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気づいていない人も多いでしょうが、2016年4月3日に、
放射線医療総合研究所と日本原子力研究開発機構の一部が、
統合して量子科学技術研究開発機構が発足しました。
どちらも公的な研究機関、国立研究開発法人です。
税金の節約という意味では、効率化を目指して欲しいですね。
とはいえ期待される統合の効果があるようです。

放射線医学総合研究所とは

まず放射線医学総合研究所とは、どんな機関でしょうか。
1957年に創立し、名前の通り放射線の研究をしてきました。
研究の柱として、
1.重粒子線を用いたがん研究を主体とした放射線の医学的利用
2.万が一に備える放射線の安全および緊急被曝対策、です。
千葉県千葉市稲毛区に位置し、
がんの放射線医療に特化した病院もあります。

日本原子力研究開発機構とは

次に日本原子力研究開発機構も、調べてみましょう。
元々は1956年に発足した日本原子力研究所と
後の核燃料サイクル開発機構であり1956年に発足した原子燃料公社、
両者が、2005年に統合して発足しました。
本部は茨城県東海村にあり、
日本で唯一の原子力に関する研究開発機構とされています。

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期待されることは何か

両機関が統合することにより期待されることは、
具体的に、どんなことがあるのでしょうか。

1.がんの重粒子線治療

第一の期待は、重粒子線を用いたがんの放射線治療が進むことです。
これまでも放射線治療は行われてきました。
しかし正常細胞までも叩いてしまうので、副作用がありました。
もちろん使用する放射線の種類によって得意不得意はあります。
とはいえ炭素、ネオン、アルゴンなどを使った重粒子線を用いることで
これまでは難しかった早期肺がん、肝がん、骨の腫瘍の一部に対し、
有効であることが確認されています。
また表面的な場所的精度のみならず患部の深さに関する精度も高まります。
すなわちがん細胞だけをピンポイントで狙えるので、
患者さんの負担も少なくなると期待されています。

2.アルツハイマー病の予防と治療

第二の期待は、アルツハイマー病の予防と治療です。
今後増えると考えられている認知症の原因への対処です。
つまりこれまでアルツハイマー病の検査は、問診が中心でした。
医者によって誤差?もちろん患者さんの個人差もあります。
初期状態で発見できれば進行を止めることができます。
しかし患者さんの抵抗もあり、難しかったのも事実です。
そこでポジトロン断層装置(PET)や磁気共鳴断層装置(MRI)
これら画像診断を効果的に行うことにより、
有害物質であるタウの蓄積具合を見出すことができる
ようになります。
客観的に早期発見ができると同時に、治療効果もわかりやすくなります。
こちらは患者さんや家族の負担が軽減されることが期待されます。

3.非破壊検査ができる

さらに産業界における期待もあります。それは非破壊検査です。
昨今はトンネル内の壁が崩落するなど公共施設における事故が多発しています。
これまでは作業員による目視、そしてハンマー検査が行われていました。
しかしトンネルの天井を逐一検査することは、時間とお金が罹ります。
もちろん安全には代えられませんが、効率的ではありません。
そこでレーザーや放射光の技術を用いることにより、
遠くから光を当てるだけで、劣化度が確認できるようになります。

作業員の負担が軽減される?コストも下がる!
何よりも利用者の安全が確保されることが期待されます。

統合した本当の理由は?

量子科学技術に関する国立研究開発法人の統合
と称する文書があります。
ここでは本当の?統合する理由が示されています。
つまり高速増殖原型炉「もんじゅ」の保守管理上の不備、
大強度陽子加速器施設内の放射性物質漏洩事故などを契機とする
日本原子力研究開発機構の組織・業務の抜本的に見直し!

とはいえ上記の期待が正しく実現することこそが、
今回の統合における成功と言えるのではないでしょうか。
組織の名前を変えるだけでは、何も解決しません。
そちらの効果がないことは、早期に気づいてほしいですね。

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