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情報通信技術の進歩によって医療も大きく変わります。
今後期待されているのは遠隔医療です。

医師が近くにいない過疎地であっても、都会と同じような診察を受けられるようになります。
交通が不便な地域に住む高齢者にとっても朗報です。
在宅医療が変わります。

ただし技術進歩の裏には、解決すべき課題もあります。
メリットがあれば必ずデメリットもあります。
それらを総合して考えていく必要があるのは否めない現実です。
技術を生かすも殺すも、使い方次第です。

遠隔医療とは

遠隔医療を広義にとらえると、患者と医師が離れている状態で行われる医療行為全般を指します。
ただし現状では法的な問題があり積極的な治療行為は限定されます。
そのため

  • 相談
  • 診断
  • 見守り

の3つが遠隔医療の中心です。

1.相談

具体的にはどのようなことができるのでしょうか。

言い方に語弊があるかもしれませんが、簡単なレベルから考えると、まずは遠隔相談です。

例えば体調が悪い場合、
「救急車を呼ぶレベルか?」
悩むこともあります。

現在でも東京など一部の地域では#7119に電話することで簡単な相談ができます。
これがもっと専門的な見地からできるようになります。
映像を送ることで具体的な症状をチェックできます。
体温や心拍数なども総合した相談が可能になるでしょう。

2.診断

具体的なバイタルデータがあれば、医師が遠隔地にいても病気の診断が可能です。

個人宅と医療施設というパターンもありますが、医療機関同士でデータを共有することも可能です。
専門家の助言を受けやすくなるので、地方の医師でも安心して診断を下せます。

3.見守り

現在は軽症であっても突然何かが起きるかもしれません。
そういう意味で常に見守りをする機能も期待できます。

医療従事者に限らず、都会に住む子供が地方に住む親の状況をチェックすることも可能です。

地域の医療機関が定期的にテレビ電話を使い患者と会話することで異常を察知できます。
訪問が難しい地域でも医師とつながっている安心感があれば、患者さんの症状も安定するでしょう。
離島などでニーズが高まりそうです。

4.治療

現状の法律において服薬指導は対面で!
これが原則です。
そのため、ドラッグストアでも薬剤師がいないと買えない薬が多くあります。

つまり法律上の問題から遠隔治療は難しいようです。

なお一部の先進的な医療施設では、機器を遠隔操作した外科手術が行われています。
とはいえこれは例外です。

遠隔医療で得られるメリットとは

1.自宅で診察を受けられる

遠隔医療における最大のメリットは、患者さんが自宅にいて診察を受け、専門的な助言を受けられることです。

昨今問題になっているのは、地方における交通の不便さです。
高齢者が車を運転するとさまざまな意味で危険です。
それを最小限にとどめられるでしょう。

もちろん症状の急変にも対応してもらえます。
救急車が駆けつける間の応急処置を家族にお願いすることも可能です。
専門家に診てもらっているという安心感は、素人に余裕を与えてくれます。
冷静な対応があれば助かる命は少なくありません。

2.専門医の不足を補える

現代医療の問題点として病理医の不足が挙げられます。
つまりがんなどの病理学的な判断ができる医師は限られているのが現状です。
そのため大病院であっても検体を別の医療施設へ送って診断してもらうケースが少なくありません。
すると時間のロスが生まれます。

データを専門家へ直接送れれば、すぐに判断してもらえます。
緊急事態にも対応できます。

専門医が不足している分野であっても詳しい診察を受けられます。

患者さんの回復スピードも速まるでしょう。

3.異変をすぐに知らせられる

在宅医療をしている患者さんの様態が急変した場合、データがつながっていれば、すぐに担当医へ知らせられます
逆に医師が先に発見し、家族へ連絡することも可能になるでしょう。

血糖値や血圧などのデータを定期的に送る体制が整っていれば、素人では見過ごしてしまうような変化を察知できます。
デジタルデータにすれば医療施設側でも多分野の専門家がチェックできるようになるので、症状の見落としも減るでしょう。

4.早期発見につながる

失礼な言い方ではありますが、いわゆるかかりつけ医では発見できない病気もあります。
テレビの健康番組で多々見られますが、原因不明の病気を診断してくれるスーパードクターは数が限られます。

とはいえ遠隔医療が進めば、病気の原因究明も容易になるでしょう。

さらに健康診断のデータを総合し人工知能(AI)なども援用すれば、隠れた病気を早期に発見できます
有効な治療法の助言も可能になるでしょう。
医療の根本概念が変わるかもしれません。

5.効率的な医療になる

昨今問題視されているのは、
「3時間待っても3分しか診てもらえない!」
非効率的な医療です。

とはいえ遠隔医療によって専門医の指導を受けられれば、その助言を元に、近くの診療所で通院もしくは入院することも可能です。

少数の専門医で多くの患者さんをカバーできます。

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克服すべきデメリットや課題は何か

1.症状を見落とすこともある

画像や映像の提供を受けますが、それでも症状を見落とすことはあります。
データの欠損見間違いが出てくる可能性も否めません。
またデータにこだわりすぎると、本当のことが見えないことも珍しくありません。
画面上から顔色の違いをどこまでチェックできるのか?
課題もあります。

2.直接触れることこそが医療

医療の根本は、対面診察です。
直接触れることによってわかる異常もあります。
逆に医師と直接会話することで患者さんの様態も安定します。
こちらも指摘されるのは、パソコン画面ばかり見続ける医者の存在です。

一部の医療施設では遠隔操作で手術する事例もありますが、在宅患者さんを遠隔で治療できません。
あくまでも診断と指導です。
こうした問題をどう解決するかが急務です。
法的な対応も求められます。

3.ケア要員に負担を強いる

遠隔医療が進めば地方の医師不足に対応できるでしょう。
とはいえ逆に現場で働くケア要員が必要でしょう。
看護師や介護士のニーズが高まるかもしれません。
地域の有資格者を活用する方法もありますが、労働面の負担はないでしょうか。

広い地域をひとりで担当すれば、現在の流通業が抱える課題の再来もありえます。
ここでもコンビニエンスストア業界が参入するのか?
事前に策を考えておくべきでしょう。
さらに言えば、患者さんと直接相対する看護師さんの責任が重くなるかもしれません。

4.患者が機器を誤操作する

将来的には在宅の患者さんが直接機器を操作することになるのでしょう。
すると誤操作するリスクも生まれます。
病気の人が正しく行えるか、疑問もあります。
患者が意図的に間違ったデータを送信する可能性もゼロではありません。

すなわち素人判断が増えることも想定されます。
薬の飲み忘れは現在でもあることです。
そうしたことを遠隔医療で防げるのか?
監視しすぎるとプライバシーの侵害ですが、チェック体制が甘いと意味がありません。

5.個人情報がもれる

遠隔医療では必然的にデータのやりとりがあります。
そこで問題なのは、個人情報が漏れないか?
健康状態は究極の個人情報です。
また正しい値が送られて来なければ誤診にもつながりかねません。

企業や個人におけるメールの誤送信は日常茶飯事です。
違う患者さんにデータを送った?
薬の情報を間違えた!
大病院でも起きていることもAIだからこそ防げるのか?
エラーチェックできる体制を築くべきです。

効果的な運用が求められます

高齢者が過疎地に、一方で医療施設は都市部に集中する現実があります。
その対策として遠隔医療は効果的に運用されるべきです。
ポジティブに考えるべきですが、デメリットにも注意すべきでしょう。
つまり課題を克服すれば、それは明るい未来への入り口でもあるからです。

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