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2016年11月8日未明、福岡県博多で信じられない事故が起きました。駅前のメインストリートが30メートル四方にわたって陥没!下水や地下水が流れ出て池のような大きい水溜りができました。

地下鉄工事が原因と考えられていますが、安全管理に問題はなかったか?慎重な捜査が求められます。岩盤を掘削していたようですが、岩盤?名前に誤魔化されてはいけません。岩盤が固いとは限らないからです。

とはいえ復旧工事も迅速です。14日現在、既にライフラインがほぼ回復しました。通行も翌日までには可能となるようです。いずれにしろ日本の科学技術は凄い!過信してもいけませんが、崩落事故はどこでも起こりうる話です。他人事とは思わず、調査結果を待ちましょう。

岩盤とは

岩盤とは何か?文字通り、岩石で構成される自然地盤と定義されています。では岩石とは何か?様々な鉱物の集合体ですが不連続面を含まない石の塊、つまり亀裂が入りそうな筋や境界面のない、いわゆる一枚岩をイメージしてもよさそうです。

1.火成岩

岩の基本になるのが火成岩です。地中にある熱いマグマが地表に出て冷え固まったものです。できかたによって火山岩と深成岩に分かれます。

火山岩は、急に地表へ現れて固まったものです。そのため中に含まれる結晶が十分に大きくならないので、細かい結晶でもある石基などがバラバラに存在しています。なお主な火山岩には、玄武岩、安山岩、流紋岩などあります。

一方で深成岩は、地中深くで徐々に冷えて固まったものです。そのため中に含まれる結晶が大きくなっており、ほぼ同じ大きさに揃っています。ちなみに主な深成岩には、斑糲岩、閃緑岩、花崗岩などがあります。

2.堆積岩

大元は火成岩ではありますが、長い年月の間、降り積もり、上からの圧力、または川の流れによって粒が細かく押し固められて作られたものです。

大きさによって分類されており、粒が2ミリ超のものを礫岩、1/16ミリ超のものを砂岩、それ以下を泥岩と呼びます。

他にも火山灰由来のものを凝灰岩、古代生物の死骸などが集まった石灰岩チャートなども堆積岩に含まれます。

3.変成岩

既に岩石としてあるものが、何らかの化学的もしくは物理的変化によって変化したものが変成岩です。例えばチャートからできた珪岩、石灰岩からできた大理石などが有名です。

地層とは

異なる種類の堆積岩が層状に積み重なっている状態を地層と呼びます。外見から明白に筋が見えることも稀ではありません。層の境を層理面と呼びますが、かつて水の流れた跡が残っていたりします。

なお地下水が溜まりやすいのは、キメが細かい地層である泥岩の上です。井戸を掘る際も、泥岩を探せば水が出てくる可能性があります。サバイバル雑学です。

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日本の都市はほとんどがかつて海でした

東京や大阪もそうですが、広島も、そして今回の博多も、主な都市部はかつて海でした。長い年月を経て自然河川による堆積作用、人間による埋め立て工事などを経て陸地として使われるようになっています。

海であったということは、砂地や小石で作られた地層が広がっていると想像されます。ならば杭を打ったとしても、どれだけの安定性を保てるのか?今回のケースでは、幸いなことに隣接するビルの基礎部分は頑丈でした。固い岩盤まで杭が刺さっているようです。

とはいえテレビで紹介される地層図を見る限り、今回の場所はギリギリ岩盤がある場所のようです。ちょっと先へ行けば、岩盤層が急速に下がっています。今作られている地下鉄は本当に安全なのか?東京など他の都市も他人事ではありません。

博多で起きた事故の特徴は

未だ詳細がわからない点もありますが、今回の事故にはいくつかの特徴があります。他の場所への教訓として、しっかり学んでいきたいですね。

1.粘土が固まった岩盤だった

岩盤を掘っていたという話ですが、そこに錯覚があったのかもしれません。つまり岩盤と聞くと、固い岩をイメージします。しかし今回の場所は専門的に言うと福岡層群と呼ばれる地層です。部分的にはボロボロ崩れる粘土の塊だったようです。

また理科の授業で習う地層は、真横に切られているパターンが多いかもしれません。とはいえ褶曲が起きれば地層は曲がるし、断層で断ち切られることもあります。今回の場所も、層が上下にうねっていたとか?場所によっては地下水がある上層と十分な距離が保てなかった可能性があるようです。

2.直上に地下水が溜まっていた

大きな下水管が通っていたこともありますが、陥没部分には大量の水が流れ込んでいました。一部は地下水だと推測されています。かつて海であったこともあり、地下水がけっこうな高さまで溜まっていたようです。

地下鉄工事は地下20~30メートルの場所で行われていたようです。地上との間に地下水層がありました。上述のようにちょっと脆い部分から地下水が抜けた?その抜けた空洞部分に、地上の土砂が落ちた!そして陥没!そうしたシナリオです。

ちなみに陥没部位に溜まった水を抜く作業をしていません。素人的には不思議です。とはいえ水を抜いても、地下水が上がってくるので無駄な作業になるようです。また水があることによって、周りの土砂を上から抑える力が働き、新たな崩落を防いでいたとか?

3.ナトム工法をなぜ選択したか

地下鉄やトンネル工事でよく耳にするのはシールド工法です。これは巨大な回転する掘削機が、岩盤を削っていく方法です。とはいえ今回の工事ではナトム工法が用いられていました。

ナトム工法とはNew Austrian Tunnelling Methodの略であり、名前の通りヨーロッパアルプスで開発された工法です。少しずつ岩盤を削り、同時にコンクリートで補強しながら進む方法です。低コストであり、穴の大きさを調整できることから選択されたようです。

とはいえ福岡層群は、水を多く含む軟らかい岩盤です。ナトム工法はNGだったのではないか?専門家から指摘があります。単に経費節減を狙ったのか?安全性を軽視していたのか?これも今後の論点になりそうです。

4.実は過去にも事故があった

福岡市営地下鉄の建設現場では、既に2回地下鉄工事に伴う崩落事故が起きていたようです。2000年6月と2014年10月です。当時の事故からどんな教訓を得て、安全対策に生かしていたのか。こちらも疑問が残っています。

だから予測されていた?地下で異常を感知してから直ぐに地上を通行止めしました。間一髪!大規模な崩落事故が起きたわりには、人的損害は皆無でした。不幸中の幸いです。過去の教訓が生かされたのでしょうか。素直にそう思いたいですね。

5.九州は復旧のスピードが速い

発生当初は、復旧の目途が立たない!絶望的に感じた人も多かったでしょう。しかし直接の現場を除けば、電気や水道などのライフラインは数日で復旧!1週間もたたない14日には通行も可能となるようです。こちらもびっくりです。ネットでも賞賛の嵐です。

ある専門家によれば、九州は災害復旧のスピードが速いとか。記憶に新しいのは2016年4月に起きた熊本地震後の対応です。また雲仙普賢岳や桜島、もちろん阿蘇山など火山による被害も日頃から多いです。台風も再三上陸します。そのため災害に慣れている?故に復旧対策が直ぐに行えるようです。

まさしく実践によって強くなる実例でしょう。とはいえそれを事前の予防策にも使えないのでしょうか。原因究明が第一ですが、調査結果次第では、今後の対応も変わりそうです。

原因究明が待たれます

大きな事故であったにも関わらず、人的被害はなし!復旧も速い!さすが日本!とはいえ偶然の積み重なりと言い換えることもできそうです。前回の教訓を学び、今回そして次回に生かす!地下鉄工事は続けるようですが、科学的かつ客観的な原因究明と安全第一でお願いしたいですね。

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