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アメリカでは、スペースX社などの民間企業が積極的に宇宙開発へ乗り出しています。火星移住計画なども現実味を帯びてきました。もはやアメリカ航空宇宙局NASAはアシスタント的存在に回っています。
参考「火星に向けた有人宇宙船をスペースX社が始めるようです

一方で日本はどうなのか。やはり宇宙航空研究開発機構JAXAが中心です。もちろんメインのロケットは三菱重工などのビッグカンパニーが担当していますが、一般国民にはあまりイメージがなさそうです。

そこで2016年11月9日、宇宙開発に関連する法案が参議院を通過しました。今後は民間による宇宙開発が進むと期待されます。

日本における宇宙開発の歴史

民間旅客機MRJに関してもそうですが、若い人たちは、なぜ日本は航空技術に関して後れをとっているのか?不思議に思うかもしれません。これだけの技術を持ちながら、なぜアメリカやロシア、そして中国にまで負けてしまうのか。

そこには第二次世界大戦後、空白の期間があるからです。すなわち1945年の敗戦直後、日本が有するすべての航空機が破壊され、航空関連企業もつぶされました。そして1952年のサンフランシスコ講和条約が発効するまでの約7年間、航空機に関するあらゆる研究がGHQによって禁止されていたのです。

たかが7年と思うかもしれませんが、航空産業にとって、この時期は重要です。つまりプロペラ機からジェット機へ、急速な転換が行われていたからです。1950年に勃発した朝鮮戦争では、ジェット戦闘機同士の空中戦が行われていました。

そんな中、小惑星にも名前が付けられている東京大学の糸川教授が、1955年にペンシルロケットの発射実験を開始しました。事実上、日本における最初のロケット実験と言われています。

紆余曲折を経て1970年、日本初の人工衛星「おおすみ」の打ち上げに成功します。アメリカは既に月面に到達していました。とはいえそこから日本が総力を発揮します。もはやロケットや人工衛星の中身は、日本の技術が満載です。
参考「三菱電機が2019年度までに月面探査機を造るそうです

あとは周辺整備さえ整えば、日本が下剋上を起こすことも可能です。

民間で宇宙開発を進めるべき理由

多くの人たちにとって宇宙開発は、あまり実感のない話でしょう。まさしくSFの小説や映画に止まっています。そもそもやる目的もわからない?では民間で宇宙開発を進めるべき理由について考えてみましょう。

1.効率よく開発が進む

日本にはJAXAがあります。既に多くの宇宙飛行士も輩出しています。戦車や戦闘機を製造している三菱重工と協力していますが、成功率の高い宇宙ロケットを開発しています。それだけで十分かもしれません。

とはいえ民間企業が主体的に開発を進めると、効率的に研究や実験が行われるようになります。国の補助金を目当てにしていると、どうしても採算を考えなくなってしまうようです。結果的に安くロケットを作っている海外の企業に負けてしまうのです。実際に国が顧客になる軍用機の値段は桁が違います。

宇宙開発は、良くも悪くも、今後どんどん進展する分野です。ロケットの部品を作る企業は、自動車以上に裾野が広くなります。国の経済発展を考えた場合でも宇宙開発は、優先してやるべき課題と考えられています。ならば民間中心にすべきでしょう。

2.税金を使わずに済む

開発効率の問題と関係しますが、民間が主体的になれば、税金を使わずに済みます。もちろん国や経済界の利益につながるのであれば、多少の補助金が投入されてもよいでしょう。とはいえ最小限度で済ませることができます。

基本的に金を出せば口も出す!そうした原理から、自由にやりたければ、国からのお金はいらない!そういう企業が増えてくるでしょう。例えば元ライブドア社長だった堀江貴文氏は、インターステラテクノロジズ株式会社を設立して既にロケット開発を進めています。そこに丸紅が2016年1月、業務提携を表明しました。

税金が投入されれば説明責任が生まれます。失敗した場合の責任者探しが始まります。とはいえそうしていると開発は進みません。企業がリスクをとって進める、そして利益が出れば、それを活用してさらに研究を続ける!よい循環になります。

3.欠点が見えてくる

民間の悪い面として、利益が出なければ止めてしまうでしょう。言い換えるなら、民間が主体的になれば、欠点が見えてきます。税金中心だと、止めるに止められないこともありますし、欠点を隠してしまうこともありがちです。原発関連などが代表的な話かもしれません。
参考「夢破れた「もんじゅ」の廃炉が決まる?

民間なら、止めるのもよいでしょう。逆に問題点があれば、それを早急に解決する。将来的な利益が見込めるならば、多少のリスクやコストは我慢して、さらなる改良が進むでしょう。そうした相乗効果が民間企業にはあります。科学技術に関しては、そうして飛躍的な技術革新の起きることが稀ではありません。

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民間による宇宙開発が進まなかった理由は

歴史的な経緯もありますが、日本で民間による宇宙開発が進まなかった理由は他にあるのでしょうか。

1.一番は資金難です

民間企業のメリットである一方、デメリットとしても働くのが資金面です。企業は道楽ではありません。利益が見込めない事業に投資はしません。もちろん利益があるとしても、億単位の費用を賄える企業は限られるでしょう。

テレビドラマでも注目された下町企業が集まって頑張れば、何とかなるかもしれません。とはいえ10年単位の投資を続けるには、国や自治体からの支援がないと難しいのも事実です。

しかし考えれば不可能はないのかもしれません。上述の堀江氏がテレビなどでも言っているのが、クラウドファンディングです。つまりネット上で不特定多数から資金を募る方法です。例えてみれば夢を買う?塵も積もれば山となる!自分ではできないけど、応援したい人は、世界中に多くいるのも事実です。

2.法的規制がある

TPPですったもんだしている国会ですが、2016年11月9日版日本経済新聞夕刊に「宇宙関連2法案成立へ」の見出しがありました。記事によると、民間企業が宇宙開発を進める上で求められる規制などを決めた法案が参議院で可決しました。

これまでは、宇宙開発は国がやるもの!だからまともな法律もなかったようです。加えて個人を含めた民間企業がロケットを打ち上げようとすれば、様々な法律が関わってきます。例えば燃やすので消防法、物を飛ばすなら航空法、電波を使うから電波法!その手続きだけで大変です。多くの場合は、前例がない!後回しにされてしまうからです。

今回の法案成立が民間企業の後押しをするか?微妙な点が残されていますが、少なくとも国が宇宙開発に関して門戸を開いた!そう解釈すべきなのでしょう。

3.やっぱり技術不足

たかが7年、されど7年です。空白の期間を埋めるのは難しいようです。それを端的に表すのが、MRJですね。もちろん日本は世界レベルの戦闘機や輸送機などを開発しています。なのに民間機をなぜ作れないのでしょうか。
参考「偏見を取り除こう!日本が独自に戦闘機を開発すべき理由とは

無責任な言い方ではありますが、軍用機は軍隊(日本は自衛隊です)が扱います。操縦者も乗員もプロです。墜落のリスクは想定済みです。しかし民間機は違います。まったくの素人?赤ちゃんも乗客になります。そういう意味では失敗ゼロが求められます。

そのため民間機としての製造許可を得るのが、意外に大変なのです。そう考えると、ボーイング787が未だ普通に飛んでいるのは、違和感を感じますが。世界の規制作りに日本が参加できなかったという点でも、空白の期間は大きかったようです。

宇宙ゴミをどうするか

今回成立した宇宙関連法案では、宇宙ゴミへの対策義務が盛り込まれています。つまり地球の周りは、人工衛星の破片や廃棄物などのゴミが漂っているからです。地球から観測できるものだけで2万個近くあるようです。今後はこれを増やさないような仕組みが求められます。

宇宙ゴミは極めて危険です。つまり秒速約8キロメートルのスピードで飛び回っているからです。それが人工衛星やロケットなどに当たれば、もちろん遊泳中の宇宙飛行士に当たれば、大変な事態が起きます。

宇宙ゴミの問題も、民間が参入すればビジネスに変わるのでしょう。そういう意味でも民間の力が今後も大切です。

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