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2017年の国会で懸案となっている法案の一つに「共謀罪」があります。ちょっと怖そうな名前ですが、本当に今成立させる必要があるのでしょうか。また何故政府は急いでいるのでしょうか。

かつて治安維持法破壊活動防止法などが世間を賑わせました。それとどう違うのでしょうか。本当にテロを防ぐためであれば重要な法律です。とはいえ権力者の解釈次第でどのように使われるのか?心配です。

「共謀罪」とは

2020年に東京オリンピック・パラリンピックの開催を控え、また昨今は外国人観光客が増えています。そうした状況を鑑み、組織犯罪に備える法律が欲しい?そこで2017年の国会で議論されているのが「共謀罪」です。とはいえどんな法律なのでしょうか。

1.「共謀罪」の歴史

「共謀罪」という名称の法案は、過去に何度か審議されています。とはいえそのたびに時間切れ?継続審議もしくは廃案になっています。初めて国会へ提出されたのは2004年です。

当時野党だった民主党も修正案を提出しています。ということは、今野党が批判しているのは、反対のための反対なのか?穿った見方もあります。

なお廃案になるなど名称の縁起が良くない?今回は、テロ等組織犯罪準備罪として提出されます。だから新聞などでは「共謀罪」とかっこ書きになっています。とはいえ何を問題にするのかが重要なはずです。

2.どんな法案なのか

法案の趣旨は、2000年に施行された、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(略称:組織犯罪処罰法)の第6条(組織的な犯罪等の予備)を補完するためと言われています。

つまり実行犯に対しては刑法が対応できます。とはいえ準備段階では警察が手を出すわけにはいきません。だからこそ一般庶民は安全なのですが、ストーカー被害などを減らせない要因でもあります。事件が起きないと警察は動かない?揶揄される理由です。

そうした事件を未然に防ぐために必要だ!悪いことを企てる人が多くいる現状において、何らかの対応策は求められるのでしょう。ただし両刃の剣です。

  • 冤罪は起きないのか?
  • プライバシーは曝されないか?

そうした不安を払拭できるほどの十分な説明はないようです。

3.政府が急ぐ理由は

政府が今国会での成立を急ぐ理由は何でしょうか。
表向きは、

2020年の東京オリンピックを控え、国際条約に加入して情報をもらう必要がある!

そう訴えています。
これがないと日本を守れない?ちょっと泣きが入っています。

その国際条約とは、2000年に国連総会で採択された、

国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約、通称パレルモ条約のことです。

国内に「共謀罪」を処罰する法律がない国は加入できない?と説明されています。

とはいえ本当に「共謀罪」がないと加入できないのか?そもそも加入したら日本は安全なのか?既に2016年10月現在187か国が締約しているようですが、世界に平和が訪れているのでしょうか?日本には違った守り方があるはずです。

既存の法律では対処できないのか

新たに法律を作らず、既存の法律では対処できないのでしょうか。

1.治安維持法

第二次世界大戦後に廃止されたのが、治安維持法です。これまで多くの人が「共謀罪」に反対してきた理由として、この復活を恐れているのかもしれません。時の政権の意向によって犯罪者扱いされてしまう心配がありました。

2.破壊活動防止法

終戦後のまだ落ち着かない1952年に施行されたのが、破壊活動防止法(略称:破防法)です。

暴力的な団体を規制するために制定されました。

こちらも治安維持法の復活だ!当初は問題視されました。

いくつかの事件に使われた過去はありますが、1995年に起きたオウム真理教事件に対しては適用外となりました。ならば誰のための法律だ?違った意味で議論が紛糾しました。抜けない宝刀ならば意味がありません。

3.団体規制法

オウム真理教を裁くために作ったとも言われるのが、

無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律(略称:団体規制法)です。

オウム新法などとも呼ばれています。

実際に対象となったのはいくつかの宗教団体のみです。ただし当該団体が殺人などを実行した場合にしか使えません。そのため準備段階では適用できないのが難点です。

4.組織犯罪処罰法

2000年に施行されたのが、

組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(略称:組織犯罪処罰法)です。

今回の「共謀罪」と関係する法律です。

ただし同法が定義する団体とは

「継続的結合体」であり何らかの行為を「反復して行われる」こと

としています。
つまり新しい団体には適応できない?しかし法律は解釈です。現法でも十分に対応できるとの説も有力です。

5.刑法

そもそも犯罪行為であれば刑法は使えないのでしょうか。ただし刑法の考え方は、温情的です。人権を尊重するのでしょうか。

例えば同法201条(予備)では、殺人を

「犯す目的で、その予備をした者は、二年以下の懲役に処する。ただし、情状により、その刑を免除することができる」

と定めています。

また同法43条(未遂減免)では

「犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる。ただし、自己の意思により犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する」

実に温情的です。

これでは重大犯罪に対峙することは難しいのかもしれません。だから新しい法律?時代に合わせるべきですが、法律の乱立は避けるべきです。

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対象となる団体とは

「共謀罪」が対象とする団体とは、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。

1.暴力団

集団で犯罪を企んでいる組織?第一に思い浮かぶのが暴力団などの反社会的組織です。実際に拳銃を街中で撃ち合うなど殺し合いをしています。住民にとっては迷惑な人達です。

みかじめ料など庶民に対する圧力もありますが、一般人においてはそれほど脅威ではないでしょう。また暴力団が政府を狙ったり、無差別テロを起こすとは考えにくいですね。

2.振り込み詐欺集団

組織犯罪という点で昨今問題になるのが振り込め詐欺集団です。実際にどれほどの数があるかわかっていません。年々被害金額が増えているのも不気味です。弱者を狙う点では悪質です。早急に壊滅させるべきです。

ただしこちらも経済的な問題です。直接危害を加えるケースはありません。一部には外国人が関与している?マネーロンダリングの温床!との話もありますが「共謀罪」とは違った法律で対処すべきでしょう。

3.自称宗教団体

最も現実的な対象は自称宗教団体です。元々は健全な組織なのでしょうが、どこかでタガが外れると?猪突猛進してしまいます。つまり信者は教祖を絶対的に信じているからです。自爆テロも躊躇わないでしょう。

宗教団体が政治に関与し始めたら危険?オウム真理教の事例があります。そもそも宗教は平和を求めるための思想です。だから宗教団体は税金も免除されています。信教の自由は保証されるべきですが、政教分離を徹底する方が先でしょう。

4.大学の怪しいサークル

議論にも上がっていますが、大学のサークルなど、集団で女性を襲う計画を企てたら「共謀罪」に該当するのか?妄想するだけなら問題ないでしょう。そうでないと、逮捕されてしまう男性は少なくないからです。

5.時の権力者

時の権力者である内閣や与党に「共謀罪」は適用されないのでしょうか?三権分立が成り立っている社会であれば、裁判所が内閣の暴走を制止してくれるはずです。とはいえ今の政府も裁判所の判決に従わない?1票の格差はどうなっているのか?

政府が組織的に特定の団体や人物を標的にしたらどうなるか?それこそ治安維持法の復活です。赤狩り!いわゆる「政治犯」とされてしまったら、問答無用で連れ去られてしまうでしょう。野党が追及するのは、そうした過去?があるからです。

6.某国の工作員集団

気になるのは某国が組織する工作員集団です。日本の現状を鑑みれば、こちらが喫緊の課題かもしれません。日本人が新たに拉致されるリスク、重要人物が来日した際の警備にも関係するからです。手段を選ばず、かつ潔く犯行声明を出さない人たちは不気味です。

また世界情勢を鑑みれば、一部の狂信的な戦闘集団があります。日本人を誘拐して身代金を要求することもあります。日本に潜入して自爆テロを敢行する?日本を観光して帰ってくれることを祈りますが。

7.居酒屋談義は大丈夫なのか

野党などが例に挙げているのが居酒屋談義です。つまり酔った人達が、首相を殺そう!などと盛り上がっていたら、それも「共謀罪」に該当するのでしょうか。もちろん知らない人が耳にすれば怖いですね。そんな内通があったらどうなるか。

どう考えても対象とはならないでしょう。よほど政権が独裁的になっていない限り、ハニートラップであっても法律の適用は難しいですね。つまり話しているだけでは問題なく、何らかの具体的な凶器を準備することが「共謀罪」の前提になるからです。

日本は身内主義が守っている

本当に現段階で「共謀罪」が必要なのか?賛否の分かれる部分です。国際条約に参加するため?これも言い訳に聞こえます。実際に未加入の現在でも、日本は世界で最も安全な国と思えるからです。

もちろん2020年の東京オリンピックに向けて、テロに備える必要はあります。ただし日本が安全である理由は、変な身内主義?外国人をよそ者と考える偏見があるからなのかもしれません。

すなわち今以上に個々人が自分勝手に振る舞い、他人への無関心が広がるなら「共謀罪」が必要になるのでしょう。問われているのは、国民一人ひとりの意識です。

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