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法科大学院が低迷しています。

高い学費を払い、長い年月をかけて学んでいるけど司法試験に合格できない?

どこに問題があるのでしょうか。

文部科学省が正しく要因を分析しているかは疑問ですが、新しく法曹コースを始めるようです。

参考「司法試験合格者数は予備試験組が最多!法科大学院が失敗した5つの理由

新制度の概要

2017年10月2日の中央教育審議会法科大学院特別委員会において文部科学省が構想を示しました。

具体的には、法学部3年、法科大学院2年、あわせて5年の「5年一貫コース」です。

6年が長すぎるから1年短縮します。わかりやすい制度です。

なお学部3年は、飛び級制度を使うとか。優秀な人材をターゲットにするようですが、ちゃんとした学生を選べるのでしょうか。

もちろん現行制度は残します。予備試験も続けます。

安易なやり方に一部批判はあるみたいですが、2019年度の入学生から対象となるように進めていきます。

役所としては素早い対応ですが、当の受験生や大学は準備できるのでしょうか。

学部3年間で卒業単位を取得できるのか

学部4年を3年に縮めるのは大変ではないか?そうした意見もあるでしょう。

しかし、大学生を経験した人ならわかるでしょう。

3年間で必要な卒業単位を取得することは十分に可能です。

特に大学院進学を念頭に置き、サークル活動やアルバイトをせず、就職活動もしないなら、勉強する時間は十分にあります。まったく問題ありません。

実際に法学部生の多くは、同時に資格取得用の専門学校に通う、いわゆるダブルスクールをしています。

ある意味で日本の大学は入りにくいですが、よほどのことがない限り卒業できないことはありません。

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望ましい司法試験制度とは

朝令暮改的に制度を変えて問題ないのでしょうか。

法律という国の根幹を担う人材の育て方をもっと真剣に考えるべきです。

とはいえ、現場を知らない現在の文部科学省に教育の意味がわかっているとは到底思えませんが。

1.元に戻すべき

ゆとり教育を元に戻した?そうした前科がある文科省ですが、法科大学院は残したいようです。

とはいえ、望ましい司法試験制度を考えれば、元に戻すべきでしょう。

つまり、誰でも受験できる!変な条件を付けず門戸を開くことです。

法曹界をオープンにする!多様な人材が集まるからこそ弁護士や裁判官が支持されるようになります。

一部のエリートだけが裁判を牛耳っている?そんな印象が庶民にはないでしょうか。

つまり裁判の現場にいる人達とは、

  • 攻める側の検察官
  • 守る側の弁護士
  • それを判断する裁判官

いずれも司法試験合格者です。

同級生同士で争っている?内輪で話がついている可能性もあるからです。

日本の裁判は三審制です。つまり、逆転のチャンスがあります。さらに法律の解釈に関しても様々です。その点で一発勝負の医者とは異なります。

多様な人材を集めるには、元の緩やかな制度に戻すべきでしょう。

2.大卒は受験資格にあらず

2004年から始まった現行の新司法試験制度では、予備試験と呼ばれる一部例外を除き、法科大学院卒業生にしか受験資格がありません。

なぜそうなったのか?

弁護士の質を問う声があったようですが、詳細は疑問です。高卒だと質が悪いとでもいうのでしょうか。

つまり、それまで実施されていた旧司法試験において、年齢性別学歴などの受験資格はありませんでした。

極端に言えば小学生でも受験できました。実際に高校生で一次試験を突破した事例があったようです。

そもそも大学院卒である必要はあるのでしょうか?

中卒のおじさんでも立派な仲裁のできる人がいます。東大法学部を出た政治家は、信用できるのでしょうか。

多様化を訴えるならば、まずは法律の世界が率先すべきです。

3.法曹者に学問は不要

法科大学院を卒業すれば弁護士の質は向上するのでしょうか?

しかし、2015年には司法試験の模範解答を漏らす事件が発生しました。法科大学院で学んでも、教える側にも、決まりを守らない人がいます。

さらに現実を見ると、合格者の多くは専門学校にも通っています。

いわゆるダブルスクールです。そうしないと合格しないのが現実です。

そういう意味でも、法科大学院で何を教えているのか疑問です。

言い換えると、司法試験に学問は不要なのです。

実際の裁判で、学問的な判断をすることはありません。あくまでも事実に基づいた判断、争いをするだけです。ムダに2年間学ぶことになります。

そういう現実が見えていない人が多いようです。

ならば現実をよく知る、勉強漬けではない人が弁護士や裁判官になった方が、より事実に近い争いができるようになるのではないでしょうか。

それを期待したからこそ、素人を裁判に呼ぶ裁判員制度ができたはずです。

法務省と文科省の利権争いか?勘ぐってしまいます。

士業に求められる資質とは

弁護士に限りませんが、いわゆる士業、専門職に求められる資質について考えてみましょう。

1.学問ではなく実践力

大学はあくまでも学問の場です。

昨今は数が多くなったこともあるのでしょうが、専門学校化、高校の延長とも考えられるようになりました。

社会に出ても使えない?そうした批判があるからのようです。

憲法改正が堂々と議論されるようになった昨今において、さまざまなテレビ番組に憲法学者が登場し意見を述べています。

そこでは学問的に憲法や現政権の考え方を分析していますが、だからといって憲法違反を問えるのか?別の話です。

政治家を憲法違反で裁くことはできるのか?

それは学問ではなく、あくまでも法律に則った判断が求められます。

法曹界で働く人に必要なことは学問ではありません。実践力です。

よく言われるのは、裁判に勝てる弁護士がいい弁護士!誰が考えても極刑にすべき極悪犯人を無期懲役に減刑させた?有能な弁護士です。

陰ながら弁護依頼が増えるはずです。

理屈ばかりで勝てない弁護士に依頼は来ません。弁護士の需要が増えない原因です。

2.現場を見る力

テレビドラマにもなりましたが、刑事事件で起訴されたら99.9%は有罪になるようです。

痴漢冤罪も増えています。とはいえ、くつがえることがある?それも弁護士の手腕なのでしょう。

机にばかり向かっていた人に、その力はあるでしょうか。

検察官も同じですが、限られた証拠から真実を見抜く力・推測力・判断力そうした能力が求められます。

  • 犯人は嘘をついていないか?
  • 警察によって自白を強要されていないか?
  • 誰が正しいのか?

コミュニケーション力が求められます。

事実は小説より奇なり!教科書通りの事件など起きません。

常識を超越した犯罪動機も少なくありません。過去の判例が重視される理由でもあります。

3.営業力

弁護士の利用を増やすには、弁護士を身近に感じられるようにすべきでしょう。

俗な言い方ですが、市場を広げる必要があります。現状では、どうしても弁護士の敷居は高いです。

テレビのコメンテーターなどで異質な?弁護士が登場していますが、それでも現実離れのコメントがあります。庶民感覚を持つ弁護士が必要です。

そういう意味でも多様な人材が司法試験に挑戦できる機会を作るべきでしょう。

一方で士業を目指しても多くの人が失敗しています。

その理由は、営業力のなさです。

つまり看板を掲げるだけではお客は来ません。それをどう呼び込むか?その手腕こそ、学校で教えるべきかもしれません。

今度は何年持つでしょうか

誤った制度を見直すのは正しいことです。

とはいえ、次なる一手が正しいとは限りません。

文科省に限らず、役人が現場を正しく見る力がない限り、望ましい制度は作られません。

今回の制度は、何年持つのでしょうか。

法曹界への需要を増やすには、庶民の味方になってくれる弁護士をどのように育成するか?そこにかかっています。

法科大学院で過ごす2年間の一部を、ボランティア期間などに当て、現場をみる機会を作る方が効果的なように思えます。
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