スポンサーリンク

2017年6月2日アメリカのトランプ大統領がパリ協定からの離脱を宣言しました。
二酸化炭素のNo.2排出国であるアメリカが抜けることでどんなことが起きるのか。
たとえばその日、アメリカと日本で株価が上がったのは偶然でしょうか。
離脱表明から導き出せるメリットとデメリット、日本に与える影響をまとめます。

パリ協定とは

パリ協定とは、2020年以降における地球温暖化対策をまとめた国際的な取り決めです。2015年12月、テロ直後のパリで開催した第21回国連気候変動枠組み条約締約国会議、いわゆるCOP21で採択されました。同発効は翌2016年11月です。

具体的な取り決め内容は次の通りです。

  • 21世紀後半に二酸化炭素などの温室効果ガスの排出を実質的にゼロとする
  • 産業革命前と比較した気温上昇を2度未満に抑えると同時に1.5度未満を目指す
  • 締約国すべてが5年ごとに削減目標を見直す

1997年にも同じような取り決めをしました。それが京都議定書と呼ばれるものです。とはいえ当時は先進国だけ義務付けしました。つまり中国は除外されています。そのためアメリカは参加せず、結果的に成功しませんでした。

この教訓を得てパリ協定は、事実上すべての国が参加できるように緩い条件としています。「実質的にゼロ」「目指す」「5年」「見直す」曖昧な言葉の羅列です。そのため本当に効力があるのか?疑問視する専門家も少なくありません。

アメリカがパリ協定離脱を決めた理由は

アメリカがパリ協定から離脱する、トランプ大統領が決断した理由は何でしょうか。単なる気まぐれや自分勝手な発言ではなさそうです。

1.選挙公約だった

パリ協定からの離脱は、トランプ大統領の選挙公約でした。つまり支持母体は、移民や新興国によって仕事を奪われている人たちです。アメリカファースト、まずアメリカの利益を優先する!おかげで当選したのです。公約を簡単に忘れるどこかの政治家よりも信頼できます。

ただし今日言って明日離脱はできません。パリ協定は発効後4年経過しないと離脱できないからです。具体的には2016年11月に発効したので3年後の2019年11月に離脱が可能となり、正式に認められるのは翌2020年11月です。偶然でしょうか?その時にアメリカ大統領選挙が行われます。

もちろんとりあえず離脱表明し、後から発言を撤回する?十分にあり得る話です。実際に再交渉をしたいとも主要国へ伝えています。アメリカにとって好条件を引き出す!トランプ大統領は有能なビジネスマンです。駆け引きは常用手段です。

2.アメリカはそういう国だ

TPP(環太平洋パートナーシップ協定)もそうでした。アメリカは積極的に取り組んだけど、離脱します。麻生財務大臣も発言しています。国際連盟を作ったのはアメリカ、しかしアメリカは参加しなかった。そういう国です。深く考えてはいけないのでしょう。

大国のエゴとも言えます。だれもアメリカには逆らえないからです。ロシアや中国も、これまでに国連の決議に対して拒否権を行使してきました。だから表立ってアメリカを非難できません。

3.離脱イコール環境破壊?ではない

報道を見聞きする際に注意してもらいたいのは、離脱イコール環境破壊?ではないことです。パリ協定がアメリカの利益にならない!不公平な協定だから辞めるだけであり、環境破壊を進めると言ってはいません。

トランプ大統領は科学を軽視している?環境関連予算を削減したと言われます。とはいえ二酸化炭素排出を抑制する技術開発は続けます。この辺は正しく報道すべきでしょう。感情論で動くことこそ非科学的です。

そもそもアメリカの企業が黙っていません。自動車会社などが率先して電気自動車、燃料電池などの開発を続けています。もちろん燃費を偽る会社もありますが、それこそ企業の焦りと言ってもよいのでしょう。

スポンサーリンク

アメリカのパリ協定離脱は日本へのよい影響はあるのか

アメリカがパリ協定から離脱することは悪いことでしょうか。メリットはないのでしょうか。日本に与えるよい影響について客観的に考えてみる必要はありそうです。

1.日本の経済には追い風となる

第一に言えることは、日本経済にとっては追い風です。トランプ大統領が離脱表明した当日、アメリカと日本の株価が上昇しました。もちろんアメリカの経済指標が良かった?表向きの理由はあります。とはいえ日本は待ち望んだ2万円台へ達しました。偶然でしょうか。

離脱イコール二酸化炭素を排出し続ける?ではありません。環境関連技術の開発は続けます。同時に石炭などの産業も盛んにします。経済を活性化させる方向へ進みます。その流れが日本にも及んでくるでしょう。

2020年の東京オリンピック後は、日本に大不況が来ると予測されています。ちょうどその年にアメリカ大統領選が行われてトランプ氏が再選され、パリ協定離脱!日本経済への追い風となるか?その時に日本の政治家がどう判断できるかが重要ですね。

2.日本が主導的立場になる

アメリカは技術大国ですが、日本も負けてはいません。環境問題の解決に関して日本が主導的立場になれます。日本の仕様を国際基準にもできます。この分野は早い者、シェアを取った者勝ちです。アメリカのいない間に日本が抜け出すチャンスです。

3.考え直すきっかけになる

珍説や暴論もありますが、地球温暖化に関して、本当にそうなのか?考え直すきっかけになるでしょう。気温上昇と二酸化炭素排出量のデータは相関しています。とはいえ因果関係は別問題です。地球レベルで考えると、今は氷河期が終わり温かくなる時期と一致しています。地球の「意思」に反する方が人間のエゴ?環境破壊なのかもしれません。
参考「地球温暖化に関する3つの誤解?本当に解決すべきなのか

日本への悪い影響はあるのか

楽観視ばかりもできません。日本に対する悪い影響もありそうです。この点は慎重に対応すべきでしょう。

1.日本は板挟みになる

今アメリカと一番仲のよい国はどこでしょうか。ロシアとは怪しいスキャンダルが勃発しています。中国とは北朝鮮問題で微妙な関係があります。そしてイギリスともぎくしゃくしています。とはいえ安倍首相とは緊密な間柄にありそうです。

アジアの小国ですが、日米同盟という強いきずながあります。個人的なパイプもあるので、トランプ大統領を唯一説得できる?先のイタリアで開かれたG7(先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議)でも、安倍首相が各国との仲介役を務めたとか。

とはいえそれがあだとなり、日本は板挟みになるかもしれません。結局日本はアメリカに何も言えないのか?八方美人的な外交をしていると、世界中からそっぽを向かれてしまう可能性もあります。日本の弱点である外交力がさらに問われることになるでしょう。

2.他国が追随する可能性もある

今回の問題で一番心配されるのは、他国が追随する可能性を秘めていることです。パリ協定は事実上すべての国が参加しています。そのために緩い条件にしています。とはいえ既にニカラグアとシリアが参加していません。

アメリカの二酸化炭素排出量は世界全体の16%を占めています。そこが抜ければ、パリ協定の意義が揺らぐ危険性は否めません。もちろん小さい国が離脱しても全体に対する影響はありません。しかしちりも積もれば山となります。小国が集まれば、大国と同じことです。

離脱ドミノが進めば、日本国内でも賛否両論が起きるでしょう。ばか正直に日本が参加する必要はない?事実上、原子力発電が使えない日本の現状において火力発電を止めることはできません。日本も一緒になって離脱する案もありそうです。

3.中国の主導が強まる

アメリカが抜けて喜んでいる国?お隣の中国かもしれません。中国は世界全体に占める28%の二酸化炭素を排出しています。一番の大国です。現状において中国は、国際的な責任を果たす!表明しています。豹変(ひょうへん)しないことを望みますが、こちらもくせ者ではあります。

大量排出国であるが故に、中国の動向がカギを握るでしょう。だからこそ中国優位な協定にならないか?中国が離脱をちらつかせば、協定の存続が危ぶまれます。中国も駆け引き、外交が得意な国です。アメリカというお友達がいなくなった日本は、仲間外れにされるかもしれません。

守れない約束をすべきではない

個人的な話でも同じことですが、守れない約束をすべきではないでしょう。ムリを通せば京都議定書の繰り返しです。

アメリカの言いなりになってはいけませんが、だれもが守れる約束をするべきです。パリ協定も、本当に世界各国が実行できるのか?テロや自然災害を理由に達成できなかったと言わないか?結果的に離脱したアメリカが正しかったことになるかもしれません。

スポンサーリンク