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出る出ると言われて、ようやくリーズナブルになり始めたのが有機ELテレビです。リオ・オリンピックという大きなテレビ需要期が終焉する一方で4K8Kなどの試験放送が行われています。その牙城に入り込めるでしょうか。

もちろん狙いは2020年の東京オリンピックです。そこまでに有機ELテレビはどこまで安く、大きく、扱いやすくなるのか。2017年は有機ELテレビ元年として、歴史に刻まれるのでしょうか。

有機ELテレビの特徴

1.有機ELとは何か

有機ELとはOrganic Electro Luminescenceの略であり、OELと表示されることもあります。

簡単な原理は、有機発光体と呼ばれるものをプラスとマイナスの電極板で挟みます。そこへ電圧をかけることにより、間にある物質が光を放つのです。

最初の発明は1987年、アメリカのイーストマン・コダック社だと言われています。そう考えると2017年の今年は生誕30年です。派手なイベントが欲しい時期かもしれません。

2.発光の仕組み

電極には金属を使います。金箔でわかるように、金属は薄くできます。そのため間に入る有機発光体の薄型化がカギを握ります。

有機なので炭素が入った材料です。炭素が光るのか?素朴な疑問ですが、有機ELの発光体として一般的に使われてきたのがAlq3とも呼ばれるキノリノールアルミ錯体です。ちょっと難しい話ですが、8-キノリノールと呼ばれる物質は、炭素が六角形につながったいわゆるベンゼン環を持っている有機化合物です。
自然界でもホタルなど、体内の有機物によって発光する生き物がいます。それを人工的に作り出したのが有機EL?そう考えても大きな間違いではありません。
なお後述するように現状の有機ELは消費電力が大きくなるデメリットが指摘されています。とはいえ原理的には少ない電力で明るさや色使い、見やすさも達成できると考えられています。ホタルが大量の電気を使っているとは思えないからです。

3.メリット

一般的な液晶テレビと比較してみましょう。まずはメリットに関してです。

(1)薄型にできる

有機EL最大のメリットとも言える点は、薄型にできることです。もちろん液晶も薄くできます。ブラウン管テレビに比べれば、同じテレビとは思えないでしょう。とはいえさらに薄くできます。最終的にはのようになるのです。

その理由として液晶はバックライトを必要としますが、有機ELは自らが発光体です。そのため自分自身だけを考えればよいので薄くできるのです。人間のレベルから比べれば紙だって厚みがあります。本を考えれば理解できますね。

この点では応用範囲が広く、折り曲げられるディスプレイが登場するのも、そう遠くない話のようです。スマホにも応用されていますし、照明としての利用も可能です。壁に掛けるではなく、ポスターのように貼る!そんなテレビが待ち遠しいです。

(2)動きが滑らか

今ではほとんど気になりませんが、そもそも液晶テレビの欠点として、動きが遅い点が指摘されていました。そのためスポーツなどの動きが速い映像には適さない?いわゆる残像の問題がありました。

とはいえ有機ELは、原理的に素早いスイッチのオンオフが可能です。オリンピックやワールドカップサッカーを視聴するのであれば、適した素材と言えるでしょう。コントラスト比も高いので、白や黒などもはっきり区別できます。

(3)視野角が広い

現状の液晶テレビは見やすいですか。もちろん正面から見れば綺麗です。しかし少し見る角度が変わると、写真のネガみたいになりませんか?とはいえ今の若い人にネガと言っても通用しないですね。

つまり液晶の欠点は、見る角度によって見づらくなる点です。それでも各種のフィルターを通すなど見やすい工夫はされていますが、バックライトを使っているため、完全な解決はありえません。

一方で有機ELは180度どこから視聴しても鮮明さは変わりません。それは有機ELそれ自体が発光している原理的な違いがあるからです。視野角が広くなるのは有機ELテレビが持つ大きなメリットです。

4.デメリット

有機ELテレビが普及していない理由は、まだまだ多くのデメリットがあるからです。

(1)寿命が短い

技術が進んではいますが、未だ寿命の問題は解決されていません。一般的な液晶テレビの半分でしかないとか。そう言われると買いにくいかもしれませんが、それでも平均寿命は3万時間と考えられています。1日3時間視聴するとして1万日の計算です。つまり27年間使えます。

もちろん現代的なテレビの使い方は、点けっぱなしも多いでしょう。極端には見ないけど24時間消さないこともあるようです。連続していれば熱を持つリスクもあり、1日24時間の使用と仮定すれば3年しか持ちません。これを短命と言うべきなのか?

ただし新製品が出るサイクルでもあるため、ちょうどよい長さだと思うこともできそうです。あくまでも個々人のライフスタイル次第です。

(2)現状ではまだ消費電力が大きい

東日本大震災から6年が経過しました。国民の中には節電に対する意識は薄れているかもしれません。もちろん昨今の電気製品自体が節電タイプになっています。実際に原発が動いていない状態でも、電力危機は起きていません。

とはいえそうした中で消費電力が大きいと聞けば、時代に逆行するようなイメージです。電気の単価はじわじわ上がっているも事実なので省エネ製品を選びたいものですが、そういう点で有機ELテレビはマイナスです。

現状の製品では、液晶に比べて約1.5倍の消費電力があるようです。これは構造上、バックライトを必要としないことが逆に仇となっています。つまり自ら光を放つ際に多くの電力を使うからです。

ただし理論的には液晶テレビの半分以下に消費電力は押さえられる!そうした話もあります。数年の間における技術進歩に期待しましょう。

(3)太陽光があると見づらい

テレビとして致命的なデメリットです。明るい場所だと、まだちょっと見づらいことがあるようです。家電量販店などのテレビ売り場を考えてみましょう。直射日光が当たるお店はありませんね。だからきれいに映っている!勘違いしがちです。

逆に自宅ではテレビをどこに置きますか。大きな窓があるリビングでしょうか。例えば直射日光がテレビに当たると、有機ELディスプレイは見づらいことがあります。太陽光が反射してしまうという理由もありますが、ここでも自らが光る!そういう根本原理に課題があります。

もちろんテレビ視聴時はカーテンを閉める、直射日光が入らない部屋、さらに夜間の視聴であれば、気にならないレベルには進化しています。お店で納得できれば、変に心配する必要もなさそうです。

値段が下がっています

有機ELテレビの技術的なデメリットをあげましたが、一般庶民における最大の問題点は、もちろん値段が高いことです。どんな優れた製品であっても、長く使える耐久消費財であっても、導入部分として高価な物は買えません。

とはいえ2016年あたりから値段が下がっています。売れ筋と言われる55型テレビで比較すると、2016年半ばでも50万円ほどしていました。これではボーナスが出たとしても手がでません。しかし年末になると30万円前後になっています。

もう一つ問題があります。つまり選択肢がないことです。10年ほど前は日本のメーカーも各種の有機ELテレビを販売していましたが、値段の高さからほとんど売れませんでした。そのため今買える製品は、事実上韓国のLG製のみです。

ただし朗報もあります。3月に東芝、4月にパナソニック、ソニーも夏をめどに新製品を販売すると報道されています。東芝は大丈夫?逆に起死回生を狙うのか?違った意味でも興味が出てきそうです。

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買い時は2017年の年末か

家電に関して常に思うことですが、有機ELテレビをいつ買うか?もちろんお金があるならば、今売られているLG製を購入するのも一法です。とはいえ国内メーカー品が出そろう2017年の年末辺りが、ひとつの買い時なのかもしれません。

そうした点も、今年が有機ELテレビの元年になるのか、重要なポイントです。

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