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2017年1月21日、俳優の松方弘樹さんが死去されました。約1年前に入院したとのニュースはありましたが、突然の訃報です。74歳は若いのかどうか?議論は分かれますが、死因は脳リンパ腫です。あまり聞き慣れませんが、どんな病気なのでしょうか。

脳リンパ腫とは

病名からは何となく、脳でリンパが腫れたのか?そんなイメージですが、正式には脳悪性リンパ腫もしくは中枢神経原発悪性リンパ腫と呼ばれます。では具体的に考えてみましょう。

1.脳腫瘍の一種です

脳リンパ腫とは脳腫瘍の一種であり、その約3%を占めると考えられています。実際には人口10万人当たり0.4人とのデータがあります。言い換えると100万人に4人です。日本人1.27億人で単純計算すると約500人になります。

一般的ながんと同様に中高年で発症しやすく、患者の8割は50歳以上とされています。また最頻発年齢は60歳前後です。ただし一度発症すると進行度は速いとの指摘もあります。

2.リンパとは何か

リンパマッサージなどが流行ったりしましたが、そもそもリンパとは何か?人体の循環器系には血液系とリンパ系があります。そのリンパ系を流れるのがリンパ液であり、そこにある細胞がリンパ球です。

血液と同様にリンパ液もリンパ管内を循環し、左右の鎖骨下静脈で、また末端部位では組織液などを通じて血管と合流します。そしてリンパ管が豆粒状で集まる部分が、いわゆるリンパ節です。首、脇の下、足の付け根などに位置しています。

リンパ球は主としてT細胞とB細胞に分かれ、獲得免疫に関係しています。元々は骨髄で前駆物質が作られ、胸腺で上記細胞に分化、成熟します。
参考「免疫とは何か?機能を高める方法はあるのか?

3.原因はわからない

一般的にリンパ腫は他の臓器でも起きますが、脳内だけに限定して腫瘍化した状態を脳リンパ腫と呼びます。ただし具体的な原因は明らかではありません。他のがんと同様に考えていくべきなのでしょう。

4.初期症状は頭痛やふらつきです

脳腫瘍の一種なので、生じた場所で脳を圧迫します。そして脳の当該部分が司る身体の部位で障害が起きます。中でも多いのが言語関係、失語症です。また手足の麻痺なども患者さんの半数に現れるようです。

軽度の場合は頭痛や吐き気、実際の嘔吐、ふらつき、手足のしびれ、ぼんやりしてしまうなどの精神症状が指摘されています。とはいえ進行が速いので、重篤化して自覚する例も珍しくありません。

5.治療法は抗がん剤です

基本的な治療法は抗がん剤の投与です。一部の患者には効果がないとの指摘もありますが、第一に考えるべき選択肢である点は否めないようです。特に最近ではメソトレキセートが有効とされています。

次いで行われるのが放射線療法です。可能な限り患部に向けて照射し、リンパ腫の極小化に努めます。

外科手術という選択肢もなくはないですが、広範囲を切除する必要がある一方で抗がん剤の方が効率的との話もあり、現在ではあまり施術されていません。

6.再発率は高いようです

がんの治療は難しいものです。高齢になるほど当人の免疫力も低下します。そこからも早期発見が叫ばれる所以です。では脳リンパ腫の予後はどの程度なのでしょうか。

リンパ腫自体が再発率、死亡率ともに高いと考えられています。治療に努めても発症後5年の生存率は50%前後との報告があります。

7.予防法はあるのか

そもそもはがんの一種なので、遺伝的な家系、不規則な生活、そして年齢は外せない要因です。一方で免疫力との関係があるので、臓器移植を受けた、関節リウマチなどで免疫抑制剤を使った経験がある人などは注意した方がよいでしょう。

もちろん日々健康に気を付ける、免疫力を高めることは重要です。そのため適度な運動は欠かせないでしょう。元気に毎日過ごすことも、身体を活性化する、異常や違和感を早期に見つけるという意味では有用です。

脳に癌はないのか

リンパ腫と言われても、素人にはピンときませんね。脳腫瘍との言い方もわかりづらいでしょう。そもそも脳癌?聞いたことがありませんね。では脳に癌はでききないのでしょうか。

1.「がん」とは細胞が暴走した状態です

そもそもがんとは何か?です。いわゆる「がん」は総称であり通称です。正式には腫瘍ですが、これは自律的に増殖を続ける本人自身の細胞です。通常の細胞は一定の寿命が来ると死滅しますが、遺伝的変異などによりコントロールが利かない状態が腫瘍です。

2.腫瘍には良性と悪性があります

腫瘍には良性と悪性があります。良性腫瘍は、放置しても問題はありません。つまり他臓器への浸潤や転移は起こさず、一定の大きさになると成長を止めるからです。とはいえ邪魔になることも多いため、切除するケースが少なくありません。

放置すると危険なタイプが悪性腫瘍です。これには上皮性悪性腫瘍非上皮性悪性腫瘍があります。前者を癌、後者を肉腫と呼びます。マスコミなどでも混同がありますが、「がん」と「癌」は本来なら明確に分けて考えるべきなのです。

3.上皮とは

上皮とは何か?身体の外表面もしくは臓器の内面にある細胞層のことです。つまり上皮性悪性腫瘍とは、消化管などの内表面や皮膚にできる腫瘍のことです。言い換えると胃癌や肝臓癌などの消化器系、そして皮膚癌、肺癌などがあります。

ただし胃や肺にできる腫瘍であっても、非上皮性のタイプもあります。例えば胃肉腫があります。そのため総称する際には「胃がん」や「肺がん」との名称を用いることが多いようです。

一方で非上皮性悪性腫瘍とは、上皮組織以外にできる腫瘍です。代表は骨肉腫や白血病などがあります。ただし白血病、悪性リンパ腫などの造血器で生じるタイプを分けて捉えることもあります。

4.脳に癌はない

厳密に言えば、脳に上皮細胞はないので、脳に癌はできません。そのため脳腫瘍もしくは今回のように脳リンパ腫などと呼ばれます。とはいえ広義には「がん」です。

一方で心臓も、同じ理由から癌はありません。ただし稀ではありますが、心臓腫瘍と呼ばれる事例があります。大半は良性のようですが、悪性の場合にはほぼ1年以内に死亡するようです。

5.保険加入時には注意しよう

ちなみに「がん保険」や生命保険の中には、特有の定義をしている商品があります。つまり一般人から考えると「がん」ですが、保険金支払いの対象にならないケースがあるようです。そのため保険に加入する際には注意しましょう。

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がんをどこまで治療するか

小児がん、女性特有のがんなどは若くして発症します。そのため可及的速やかに最善の治療を施すべきでしょう。とはいえ高齢者で発症したがんをどこまで治療すべきか。
参考「若いからこそ注意です。乳がんの進行は速いですよ

もちろん家族としてみれば、少しでも長生きしてもらいたいでしょう。しかし高齢になるほど治療に耐えられないこともあります。逆に寿命を縮めている?一部の抗がん剤や放射線療法では副作用も指摘されているからです。
参考「薬を何錠まで飲んでも大丈夫なのか?多剤併用に気を付けよう

なお昨今は新しい治療法として免疫療法があります。ただしこちらは薬剤費が高額です。政治的に減額措置が採られましたし、健康保険を使えば個人負担は少なく済みます。それでも国民医療費を考えるとどうなのか。
参考「予防医療は医療費削減に貢献しない?考えられる5つの理由

日本人の2人に1人が罹ると言われるがんです。今後も様々な治療法が登場すると期待されています。それでも自分や家族が実際に宣告された場合、どこまで治療すべきか、事前に考え、相談しておくべきでしょう。
参考「粒子線治療の一部が4月から保険適用になります

健康管理に努めましょう

遺伝性のがんもありますが、あまり考えすぎてもいけません。日々免疫力を高め健康管理に努めましょう。年齢を経れば身体にトラブルが起きるのは否めません。開き直っていきましょう。これこそ究極の「免疫療法」かも。

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