スポンサーリンク

絶滅に瀕した動物がいたとします。それを救う技術もあるとします。ならば、積極的に人工的な方法によって絶滅危惧種を救うべきなのでしょうか。そうした行為は正当化されるのでしょうか。もちろん美談としては成立しそうです。

絶滅危惧種とは

絶滅危惧種とは、そのまま放置していれば近い将来絶滅するだろうと考えられる生物種のことです。各国の政府機関やNGOを会員とする国際的な自然保護団体である国際自然保護連合IUCNレッドリストを作って公表しています。

日本でも環境省が独自にレッドリストを作成しています。最近であれば、日本人の大好きなウナギやマグロが絶滅危惧種になる?そんな話がニュースを賑わせました。

なお下記ページでは絶滅危惧種の基準が示されています。とはいえあくまでも「推定」の域を超えません。そもそも野生動物の生態調査は簡単ではないからです。人間の目を上手くすり抜けている可能性は否めません。
環境省レッドリストカテゴリーと判定基準(2013.2)

もちろん本当に絶滅したのか?それを判断することは難しいでしょう。科学的に「いない」を証明することなど不可能だからです。

これまでも5回大量絶滅期がありました

何らかの種が絶滅する!子供時代に親しんでいた動植物がいなくなる?ちょっと悲しいかもしれません。とはいえ絶滅する理由は何でしょうか?人間が自然を破壊しているから?そんなイメージがありますね。

とはいえ地球上では、これまで5回の大量絶滅期があったと考えられています。それぞれが時代の画期となっています。

例えば第1回は4.4億年前、オルドビス紀とシルル紀の境です。第2回は3.6億年前デボン紀と石炭紀の境です。第3回は2.5億年前のペルム紀と三畳紀の境です。ここが古生代と中生代の境になり、半数の種が消えたと考えられています。

第4回は2.0億年前の三畳紀とジュラ紀の境です。ここから恐竜時代です。そして最後の第5回が、恐竜の絶滅!中生代と新生代の境にもなる6600万年前です。いずれも自然現象が原因と考えられますが、真相は不明です。

それ以外でも常に絶滅は起きています。盛者必衰!弱肉強食の世の中だからです。故に進化もあったのでしょうし、人間が生まれたとも言えるのです。

スポンサーリンク

人間が絶滅に追いやったなら責任をとるべきか

もちろん上記の大量絶滅期は、自然現象が原因です。恐竜が絶滅したのは巨大隕石が地球に衝突したから!有力な仮説です。では自然がやったなら問題なくて、人間が絶滅に追いやったのなら責任をとるべきなのでしょうか。

ウナギやマグロを考えれば、明らかに食べすぎかもしれません。クジラを捕獲するな!これは感情論でしょう。最後のゾウガメとして話題になったガラパゴス諸島のゾウガメが減った理由は、人間による乱獲だとか。

人間の行為は自然ではない?これは外来生物に関しても言われることです。生態系が乱れる?とはいえオリジナルの生態系とは何か?金銭が目当てだとしても、人間も生き延びるためにやっていれば、自然ではないのか。
参考「外来生物は誰にとって悪なのか?「自然とは何か」ですね。

積極的に絶滅へ追い込む事例もある

一方で積極的に絶滅へ追い込もうとする事例もあります。例えば天然痘ウイルスなどの微生物に関してです。現状において天然痘は撲滅したと考えられています。とはいえ万が一に備えてアメリカとロシアがウイルスを保有しているとか。

また昨今は蚊が媒介する病気が話題になっています。2014年はデング熱、2016年はジカ熱が問題視されました。それらを媒介する蚊を撲滅しよう!世界中で行われています。それは正当化されるのでしょうか。

極論を言いたくはありませんが、少なくとも基準を示すべきなのでしょう。クジラはかわいそうだから殺してはいけない?説得力はないですね。農業害虫は殺してもよいのか?イモムシを愛でる毛虫女子もいるのですから。

ちなみに欧米豪人がクジラの捕獲を目の敵にする理由は、神様が食用として創られたわけではないから、とか?欧米人はウシやブタを食べるじゃないか!日本人は文句を言いますが、それらは神様が家畜として創られたからです。神は偉大なのです。

復活させる技術はあるのか

絶滅の危機から救う技術があるのなら、救ってあげたいのが人情です。例えばどんな技術があるのでしょうか。いくつか紹介してみましょう。

1.近縁種を利用する

新潟県佐渡島のトキで行われた方法ですが、近縁種を利用できます。純粋な日本産はいなくなりましたが、生物学的には同一種?中国産のトキを連れてきて人工繁殖をさせました。

現在では野生環境において生まれた個体による繁殖も確認されているので「野生絶滅」のレベルから「絶滅危惧種」にランクアップしました。

とはいえ素朴な疑問が生じます。これって外来種の導入ではないのか?しかし「生物学的には同一種」ということになっているので、問題はないようです。それでも学名はNipponia nipponです。文句を言ってはいけないのでしょう。

2.体外受精させる

パンダで行われている方法です。体外受精をさせます。野生動物なら勝手につがいとなって繁殖するか?そう簡単ではないようです。人間と同様にお互いの相性があるようです。

そこで人工授精もしくは体外受精を行います。こちらの方法は、ウシやブタなどの家畜でもよく行われています。家系が明確になるので、近親交配の弊害はなくなります。

種による特異性はありますが、技術としては確立しているので、今後は大型哺乳類などに対する応用が期待されています。

3.iPS細胞を使う

新しい話題として、人間でも利用が期待されているiPS細胞を使う方法が始まるようです。2017年1月8日の日本経済新聞によると、九州大学の先生がキタシロサイの卵子をiPS細胞を活用して作り出そうとしているようです。

ちなみにキタシロサイは地球上に3頭しか生き残っていないとか?とはいえ過去に死んだ個体から採取した細胞や精子が残っているようです。ここからiPS細胞が既に作られているみたいです。

できた卵子や精子を体外受精させ、近縁種のメスを代理母とし、出産まで至らせたい!成功するかどうか?倫理的には問題ないのでしょうかね。

既に絶滅した種を復活させてよいのか

上記のような科学技術があるならば、既に絶滅した生物を復活させよう!そうした試みが生まれるのは必然でしょう。例えば映画「ジュラシックパーク」は実現するのか。もしくは実現させてもよいのでしょうか。

現状の日本では、生物を絶滅から守るために平成4年施行された「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」があります。ここでは希少生物に対する無許可での捕獲が禁じられています。

一方で絶滅した種を復活させても法的な問題はないのでしょうか。神様以外が生物を創るのは倫理的に正しくない!欧米では議論があるようです。もちろんこれを突き詰めて考えれば、人間の復活?誰もが興味のある点です。

人間に試してもよいのか

動物と人間を同列に扱ってはいけないのでしょう。つまり弱肉強食の論理を人間に適用すると、優生学や差別の問題に行き着くからです。とはいえ人間は地球上の至るところまで進出しています。究極の外来生物です。

人間の歴史を振り返ると、どこでも先住民族はひどい目にあっています。日本も他人事ではありません。今では法的に保護されているケースが多々あります。どこか似た印象を覚えるのは、不道徳なのでしょうか。

生き物を復活させる技術があるならば、死者をよみがえらせる?もちろん不妊治療もそのひとつかもしれません。今では遺伝子を自由に組み替える技術もあります。先天的な病気をなくすことも夢ではありあません、が、それを使ってよいのか。障害イコール悪?認めることになりかねないからです。

基準は時代によって変わる

倫理観を含めた基準は、時代によって変わるのでしょう。科学的知識が倫理意識を高めたのか?しかし科学技術が進歩すれば、新たな可能性が生まれます。人間の欲を止めるのは難しいですね。

日本人的に考えれば、いつの間にかそれが常識になってしまった?ダラダラ結論を先延ばしにして、時の流れに身を任せるのが、無難なのかもしれません。

スポンサーリンク