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日本時間の2017年4月14日、アメリカ航空宇宙局(NASA)が重大発表をしました。つまり土星の衛星であるエンケラドスに生命を育む環境のある可能性が高い?まわりくどい言い方ですが、地球外生命体の存在する期待が現実味を帯びました。

これまでも似たような報道はありました。とはいえ具体的な解明にはつながっていません。今回はどうなのでしょうか。発表された内容について検討してみましょう。

土星の衛星エンケラドスとは

今回の対象はエンケラドス(エンケラドゥス)です。土星には認められているだけで53の衛星があります。そのうち土星に近い方から2番目、大きさでみると6番目です。とはいえ土星からは24万キロ離れています。ちなみに地球と月の距離は38万キロです。

土星を回る公転周期、そして自転周期共に約33時間であり、月と同じ同期回転をしています。一方で直径は約500キロです。小さく感じますが、衛星としては大きい方です。直径3400キロもある月が大きすぎるとも言えます。

表面が白く見えており、氷に覆われていると考えられています。ということはの存在を示唆します。実際に氷の下は液体の海だと想像されています。その氷の割れ目から熱水が噴出している!ならば火山活動があるのか?初期の地球に似た状態だと言えるようです。

土星とは

土星は、輪っかがある!そうしたイメージがあり人気のある惑星の一つです。直径は約12万キロであり木星に次ぐ大きさです。単純に言えば、地球の約10倍であり、太陽の1/10です。

自転周期は約10時間!かなり速く回転しています。一方で公転周期は29.5年です。全体がガスで覆われています。そのため内部はどうなっているか、わかっていません。

地球から土星までの距離は、地球から太陽までの距離の約9.5倍です。これまでパイオニア11号、ボイジャー1号および2号が土星を探査し様々なデータを送ってきました。

ちなみに太陽から地球まで、光の速さでも8分20秒かかります。ならば土星から地球までデータが届くには、その9.5倍の時間がかかります。

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土星探査機カッシーニとは

今回のデータを送ってきたのは土星探査機カッシーニです。NASAと欧州宇宙機関が共同で開発し、1997年に打ち上げられました。だから今年は打ち上げから20周年です。土星に接近したのは2004年です。約7年の道のりでした。同年7月から土星の周回軌道に入り、観測を開始しました。

カッシーニは土星探査機です。主な仕事は土星を調べることでした。とはいえ新たな衛星を8個見つけ、最大の衛星であるタイタンに関してもデータを収集しました。

なおエンケラドスに関しては2006年、間欠泉により液体の水を吹き出しているのでは?そこから地球外生命体に対する期待が高まりました。いわゆるハビタブルゾーンにはありませんが内部に熱源があれば?太陽系の中で最も生命が存在できる可能性のある場所!新たな興味が湧き上がってきました。

本来は10年程度の運用を想定していましたが、2017年まで継続して利用することが決まりました。そして2017年9月15日、土星へ突入する最後のミッションが計画されています。そのため今後も度肝を抜くような?新たなデータが届くと期待されています。

地球外生命体とは

地球外生命体とは、文字通り、地球以外にいる生命体です。多くの人は宇宙人をイメージしがちです。それはSFの見すぎでしょう。もっと現実的に考えるべきです。そもそも直立二足歩行が適した形態なのか?難しい判断です。

もっと大きな範囲で捉えるべきでしょう。今回の話で言えば、微生物レベルの生命体を想定しています。ちょっと進展していれば多細胞生物です。可能性は低いでしょうが、時間の経過次第ではダンゴムシのような節足動物?間違っても知的生命体を期待してはいけません。

もちろん進化の方向が地球と同じであると仮定した場合です。ただし進化の方向性はまさに確率の話です。どちらにどう転ぶかによって、まったく違った様相を示します。当然ですが生命体が現れない!そういう選択肢もありです。

なお某局のアナウンサーが、「あと数十億年たてば、地球みたいになるのでしょうか?」とコメントしていましたが、その頃には太陽が膨張し始めるので、太陽系の存在自体が危うくなるでしょう。残された時間は、意外に短いかもしれません。

南極の状態と同じ

エンケラドスは上述の通り氷に閉ざされた星です。とはいえ氷の下に海がある!ならば南極と似ていると考えられます。実際に南極の氷の下にも生命体が見つかっています。光も当たらない、寒い、それでも水と多少の栄養分があれば、生きられるのです。

もちろん人間の想像を超えた存在があってもよいはずです。まだまだ南極の海、そもそも海の中であっても知らないことだらけです。地球の深海などを探索すれば、もっと奇怪な生物が見つかるかもしれないし、そうすれば地球外生命体のイメージも、さらに広がるでしょう。

水素分子が見つかった

今回の発表における重要なポイントは、水素分子すなわち水素ガスが見つかったことです。とはいえどうやったらそれがわかるのでしょうか。

カッシーニは2015年10月、エンケラドスの南極付近上空、約49キロの地点を通過しています。この際に間欠泉の中を通りました。そこでサンプルを採取できました。これを搭載している分光計や質量分析装置によって調べたようです。

なお水素分子があるということは、原始的な微生物の存在が期待されます。つまり水素分子をエサにして生育する環境があるからです。水素自体は水の成分なので、氷があればあるのは当たり前です。ただし分子として見つかったことが重要です。何らかの化学反応が起きている可能性を示唆するからです。

もちろん太陽系ができた時に水素は大量にあったはずです。それを今回見つけただけではないのか?そんな指摘もあるようです。しかしエンケラドスの重力は小さいので、もし当時のガスが残っていれば、既に宇宙空間に放出されているはず!だから見つかったのは新たに作られたものだ!そう確信されています。

水素は、最も単純な元素の一つですが、水や有機物、そして生命体の基本原子です。これがなければ逆に何も始まらない!パンドラの箱を開けてしまったのかもしれませんが、ならば徹底的に、重箱の隅まで突いてほしいですね。

新たな探査機を送れるのか

現状ではエンケラドスを遠くから観測するだけです。具体的に内部を調べることはできません。実際に探査機を着陸させることはできるのでしょうか。カッシーニでも7年かかっています。ただし現段階において具体的な土星探査計画はないようです。

人類は月までしか到達していません。無人機が火星を探索していますが、すべてを知ることはできていません。さらに今度は土星です。基本的に有人探査は難しいでしょう。生命体の可能性があっても間接的な証拠しかつかめません。

火星や月であっても同じことですが、人類が行くことにより微生物を地球から持ち出してしまう?そうしたことが危険です。例えば宇宙飛行士の排せつ物にある大腸菌が漏れてしまえば、宇宙に微生物をまき散らす可能性があるからです。それと宇宙にもともと存在していた生物と見分けることはできるのか?慎重な方法を検討すべきでしょう。

カッシーニも、「エンケラドスに影響を与えてはいけない!」そういう配慮から、土星本体への突入という最期を選んだようです。もちろん土星に生命体の可能性はない!そうした判断でしょうが、本当に大丈夫ですかね。

どこまで期待すべきなのか

NASAが発表するデータには毎回興味をそそられます。とはいえいまいち具体性に欠けるような気がします。もちろん専門的には画期的なデータです。それでもどこまで期待してよいのか?気長に待つ必要があるのでしょう。その間にも進化が行われるのか?

宇宙の話は夢があります。夢を夢のままにしておくことも、大切なのかもしれません。

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