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ノーベル賞ウィークが始まりました。今年は日本から大隅良典さんが出席します。ノーベル賞は科学者にとって大きな目標ですが、そもそもノーベルさんは何をした人か知っていますか?飴玉を作った人ではありませんよ。

そうです世紀の大発明とも言われるダイナマイトを作りました。ダイナマイトの中には、さらに発明技術が組み込まれています。そうして莫大な富を得たのです。とはいえダイナマイトとは何か?一般人が触れる物ではありませんが、考えてみたことはありますか。

アルフレッド・ノーベルとは

まずは発明家でありノーベル賞の設立者でもあるアルフレッド・ノーベルについてです。生まれは1833年、スウェーデンのストックホルム、父親も発明家だったとか。とはいえ生業は建築関係です。だから爆薬が身近にあったようです。

父親は何度か事業に失敗しますが、爆薬系の発明、製造で家族を養います。そうした環境がアルフレッドを目覚めさせたのでしょう。自身も爆発物の研究に没頭します。とはいえ爆発事故を起こし弟が死亡、本人も怪我をします。これが転機です。

ニトログリセリンの安定性を求め、1866年ダイナマイトに行き着いたようです。この発明により世界各国で特許を得て経済的に成功します。またスウェーデン王立アカデミーの会員になるなどの地位も高まりました。

もちろん晩年は当たり前のようにやってきます。1895年、ノーベル賞の設立を唱える遺書を残し、翌年12月、その生涯を終えました。ちなみに第1回のノーベル賞授賞式は、1901年に行われています。物理学賞は、X線で有名なレントゲン氏です。

ダイナマイトとは

ダイナマイトの名前は誰でも見聞きしたことがあるでしょう。ニトログリセリンを主成分とした爆薬の総称です。ただし一般社団法人火薬学会では、ニトロゲル(ブラスチングゼラチン)を6%以上含むものをダイナマイトと呼ぶ、そう定義しています。

基本的な構造は、ニトログリセリンを珪藻土またはオガクズなどの素材に浸み込ませて安定した状態を保ち、それを保護材で覆い、雷管を付け、導火線につないだものです。導火線があることにより、遠くからの操作が可能になっています。

なおニトログリセリンとは、心臓の病気である狭心症の治療薬としても使われる有機化合物です。1846年、人工合成に成功しました。毛細血管を拡張する作用がある一方で加熱や摩擦によって爆発しやすい化学薬品です。そのため水を混ぜて薄めるか、ゲル化して保存しなければならない超危険物質です。

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3つの発明がすごい

ダイナマイトの何がそんなに凄いのでしょうか。その中には3つの重要な発明が組み込まれているためです。大発明をする人は、何ががやっぱり違います。

1.珪藻土との出会い

上述のようにニトログリセリンは非常に危険な物質です。実際にノーベル自身がそれで事故を起こしています。この物質を安定的に扱えない限り、爆薬として安全に使うことはできないと考えられていました。

そこで、持っている人は違います。偶然が作用します。ノーベル賞を受賞する人も、意外と偶然や失敗に救われています。もちろんそれを活かす能力があるからこそ成功するのでしょう。つまりノーベルは、ニトログリセリンが珪藻土に浸み込み、結果として安定することを見出しました。

ちなみに珪藻土とは、堆積岩の一種であり、主成分は珪藻と呼ばれる藻類の一種、その殻、二酸化ケイ素です。特徴として、小さな穴があるため物質の吸収率が高く、軽い点です。日本でも建物の壁や漆器の一部として用いられることがあります。

2.ブラスチングゼラチン

珪藻土に浸み込ませるアイディアは安定性という面では良かったのですが、一方で主目的である爆発力が弱くなってしまいました。そこで試行錯誤を重ねた結果、ニトロゲル、もしくはブラスチングゼラチンと呼ばれる構造を作り出しました。

これはニトログリセリンではなく、繊維の一種であるセルロースと硝酸を混ぜた硝酸エステルを使います。着火すると激しく燃えます。これをゲル状、つまりゼリーのようにして扱いやすくしました。

なお詳細は危険が伴うためここでは書きません。あしからずご了承ください。もちろん安易にダイナマイトを作ろうとしてはいけません。家が吹っ飛びます。ご注意ください。

3.雷管

爆竹で遊んだ人も多いでしょうが、中国などではこれで死者が出たりしています。つまり導火線が短いですね。たまに火を点けた瞬間に爆発することもあります。規模が大きい爆薬だと、命の補償はありません。そこで作られたのが雷管です。

雷管の構造は、火薬を詰めた起爆装置ですが、現在では安全性を考慮して様々な仕組みが考案されています。雷管があることにより、適宜適切なタイミングでダイナマイトに点火できるようになりました。

原始的なものでは、長い導火線の先から雷管へ火を送ります。とはいえそれでは危険であったり雨の日は使えない?様々なトラブルの原因になります。そのため近年では、電気を利用した電気雷管が一般的になっています。

ダイナマイトの用途は

ダイナマイトは非常に危険なものですが、主な用途は何でしょうか。もちろんわかっているとは思いますが。一般的な人とは、ほとんど縁のないものです。

1.土木工事

ノーベルの父は、建築関係を生業としていました。そこから生まれたのがダイナマイトです。つまり土木作業に威力を発揮します。現在でもトンネル工事など固い岩盤をくりぬく場合には、ダイナマイトを使った発破が行われます。

最近はビルを壊す解体工事にも発破が用いられます。その際には、外側へ飛び散るような方法を使用せず、振動や音、衝撃をなるべく小さくする技術が工夫されています。

なお発破爆破は違います。発破は、あくまでも土木や学術目的で何かを破壊もしくは振動させることです。一方で爆破は、後述する軍事目的を含めて、何かを爆発させることです。

また火薬爆薬も定義が異なります。火薬はスターターとして、何かの反応を始めるために利用するものです。そして爆薬は、実際の破壊を目的にするものです。とはいえ一般的には、両用語が混同されて使われているようです。

2.軍事兵器

ノーベルがダイナマイトを発明したのは19世紀です。まだ大規模な世界戦争は行われていません。とはいえノーベルは予感していたようです。これが軍事兵器として使われるということを。逆にこれが抑止力となるのでは?かすかな期待も抱いていました。

しかし避けることはできなかったのでしょう。ノーベルの死後、日露戦争があり、2つの大きな世界大戦がありました。そして今でも多くの爆弾が毎日のように各地で炸裂しています。

ダイナマイトの発明以降、そこから各種の工夫が加えられ、多くの爆弾類が発明、製造されるようになりました。もちろんノーベルが発明しなくても、誰かが作っていたはずです。ノーベルのせいではありません。ただしノーベル賞は、平和に貢献した人に与える!一種の償い?そうした意味があるのかもしれません。

取り扱いには注意

現在では、ノーベルが発明したダイナマイトの原型を用いることはほとんどありません。とはいえ原理を作り出したことに大きな価値があります。それが特許であり、莫大な富をもたらしたのです。それを平和に使いたい!ノーベルの願いです。

どんなものでも使い方を間違えると凶器になります。包丁も車も、扱い方次第で、便利な物にもなります。そもそも人類が火を手に入れた時点で、すべてが動き始めてしまったのです。賢人と呼ばれるホモ・サピエンスであれば、取り扱いには注意しましょう。

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