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タイミングが良いというのか?
鎌倉近くの海岸が2017年のゴールデンウィークにおける一大観光スポットになりました。
つまり夜の砂浜が青く光る!
とはいえ自然現象です。
人工的なライトアップではありません。
その正体とは?
夜光虫と呼ばれるプランクトンの集団です。

ただし日中に観察すると、海水面が赤く濁る、いわゆる赤潮です。
打ち上げられた砂浜は、臭いのある泡状の物質で埋め尽くされています。
一方で漁業被害が心配されます。
しかしなぜこのような現象が起きたのでしょうか。

赤潮とは何か

1.プランクトンの大量発生です

赤潮とは、赤褐色の色素を持つ植物プランクトンが大量に発生することで海水面が赤く見える現象です。

ただし真っ赤ではなく、鉄サビっぽい色です。
そのためキレイとは言い難く、直接観賞に値するかは微妙です。

2.赤潮が発生する条件

赤潮の発生は、基本的には自然現象です。
とはいえいくつかの条件があります。

第一に海水温が高くなることです。

2017年のGWは天気がよく気温も上がり、連日海水温が20℃を越しています。

第二は太陽光が当たることです。

後述するように赤潮の主体は植物プランクトンです。
そのため増殖するには光合成のエネルギー源である太陽光が必要です。
実際にこのGW中はまとまった雨がなく、晴天が続きました。

第三は栄養源があることです。

高度経済成長時代も赤潮の被害が多く報告されました。
これは家庭や工場から出てくる栄養価の高い排水が海を汚染したためです。
今回も何らかの経路から栄養物が海岸へ流れ出たと考えられています。

3.赤潮の問題点

赤潮は、漁業関係者にとって天敵です。

つまり海水面をプランクトンが覆うことにより海水への酸素供給が絶たれます
また魚のエラに付着すると呼吸が苦しくなります

結果として魚介類が死滅することも少なくありません。

中には毒素を発生するタイプもあります。

特に養殖漁業は大打撃を受けます。
つまり自然魚なら沖合へ逃げられます。
しかし養殖の場所は固定されていて、魚が逃げられないからです。

今の状況において具体的かつ現実的な解決策はありません。

時が過ぎるのを待つしかないようです。
これも深刻な問題です。

4.青潮もある

赤潮に関連して、青潮と呼ばれる現象もあります。

こちらは海水中の硫黄が化学変化を起こし海水面が薄青色に見える状態です。

漁業に深刻な打撃を与えるのは同じです。
もちろん一般的な海の青さとは異なります。

ただし対馬海流のことを青潮と称することもあります。
混同してはいけません。
同様に黒潮は、赤道から日本へ流れ込む暖流の一種です。
プランクトンが少なく貧栄養状態なので海水面が黒く見える?
名前の由来です。

プランクトンとは

大人になればあまり耳にしないことですが、プランクトンとは何か?
確認しておきましょう。

1.プランクトンの定義

中学受験の理科においては必須項目ですが、実は曖昧な概念です。

基本的には水中で浮遊生活をする生き物全般を指します。

広義ではクラゲやマンボウなども該当するようです。
ただし狭義で捉えれば、いわゆる水中に住む微生物の一団です。

2.種類

(1)植物プランクトン

大きく植物プランクトン動物プランクトンに分かれます。
そのポイントは、葉緑体を持ち光合成をするか否かです。
したがってほとんどの植物プランクトンは緑色をしています。
湖や沼などの閉鎖水域では水面が緑色になるアオコと呼ばれる現象が起きます。

プランクトン全般に言えることではありますが、自ら活発に動けません。
さらに植物プランクトンは単細胞生物なので根もありません。
結果的に水中を浮遊する、流れに身を任せる生活をしています。

代表的な種類は、

  • アオミドロ
  • クンショウモ
  • イカダモ
  • ツヅミモ
  • ミカヅキモ
  • ケイソウ

などがあります。

ただしケイソウは緑色ではなく褐色です。
これは、ちょっと矛盾した表現ですが、褐色の葉緑体を持っているからです。
赤潮の主な原因と考えられています。

(2)動物プランクトン

自ら動く手段を持っているのが動物プランクトンです。

例えばミジンコには触覚や足があります。
またゾウリムシは細かい毛のような繊毛で覆われています。
これを動かすことによって移動します。
さらにアメーバは、独特の運動システムを有しています。

また動物の特徴として、自ら栄養を作り出せません。
そのため植物プランクトンをエサとします。
そういう意味でも移動手段が不可欠なのです。

代表的な種類は上述した

  • アメーバ
  • ミジンコ
  • ゾウリムシ

さらに

  • ケンミジンコ
  • ワムシ
  • カニの幼生

も含まれます。

(3)両方の特徴を持つプランクトン

大まかに植物と動物に区分できますが、微生物に関しては境目が曖昧です。
そもそも生物界は、例外だらけです。
明確に分けること自体に無理があります。

例えば動物と植物双方の特徴を有するプランクトンがいます。
それが昨今はやりのミドリムシです。
名前の通り葉緑体を持ち緑色をしています。
光合成によって自ら栄養を作れます。
一方でムチのように長い鞭毛(べんもう)を持っています。
これを巧みに操り移動できます。

ボルボックスもこのタイプに入ります。
通常は複数の固体がまとまって群体を形成しています。
とはいえ個々には2本の鞭毛があります。

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青く光る理由は何か

1.夜光虫

多くのプランクトン、そして赤潮自体は光ることがありません。
今回は、たまたま光るタイプのプランクトンがいました。
それを夜光虫と呼びます。

虫とは言いますが、微生物であり厳密な意味における虫ではありません。

古くからの呼び方にすぎません。

そもそもプランクトンは単細胞生物です。
植物でも動物でもありません。
特徴から便宜的に上述のように分類しているだけです。
今回話題になった夜光虫も、生物学的には真核生物のうち渦鞭毛(うずべんもう)植物門に属する生物の一種です。「植物」とは名づけられていますが葉緑体は持っていません。
触手を使って他の生物を捕獲して餌とします。
プランクトンは種類が多いため、詳しく調べ始めると矛盾が山積します。
素人が突っ込みを入れてはいけません。

2.なぜ光るのか

自然の生物が光ると驚きますが、身近にもいるでしょう。
代表的なのはホタルです。
同じく富山の名産であるホタルイカ
またキノコ菌類でも光るタイプが報告されています。
さらに深海ではクラゲなども光っています。
言い換えると、光ることは珍しくありません。

今回の夜光虫がなぜ光るか?
本当の理由は当人?に尋ねないとわかりません。
しかし波に触れたり、砂浜に打ち上げられたりしたものを踏みつけたら光る!

つまり何らかの刺激を受けて発光しています。
そのため敵に対する威嚇の要素があると考えられています。

ホタルなどの「高等」動物であれば、異性をひきつける意味があるでしょう。
とはいえ微生物に関してそこまで「考えている」のか、疑問がないわけではありません。
それでも安易な発想は控えるべきでしょう。

自然には不思議がいっぱいです

今回たまたまゴールデンウィークと重なりました。
そのためテレビのワイドショーなどでも取り上げられていました。
とはいえ鎌倉沖はシラス漁で有名です。
漁業被害が危惧されますが、今回は特に影響していないようです。

自然が起こすことには不思議がいっぱいですが、水質汚染などは人間が関係している部分もあります。
自然に対しては謙虚に、美しい現象は感謝の念をもって観賞しましょう。
不思議な現象に興味を持つことが、環境保護にもつながります。

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