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2017年7月1日から飛行機へのリチウムイオン電池の預け入れ規定が変わりました。以前からも規制があったので、改まった報道はほとんどありません。しかし違反者には罰金が科されます。

もちろん一般の人が持っている普通のスマホやパソコンなどであればほぼ問題はありません。ただし万が一の事態に備えましょう。空港でトラブルにならないよう、今一度確認しておくべきです。

規制の経緯

1.リチウムイオン電池搭載の機器が増えている

スマホやタブレット、ノートパソコンなど電源コードを必要としない携帯機器が増えています。これらには充電されたバッテリーが積まれています。そこにエネルギーが蓄えられているため持ち運びが便利、どこでも使えるようになりました。ここで用いられているのがリチウムイオン電池です。

2.リチウムイオン電池は発火しやすい

リチウムイオン電池とは、リチウムイオンを利用して充放電ができる二次電池です。具体的なメリットは、高い電圧が得られる、寿命が長い、急速充電ができる、などです。一方で過充電や衝撃により発火しやすいリスクが知られています。
参考「リチウムイオン電池とは何か?なぜ問題視されないのか

実際にサムスン製のスマホで何度かトラブルを起こしていますし、それ以前もノートパソコンのバッテリーを回収する騒ぎがありました。さらにボーイング787本体で使われていた電池でも発火事故がありました。ただし詳しい原因は不明です。だからこそ心配なのです。

3.ICAOが運送禁止を公表

飛行機の上で火災が起きたら終わりです。そのため国際民間航空機関ICAOは2016年2月22日「旅客機における貨物室内でのリチウムイオンバッテリーの運送を禁止」する旨を公表しました。これは同年4月1日から実施されています。

ただし2018年までの暫定措置と言われています。つまりそれまでに安全なバッテリーの運送方法を考えることになったからです。

4.国土交通省がパブリックコメント

国土交通省は2017年6月9日にパブリックコメントを求めました。これはICAOが新たな基準を7月1日から適用することにしたからです。それに対して国民から意見を求めました。

同基準の具体的な内容は、リチウムイオン電池を内蔵した機器を預入荷物へ入れる際、電源オフが義務付けられます。スリープモードはいけません。またスイッチが入ったり誤作動しないように衣類などでショックを和らげるような梱包をし、かつ頑丈なスーツケースに入れるべし!
「航空機による爆発物等の輸送基準等を定める告示」の一部改正について|国土交通省

とはいえどこまで梱包すればよいのか?明確な方法は示されていません。この点は少し混乱のあるところです。万が一事故が発生した場合、どちらの責任になるのか?難しいでしょう。

5.成田空港からのアナウンス

成田空港のウェブサイトには、携帯電話やスマホ、デジカメなどに使われているリチウムイオン電池の持ち込みに関するアナウンスが掲示されています。
携帯電話やデジタルカメラなどのバッテリー類の航空機内持ち込み、お預け入れについて | 成田国際空港公式WEBサイト

たとえば電子機器本体に搭載されているバッテリーはワット時定格量160Wh以下であれば、機内持ち込みも預け入れもOKです。しかし160Whを超えたものは、いずれも禁止です。

また予備バッテリーに関しては、機内持ち込みにおいてのみ160Wh以下は1人2個まで可能です。しかし予備を預入荷物にいれてはいけません。

6.違反すると50万円以下の罰金です

この規則に違反するとどうなるか?もちろん火事などが発生すれば、莫大な損害賠償請求をされる可能性はあります。また何らのトラブルがなくても見つかった場合には、航空法施行規則第164条の15(安全阻害行為等の禁止)により50万円以下の罰金が科されます。

ワット時定格量160Whの意味とは

持込制限に関して、ワット時定格量160Wh以下とあります。とはいえどんな意味がある数字なのでしょうか。ただし一般的に使っているスマホや携帯電話、タブレットやノートパソコンに搭載されている電池の場合は問題ないでしょう。

それでも空港カウンターでトラブルがあると心配です。具体的な計算方法を知っておきましょう。まずWhとは1時間(hour)当たりの電力量(Watt)を意味します。
そして、Wh=V(電圧)×Ah(電流容量) が基本的な公式です。

手元にスマホやパソコンがあれば、電池パックの表示を見ましょう。私が使っている時代遅れのガラケーは3.8V、830mAhとの表示があります。前者が電圧であり、後者が電流容量です。ここで1000mAh=1Ahなので、830mAh=0.83Ahです。
つまりワット時定格量(Wh)は、3.8×0.83=3.154
10Whにも満たないので、まったく問題ありません。

また私が使用しているノートパソコンの場合、10.8V、5200mAh、56Whと記載されていました。こちらは計算された数値も示されています。10.8×5.2=56.16です。100Whを超えていないのでOKです。つまり普通の人はまず関係ありません。

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具体的にはどんな対策をすべきなのか

小容量のバッテリーであっても預入荷物へ入れる場合には注意が必要です。万が一にでも発火事故が起きればパニックは必至です。メーカーによる誤製造の可能性もあるからです。

1.予備のバッテリーを持たない

長期の旅行や出張であっても、予備のバッテリーは持たないことです。下手に隠し持っているとカウンターや検査で没収されます。意味がありません。どうしても必要であれば現地調達しましょう。もしくは充電器を準備した方が安全です。

ただし海外であれば電圧が違います。もちろんコンセントの穴も違っているでしょう。事前に旅行会社などと相談しましょう。滞在先のホテルに変圧器があれば借りることができます。電圧が違うと、スマホなどは確実に壊れます。

2.電源を切る

基本は電源を切ることです。スリープモードではいけません。つまり何らかのショックでオンになると困るからです。完全に電源が切れていることを確認しましょう。ロック機能があれば、それも利用しましょう。念には念を入れるべきです。

3.衣類などで保護する

電源がオフになっていても、何らかの衝撃でオンになることもあります。そのためバッテリーや携帯端末は衣類やタオルなどで包みましょう。とはいえ明確な基準はありません。

絶対的な方法はありませんがバスタオルでぐるぐる巻きにするのがベターでしょう。ただし化学繊維や絹、ウールは止めましょう。摩擦で静電気が発生する可能性もあります。綿タオルや麻製品がおすすめです。

4.頑丈なスーツケースに入れる

皆さんご存知でしょうが、飛行機の預入荷物は雑に扱われます。特に国際線であれば、壊れない方が不思議なくらいです。それだけの衝撃があります。そのため頑丈なスーツケースに入れておきましょう。

飛行機は高高度を通るため、貨物室の温度は冷蔵庫並みの低温です。そのため自然発火する可能性は低いでしょう。ただし最近はペットを預けたりできるので10度以上の温度設定の場合もありえます。

5.機内持込手荷物にする

手荷物として搭乗者が持参することは可能です。そのため予備がどうしても必要であれば、持ち込み荷物に入れましょう。本人が常時持っていれば、万が一のトラブルが起きても対処可能だからです。

できれば上の棚などに入れず、手元に起きましょう。バッテリーが発熱した時など、直ぐにわかるからです。

今後も規制は増えるのか

便利の裏にはリスクもあります。飛行機ならテロが心配です。今後も荷物チェックは厳しくなるでしょう。金属探知機に反応しない民生品を使った爆弾が簡単に作れます。そのためアメリカのトランプ大統領は、飛行機内へのパソコン類の持ち込み規制を行っています。

もちろん規制をするからには、その理由を説明すべきでしょう。とはいえすべての裏を見せすぎると、不安を煽ったり、それが悪用される場合もあります。両刃の剣です。結局は一人ひとりが正しい知識を持つこと、それが無駄な規制をなくすことにつながります。

一般の人はほとんど関係ありません

特別な報道がない理由は、一般の人ならばほぼ問題がないからです。無用な通知をすると逆にトラブルが起きやすいのかもしれません。とはいえ言うべきことを言わないと、後々何かがあると心配です。

通常の生活であっても、リチウムイオン電池にはリスクがあります。今一度注意しましょう。スマホを落とす人も多いですが、精密機械です、大切に扱ってあげましょう。

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