スポンサーリンク

子供が欲しいけどできないカップルは少なくないようです。
夫婦10組に1組は不妊に悩んでいるとか。
もちろん女性だけに責任があるわけではありません。
最近では男性の不妊事例が増えています。

そんな中、究極の不妊治療とも言えるのが子宮移植です。

他人の子宮を借りて子供を育て出産する手法です。

技術的には確立しており成功例もあるとか。
とはいえどこまで不妊治療は進むのか、まさしく神の領域に近づいているようです。

不妊治療とは

不妊治療とは、その名の通り、子供が生まれるようにするための医療技術です。

それを治療と呼ぶのか?ここでも議論があるでしょう。

つまり治療とは、病気を治すことだからです。

とはいえ不妊症?これは病気になるのか?
難しい判断です。

不妊治療には様々な方法があります

体外受精

既に多くの子供が生まれている実績ある不妊治療には体外受精があります。
かつては試験管ベビーとも称されました。
しかし今では学校のクラスに1人はいる計算だとか。
それだけ当たり前になっている技術です。

第三者による精子・卵子提供

一方で当該夫婦以外の協力を得る方法もあります。
すなわち精子もしくは卵子を肉親もしくは第三者から提供してもらうタイプです。
さらに借り腹?代理出産もあります。
ただしこの場合「本当の親」は誰なのか?子供にとっても問題があります。

子宮移植

そしてついに来たのが子宮移植です。
当人の精子と卵子を使っているのであれば、正真正銘の我が子です。
お腹で胎児の動きも確認できます。
第三者がみても、親子ですね。
将来的には一般化するのでしょうか。

子宮移植とは何か

俄かには信じがたい、納得しがたい人もいるでしょう。
とはいえ研究は地道に進んでいるようです。
日本では慶応大学が実施に向け準備を始めています。

1.子宮移植の流れは如何に

話だけなら簡単です。
基本的な流れを概観してみましょう。

子宮移植をする対象者を選ぶ

まずは対象者を選びます。
当該夫婦の精子と卵に問題がなければ、体外受精させて受精卵を保存しておきます。

子宮移植の実施

ついで提供された子宮を移植します。
ただし異物です。
他の臓器移植と同様に拒絶反応が起きます。
そのため免疫抑制剤を投与します。
それが落ち着くまで待ちます。

受精卵の移植

状態が安定したならば、数カ月から1年程度かかるようですが、保存してあった受精卵を子宮へ移植します。
それで妊娠が確認されれば、あとは経過観察です。

出産

通常と同じ妊娠期間を経て出産へ至りますが、原則として帝王切開をします。

子宮の摘出

さらに子供を望むなら、再度受精卵の採取を始めますが、必要がないと判断すれば、子宮を摘出します。

2.本来は先天的に子宮のない人が対象

子宮移植の対象者は、生まれつき子宮がない人です。
ロキタンスキー症候群と呼ばれています。

5000人に1人の割合で発症する病気だと言われますが、確率的には意外に多いような気もします。

さらに、がんなどで子宮を摘出した人も該当します。

もちろん不妊の原因は様々です。
大半は卵や精子に異常があったり、卵管がふさがれている、そうしたケースなので子宮移植の対象にはなりません。
とはいえ将来的には子宮に起因する流産や早産も含まれてくるのかもしれません。

なお生まれつき子宮がない女性は、思春期になっても月経がないので検査して判明するようですが、子供を産めない!そのコンプレックスから恋愛ができないと思い込んでしまいます。
悲しい現実です。
そうした人に対しては希望の光になる技術です。

3.借りる相手は肉親に限定?

技術はあっても誰から子宮を借りるのか?
こちらも重要な問題です。
他の臓器であっても簡単には提供者が現れないからです。

とはいえ心臓のように生きるために不可欠な臓器ではありません。

すなわち閉経後の女性であれば、誰でも候補者になるのでしょう。

子宮自体の老化はあるでしょうが、妊娠に耐えられないわけではないからです。
逆に出産経験が豊富な子宮は、信頼性が高そうです。

ただし匿名の第三者から借りる?
様々な意味で双方にとってリスクがありそうです。
ならば子宮摘出を申し出てくれる善意の市民はいるのでしょうか。
そこで現状では、当該女性の母親もしくは親族に限定されるようです。
将来的には登録ボランティア制度なども確立されるのでしょう。

スポンサーリンク

子宮移植の問題点

子宮移植は既に成功例があります。
技術的にも確立しています。
とはいえいくつかの問題点があるのも事実です。

1.技術的課題:免疫抑制剤を投与し続ける

技術的な問題点として、あくまでも他者の臓器です。
必然的に拒絶反応が起きます。
そのため子宮が体内にある間は、妊娠期間中を含めて、免疫抑制剤を投与し続ける必要があります。
それによる弊害は本当にないのか?
100%安全とは言えないでしょう。

スウェーデンでは既に5児の出産例があるようです。
とはいえ最初のケースが2014年なのでまだ3歳です。

  • その子が将来的にどうなるか?
  • 病気に罹りやすいのか?
  • それがわからない状況のまま事例を重ねてよいのか?

難しい判断です。

2.物理的課題:誰から借りるのか

誰から借りるのか?

言い換えると子宮を提供する人はいるのでしょうか。

もちろん他の臓器と同様に、脳死した人から提供してもらう方法があります。
とはいえ縁起でもない?
抵抗感はありそうです。
しかしまさしく生まれ変わり!
ポジティブに考えましょう。

子宮移植が治療法として確立すれば、ドナー登録制度が現れるでしょう。
ただし臓器売買などのビジネスにならないのか?
一方で姉妹だから!
そうした強制的な雰囲気が生まれないのでしょうか?
クリアすべき課題です。

3.法律的課題:現状では規制がない

臓器移植法という法律はありますが、これはあくまでも脳死者から臓器の提供を受ける場合の話です。
つまり脳死を死と認めていないグレーゾーンから生まれる議論です。
一方で子宮移植は、生きている人からもらいます。
そのため明文化された法律はありません。

一緒にしてはいけないのしょうが、当事者の問題という意味では、美容分野と同じです。
もちろん健康保険は使えませんが、だからこそお互いの信頼関係、同意があれば実施を拒む理由はありません。
そうした医師は少なからず登場するでしょう。
善意なのかビジネスなのか?

4.倫理的課題:健康体にメスを入れて良いのか

不妊治療に関しては倫理的な問題が必ず付いて回ります。
そもそも発生現象を人間がコントロールしてよいのか?
これは賛否両論あります。
とはいえ当事者にとっては切実な話です。
それでも生まれてくる子供のことを本当に考えているのか?

不妊治療という言い方も問題があるのでしょう。
上述したように、本当に「治療」なのか。
子供ができないという観点を除けば、健康体であるからです。
そこにメスを入れることに躊躇する産婦人科医もいます。

5.経済的課題:お金がかかります

現実面で考えれば、お金がかかります。
現状の不妊治療でも、経済的理由から断念するカップルが少なくないからです。
国や自治体が一部補助するケースもみられますが、あくまでも一部です。
逆に個人的な問題へ税金を投入することに異論を唱える人もいます。

ぼったくるクリニックは出てこないのか?
言い出したらきりはありません。
医師の善意に任せるしかないのでしょう。
少子化対策になりえるのか?
国民的議論も必要です。

子宮を作ることはできないのか

今流行りのiPS細胞で子宮は作れないのでしょうか。
もちろん研究の優先順位は低いでしょうが、可能性としてはありえるはずです。
万能と謳う細胞ならば、ニーズに対して応える必要性が将来的には出てくることが避けられません。

ちなみにマウスによる実験ですが、2016年6月に東京大学の研究チームが子宮の再生に成功したとか。
iPS細胞を使ったわけではありませんが、技術的にはできるようになりました。
倫理面やコスパなどを別にすれば、近い将来、実用化する医師が登場するのは必至です。

誰のための技術か

不妊で悩むカップルには朗報です。
とはいえ本当にそれが幸せなのでしょうか。
生まれてきた子供にとって問題はないのでしょうか。
不妊治療に関して他人が正義ぶって口を挟んではいけませんが、誰のための技術なのか?
実施の前には必ず問い直してほしいものです。

スポンサーリンク