おとなしくて気をつかう子どもは、本当に賢くて良い子?
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小さな子どもは、基本的に周囲に気をつかう気持ちを持っていません。所かまわず大きな声で笑ったり泣いたり・暴れたりするのが、本来の子どもの姿です。

少しずつ成長するにしたがって、人の気持ちや場所への配慮を学習していきます。誰かに気をつかうことをどんどん覚えていきますね。

あまりにもやんちゃで手がつけられない子どもを持つママは、幼少期にそのように気をつかう配慮ができる子どもを見ると、大変羨ましいと感じるでしょう。

実際私も、じっとしているおとなしい子どもを見て、本当に羨ましいと感じていました。

しかしそういった子ども全て、本当にただ周囲へ気をつかって、おとなしくしているだけなのでしょうか?

おとなしくて賢い子?

昔、私が検診で婦人科を訪れた時のことです。病院内は患者さんで溢れ、診察を待っている方がかなり多くいました。

10分程待っていると、2歳半~3歳くらいでしょうか・小さな子どもを連れたお腹の大きい母親が診察券を出し、隣の椅子に腰かけました。

『二人目なんだな。』と思いながら、他には全く意識していなかったのですが、子どもが妙におとなしいことに気がついたのです。

30分・1時間と時間が経過するも、子どもはじっと黙って座っていました。『すごくおとなしくて賢い子だな。』と思いました。稀に見る大変良くできた賢い子どもです。

ぐずり始めた子ども

私は時間の経過とともに、違和感が大きくなりました。まだ3歳程度の年齢で、1時間もじっと黙って座っていられる子どもがいるでしょうか。

ママとお話をしていたり、本を読んでいたり・おもちゃで遊んでいるのなら、まだわかります。その子の母親は、ただ黙々とスマホに見入っているだけ。

子ども好きな私は、目の前のブックラックの絵本に目がいきました。『読んであげたいな。どうしようかな。』と迷いました。

ですが隣に母親がいるのに、余計なお節介となってしまいます。胸がズキズキ疼くも精一杯我慢しましたが、母親がいないなら、すぐに行動していたでしょう。

母親は、子どもに視線を配ろうともせず、延々とスマホを見ています。さらに30分が経過した時「ママ~ねぇママ?」と、その子どもが少しぐずり始めました。母親の膝になだれかかり、膝を揺さぶる子ども。

当然です。その子どもは、1時間半もの時間座っていたのです。それも、一人でただじっと。

私はなぜかホッとし『やっと構ってもらえるね。』と、胸の中で思いました。『やっと本が読んでもらえる。』と。

3歳の子どもが親に気を使える?

しかし、その母親口から出た言葉に唖然としました。

「だから、家にいなさいって言ったでしょ。うるさく言うのなら、もう連れてこないからね。」とつぶやき、子どもを払い退けたのです。

そして、再度手元のスマホに集中し出しました。

子どもはもじもじしながら椅子に座り直し、母親の横顔を泣きそうな顔で見つめていました。

その後、私が診察室に呼ばれ・会計を待っている間、合計で3時間ほどの間、その子どもは母親に会話さえしてもらえずじっと黙って座っているだけでした。

私は大変胸が痛み、病院帰りに友人と会う約束をしていたので、その後喫茶店でランチをしながらつい泣いてしまいました。

  • 「あの子どもはおとなしくしている間、いったいどんな想いだったのだろうか。」
  • 親は、小さな子どもが自分自身に気をつかっていることを、いったいどう考えているのだろう。
  • 「あの子どもは、どんな大人になるのだろう。」

『ただおとなしくて良い子ども』で、片づけられる問題ではありません。

気をつかうのではなく、愛を求めている子ども

子どもは、親のことが大好きです。子どもにとって、ママは自分の全てであると言っても過言ではありません。

  • 常に、ママの笑顔を見たいと思っている
  • いつでも、親の愛情を求めている
  • ママに嫌われたくないと感じている

子どもは自分の全てであるママが、自分を認めてくれることを一番に願っているのです。だからママが喜んでくれることが一番の願い。

だから小さな子どもであっても、ママが機嫌が悪い時に少しおとなしくしたり・話しかけないようにする場合もあります。

それは決して『ママに気をつかう』のではなく、ただ愛されたい一心、それ以外ありません。

それでも、自分の意思を表現したいと自我が芽生えた子どもは、思いのまま無理を言ったり・うるさくしてしまったり暴れたりしてしまいます。

しかし、それは成長の過程では必ずなくてはならない変化です。

3時間もの間、その子どもはただの1回も笑顔を見せることはありませんでした。

ママから無視されながらもただじっと座っていたその子どもの行動は、まさしく親に気をつかっているという状態でした。

ママの愛を求めるがゆえ、子ども本来の姿を隠し、気をつかっていたのです。

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気をつかえる子どもは良い子?

大人にしてみれば、他者に対し気をつかえることは、大変素晴らしい人間であると判断するでしょう。

しかし『小さな子どもが親に気をつかう』なんて、本来はあってはならない事です。

ママに好かれたい】‡【気をつかう
この2つの感情は、相反するものでありイコールとは言えませんね。決して良い子と言えるものではありません。

そんな小さなうちから気をつかう状態は、親の愛情が欠けていると考えられます。

気をつかえる良い子ではなく、無理やり自分の想いを押し込めている状態です。

子どもが愛欲しさに気をつかう悪影響

おとなしくて気をつかう子どもは、本当に賢くて良い子?

子どもが成長すればするほど、知識を身につけ、親や他者に対して気をつかえるようになってくるのは確かです。

少しずつ『自分が嫌われたくない。』という感情だけではなく、徐々に『ママが嬉しいことをしたい。』と自分の欲から切り離された感情も芽生えてきます。

『誰かのために何かしてあげたい。』と、自分の欲が絡んでいない純粋な愛情が芽生えていくのも、親から受けた愛情が基となります。

親に気をつかうことを余儀なくされた子どもは、気をつかうことで愛を得ようとする大人になってしまう可能性があります。

下の子と歳があまり離れていない3人兄弟の真ん中っ子には、良く見られる傾向でもあります。

初めての子どもで可愛がってきてもらった上の子と、一番小さいからといって親がつい甘やかしてしまう下の子の間に挟まれ、あまり構ってもらえない真ん中の子どもによくある特徴です。

  • 常に人の顔色を見てしまう癖がある
  • 面白いことを言ったり、大袈裟なリアクションで気を惹こうとする
  • いつでも気をつかおうとするが、本当の意味で気をつかう配慮ができない

全ての真ん中の子どもがこうであるとは申しません。しかし、現に多くの例がありますし、あながち間違いではないでしょう。

さらには純粋な自分の愛を表現するのではなく、相手にとって都合の良いことをして気を惹き、愛されようとしてしまうのです。

そこに愛が存在するのなら、何の問題もありません。

しかし愛が全くない状態であっても『利用するために気をつかって自分に気を惹く』という事を覚えてしまう可能性もあります。

『親を思いやって気をつかう』のは悪いことではありません。でも『愛されるために気をつかう』ような感情を、子どもに持たせてはならないと言えるでしょう。

おもちゃでおとなしく遊んでいたとしても、子どもは寂しさを感じながら気をつかっているかも知れません。なるべく声をかけたり、子どもに触れてあげるようにしましょう。

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