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地震や台風などの自然災害による犠牲者が増えています。そうした報道で見聞きするのが「心肺停止の状態」です。わかったようでわからない言い方ですね。もちろん死亡したと言いたいところですが、そうは言えない複雑な事情が裏にはあるようです。

心肺停止とは

心肺停止とは、文字通り、心臓も肺も機能を停止してる、そのように思われる状態です。しかし正式に診断されたわけではありません。もちろん心臓や肺が動いていないのであれば、酸素を取り入れたり血液を循環させることができません。

言い換えるなら、事実上、死んでいるのと同じことです。そのため事件や事故、災害などで人体が発見された場合、何らの反応を起こしていない、素人的に脈や呼吸が確認できない、そうした状況を心肺停止と呼ぶことにしています。

喉に引っかかるような言い方ですが、面倒な裏事情があります。あくまでも犠牲者・被害者、人体であり、まだ遺体ではありません。希望を捨ててはいけない!そういうことなのかもしれませんが。

死亡の診断は医師にしかできない

人が死んだかどうか、いわゆる死亡の診断は、医師にしかできません。とはいえ最終判断を下すには、いくつかの手順があります。つまり、次のように調べていきます。

  • 睫毛反射や対光反射が消失したことをペンライトで確認する
  • 聴診によってで心音や呼吸音がないことを確認する
  • 橈骨動脈や頸動脈に触れられないことを確認する
  • 心電図モニターで脈拍がゼロ、平坦になったことを確認する

近年は救急救命士が緊急車両にも乗車していますが、現場に医師がいなければ、判断を仰ぐために医療施設へ運ばなくてはなりません。そのため災害など医師が向かえない場所で見つかった「負傷者」は、とりあえず心肺停止の状態と伝えるしかないのです。

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心臓マッサージを続けましょう

人が倒れているのを発見したら、直ぐに救急車を呼びます。また近くに医師や看護師がいないか、叫んで探しましょう。心臓が止まっていると気づいたら、心臓マッサージを行います。人工呼吸も併せて実施します。AEDも積極的に使いましょう。

これを救急車や専門家が来るまで続けます。場合によっては意識を回復することもあります。心肺停止になってから処置を始めるまでの時間が短いほど、機能が回復する確率は高くなるようです。

実際に蘇生することはあるのか

素人目には、ちょっと期待できそうにありません。とはいえドラマなどでは必死に心臓マッサージをします。しかし何分も続けるのは慣れない人なら難しいでしょう。こっちの方が疲れてしまいます。ならば実際に蘇生することはあり得るのでしょうか。

一般論ですが、心肺停止後3分経てば蘇生率50%、10分経っていれば、ほぼ絶望と言えるようです。ただし人間の生命力は千差万別です。奇跡的な回復もあります。特に子供の場合には、24時間以上たっても復帰することがある?作り話みたいですが、棺桶や墓穴から出てきた!ありえないことではないようです。

死とは何か

現実問題として死とは何か、どんな状態でしょうか。もちろん上記のような診断基準があります。とはいえ様々な方法によって延命が可能な時代です。

1.心臓死

心肺停止という表現があるからには、心臓死が第一に議論されます。つまり心臓が止まったら死!そう考えるのが自然だからです。そもそも心臓はなぜ動いているのか?生まれてから死ぬまで、一瞬たりとも止まることがないからです。言い換えると、どうすれば止まるのか。

例えば災害現場から運ばれて、そのまま何もしなければ心臓が止まると言われたら、どこまで命を長らえさせるのか。判断は家族に委ねられます。生命維持装置のスイッチを切れば死んでしまう状態なら、素人、特に親族であれば難しい決断です。

そこで問題になるのが心不全という死因です。心臓が動かなくなったのだから心不全なのでしょうが、なぜ心臓が止まったのか?それが明確にならないと、具体的な病名は付けられないのが実情です。故に自損による交通事故死の場合、心不全が先にあったケースもありえます。
参考「死因の○○不全とは、実際にどういう状態なのか

2.脳死

心肺停止の逆とも言えるのが脳死です。心臓と肺は動いているけど脳が機能していない状態です。くも膜下出血などの病気や頭部を強打する事故などによって生じます。もちろん脳が全身を司っているため、放置すれば心肺停止に行き着くでしょう。

現状の医学において脳死を回復させることはほぼ難しいようです。したがってこちらの方が、事実上は死!そう考えるべきなのでしょう。脳移植?心理的にも現実的な方法ではなさそうです。

とはいえ現在の法律では、脳死を死と認めていません。そのため脳死による臓器移植が面倒なのです。あくまでも特例として扱います。つまり脳が死んでも心肺機能に問題がなければ、人工的な延命は可能だからです。

法律や医学それと国民的な死生観は、時代によって変わるのでしょうが、違和感があるのは否めません。

3.クローンでも自分か

ペットビジネスが盛んではありますが、死んだペットの遺伝子からクローン動物を作りだしてくれるサービスが海外にはあるそうです。遺伝子的には同じなので、見かけは同じに見えるようです。一卵性双子の原理です。

現状はあくまでも動物に対する話ですが、人間でも、その気になれば可能です。遺伝子を操作して先天性の病気をなくす技術も、倫理面を除けば実用化できる域まで達しているようです。であれば最愛の人を救おうとしますか。
参考「絶滅危惧種を人工的に救うことは正しいのか?技術は3つあります

もちろん物理的には同じではありますが、クローンを作っても性格や人格の同一性は保証されません。双子でも性格が違ったりしますね。そもそも健康な人体であっても日々新陳代謝しています。1年も経てば一部の神経系を除き、事実上、同じ物質はなくなるようです。それでも自分です。言い換えると、自分って何ですか。

4.どこまで取り換えるか

瀕死の重傷で運ばれてきた場合、輸血をするでしょう。とはいえどこまで輸血してよいのでしょうか。あまり入れすぎると自分の血液はなくなってしまうかもしれません。つまり血液量は、人体の約8%と言われています。

個人差はありますが、血液の1/3が失われると失血死になると考えられています。そのため事故などで血が止まらない際は、早めに輸血する必要があるでしょう。

ちなみに2013年に亡くなられた歌舞伎俳優の12代目市川団十郎さんは、白血病の治療に際して輸血を行い、血液型が変わってしまったとか?つまり血が入れ替わったことになります。それでも人格は変わらない?

別の問題として臓器移植があります。最近では再生医療が現実味を帯びています。技術的には、壊れた部分を取り換えていけば死ぬことはなくなるのかもしれません。そう考えると、本当に「死とは何か」ですね。

5.72時間の壁

災害救助などで言われることですが、72時間の壁!つまり72時間(3日間)経つと、被災者の生存率が急激に低下することです。もちろん確率的な話なので、奇跡の救出劇はあります。ただし実際に1995年の阪神・淡路大震災でも発生後3日を境に、生きて救出できた人が急減したようです。

72時間の根拠は、人間が水なしで生存できる限界とされています。当然ですが、真夏などは数時間でも脱水症状が起きてしまいます。あくまでも平均的な話です。

一方で身動きできない状態になったら、絶望感が先に立つかもしれません。心理的に弱い人であれば、72時間持たない可能性もあります。そのためあくまでも一般論です。しかし希望を捨ててはいけないという意味では、信じるべきかもしれません。

遺体を放置してはいけない

こちらも極論ですが、逆のパターンもあります。様々な事情から、遺体を放置している事件があります。宗教的理由から、まだ生きている!主張することがあるようです。もちろん信仰の自由はありますが、衛生上の問題もあります。

日本にいれば、日本の法律に従うべきでしょう。医師の診断を得ず、葬儀や埋葬をしてはいけません。どこかに勝手に埋めたり、放置してもいけません。死亡届を役所に提出する際には、医師による死亡診断書が必要です。

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