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日本経済新聞は2016年2月4日の朝刊1面トップで
「大病院の実績 開示義務」と報じました。
つまり厚生労働省が2017年度から全国の大病院に対して、
重要疾患に関する治療実績を公表するように求めたようです。
その目的は、患者が病院を選びやすくするためとか。
とはいえ患者が直接大病院を受診してはいけないのでは?
ちょっと矛盾する政策です。
そこは百歩譲って、患者側にメリットがあるならば、
検討の余地はあるでしょう。

何を公表するのか

厚生労働省が大病院に対して7つの項目の公表を促すようです。
その項目とは何か。
1.年代別の入院患者数
2.5大がんのステージ別患者数
3.診療科別・手術別の入院日数
4.診療科別の症例数
5.脳梗塞のタイプ別患者数
6.肺炎の重症度別患者数
7.その他(血液性臓器障害など)
もちろん一部の大病院では
これまでも独自に実績を公表してきました。
しかし病院間での統一性がない?
今後は基準を作り、患者が比べやすくするようです。

問題はないか

批判ばかりしてもいけませんが、
あえて問題点を探っていきましょう。

1.正しく公表されるのか

永遠の課題でしょう。
義務化されたとしても正しく公表されるのでしょうか。
そもそも医療ミスは正直に開示されているのでしょうか。
病院といえども営利団体です。
自分にとって都合の悪い情報は流さないでしょう。
医療機関における隠蔽体質は?
上から目線の専門家が減らない限り、難しいですね。
大病院だと患者が萎縮しがちなのも事実ですから。
第三者が介入してデータ整理をできるでしょうか。

2.患者が誤解しないか

入院日数などのように数字で示されると、
素人の患者でもわかりやすいでしょう。
あの病院へ行けば早く治る!
とはいえ本当でしょうか。
病院によって?
医者によって!
もう少し様子を見よう!
多々あります。
また入院させればお金になる!
もちろんそれができないような仕組みもあります。
ただし早く退院できれば良いのか?
症例ごとに異なるのも事実です。
開示された日数より長くかかった!
誤解や変な苦情につながらないかが心配です。

3.偏りは出ないか

今でも大病院は都市に集中しています。
医者個人も?
地方より街中での勤務を希望するようです。
もちろん人が集まるところほど情報が集まります。
医者自身の技術が向上するし知識も増えるでしょう。
とはいえ地域的な偏りは解消されるのでしょうか。
結局いくつかの大病院へ患者が集中する!
そもそも病院間の競争は必要なのでしょうか?
それで医療の質の向上と効率化が促されるのでしょうか。
真面目にそう考えているなら、のんきすぎますね。
現場を見ていない証拠です。
地方や難病患者は、確実においていかれます。

4.罰則規定は妥当か

義務化するなら何らかの罰則が不可欠です。
そこで公表しない病院に対して、
同年度からの診療報酬を減額するようです。
そして正しく公表した病院に対しては増額する。
一見すると妥当な罰則規定ですね。
診療報酬は、医療機関の収入源です。
これが減ると、経営が厳しくなります。
医者が逃げてしまう?
医療の質が落ちる!
悪循環につながるためです。
とはいえそれで既存の患者さんに影響は出ないでしょうか。

5.患者が比べてよいのか

誤解とも関連しますが、
患者が病院を比べてよいのでしょうか。
巷には病院や医師をランク付けする雑誌などが売られています。
それを読んで病院を選ぶ人もいるでしょう。
とはいえ同じ病名であっても症状は微妙に違います。
素人が勝手に選んでもよいのでしょうか。
それよりも、かかりつけ医から大病院を紹介する!
本来想定していたシステムを強化すべきではないでしょうか。

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患者のメリットになるか

医療の質を向上させることは重要です。
とはいえ大切なのは、地域間格差をなくすことでしょう。
そのためにこそ
医療法において病院の設置数を制限しているのですから。
患者のメリットを考えるなら、
皆保険制度で現されているように、
どこでも同じ治療を受けられることです。
もちろん特殊な病気なら仕方ないでしょう。
しかし特定の大病院に患者が集まるような政策は、
患者にとって嬉しいことなのでしょうか。
待ち時間がもっと増えそうです。

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