教育改革ができるのか

今回の事件で問題視すべきことは、違反を起こしたのが文部科学省ということです。日本の教育を司る本丸です。当人たちは自覚しているのでしょうか。

ルールを守らない、守れない人達に教育改革を任せて大丈夫なのでしょうか。そんなことでいじめ問題などが解決することなど、ありえないですね。そもそもお上は、下々のことなど考えてもいないのでしょう。

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