指導者のいじめ?高校生の強制髪染めは人権侵害か
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黒髪は真面目で、茶髪は風紀を乱す。こういった校則は確かに正当だと言えるでしょう。制服と同様で、浮いた存在が出ることで風紀が乱され、集団生活の規律を統一化を妨げるという考え方があるからです。

茶髪が与える印象は、だらしなく、軽い印象です。学生らしく勉学に専念する上で、手を加えてまで個性を出す必要はないという見方もできます。

しかしその茶髪が、地毛の場合はどうなるのでしょうか。大阪のある高校で不当な指導が行われ、府に損害賠償請求の訴えがありました。

指導者のいじめ?高校生の強制髪染めで人権侵害

大阪羽曳野市の府立懐風館高校3年生の女子生徒が、府に220万円の損害賠償を求める訴えを起こしました。

高校3年生の女子生徒は生まれつきの茶髪であり、黒染め強制により精神的苦痛を受けたという訴えを起こしています。女子生徒の母親は、中学時代にも黒染めを強いられた経験があるため、高校に対し配慮を求めていたと言います。

しかし、学校側は生徒の入学後、1、2週間ごとに黒染めを指導し、2年の2学期からは4日ごとに指導。度重なる染色で生徒の頭皮はかぶれ、髪はぼろぼろになった。教諭から「母子家庭だから茶髪にしているのか」と中傷されたり、指導の際に過呼吸で倒れ、救急車で運ばれたりしたこともあった。文化祭や修学旅行には茶髪を理由に参加させてもらえなかった。

出典:headlines.yahoo.co.jp

さらには「黒く染めないなら、学校に来る必要はない」と言われ、女子生徒は昨年9月から不登校になっているのだとか。

  • 地毛の染毛で、頭皮や髪に損傷が出てしまうほどの指導
  • 地毛が茶髪だからといって、ひとり親家庭を見下した発言
  • 不当な理由で、文化祭や修学旅行への不参加の命令

このような事が果たして許されるのか。指導者という名を使った「いじめ」というとらえるのが妥当だと感じます。

府立高校の地毛登録制度

大阪府ではいくつかの高校が、生まれつき茶髪の場合は「地毛登録」をいう制度が導入されていると言います。

たとえば大阪府立成城高等学校の場合、「頭髪は生来の状態(自然な地毛のままでいること)が理想」とし、以下のように地毛登録を定めています。

地毛の色が検査用アイテムよりも明るい生徒に対しては、本校が定める手続きに従って地毛の色を測定し、その色の明るさをカラーリングレベルスケールの番号として記号化した上で、届け出・登録する

出典:www.osaka-c.ed.jp

髪の色は人の主観で、茶髪か黒髪かという基準も異なります。こういった基準を定めているのはよいことだと感じます。

しかしネットでは「地毛登録など、差別である。」という意見も浮上しているようです。

女子高生の母親は地毛登録を希望したが、府立懐風館高校では導入していなかったことから聞き入れられませんでした。府では、地毛登録の導入は学校の任意であり、把握していないということです。第1回口頭弁論では、府側は請求の棄却を求め、争う姿勢を示したということです。

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黒髪は真面目?茶髪は不真面目?

茶髪の高校生。黒髪の高校生。一見、黒髪の高校生の方が真面目に見えるのは確かです。ただし「真面目」をどういった意味合いで見ているのかに疑問を感じます。

  • 成績が良い高校生が真面目?
  • 教師に対し、忠実な高校生が真面目?

部活で髪が日に焼け、染髪したような茶髪になる場合だってあるでしょう。そういった高校生に対し、風紀を乱すとは言えません。

教育の場ではなく職場では、極端な場合を除き、髪色での判断基準は少し緩和されてきているように思います。

現代では、市バスの運転手でも茶髪の方がいます。

私が昔バスへ乗った時の話です。大変生真面目そうな黒髪のバス運転手が、車椅子にのったお客さんの乗車のためにジャマだった自転車の一台を寄せたところ、そこに停めてあった自転車が全て将棋倒しになってしまいました。

バスの乗客の「あっ」という声に、運転手は時間がないからでしょうが、「本当にジャマだな!ほおっておいたらいい。」といって自分が倒した自転車をそのままにしました。さらには乗せた車椅子にベルトをかけずに発車してしまいました。

私はその車椅子の方に声をかけベルトで固定しましたが、案の定カーブで車椅子は動いて危険な状態に。ベルトを止めていなければ、倒れていたかもしれません。

この運転手は、黒髪だから真面目だと言えるでしょうか。茶髪だから黒髪だからと、判断できるわけではありません。

高校生に、全てを教育するのは難しいことではあります。ですが、いじめによる自殺問題などが起こっている学校という場所で、教えることは勉学だけでいいとは言えませんね。

少なからず、基準となる多少のルールは必要でしょう。

しかし、地毛が若干茶色いという理由でその子の人生を左右させてしまう指導は、やはり指導者の立場を利用したいじめとしかいいようがありません。

天然パーマの女子高生にストレートパーマ強制

昔、私が学生時代の修学旅行で似たような光景を目にしました。

お風呂上がりドライヤーをかけて髪が半乾きの女子高生に向かって、通りかかった先生が突然すごいけんまくでどなりました。

その子は、濡れると若干カールがかかったようになる天然パーマの髪質だったのです。完全に乾けばストレートだったため、その日まではパーマという疑いをかけられる事はありませんでした。

その先生はどなったとたん女子生徒の頭を押さえつけ、水道の蛇口をひねり髪に水を勢いよくかけました。証拠をつかむための行為でした。その子は泣きながら天然パーマだと訴えましたが、聞き入れてもらえず、服はびしょ濡れ。周囲が凍りついたのは言うまでもありません。

修学旅行から帰ってから親が呼び出されましたが、なんと天然パーマの髪に対しストレートパーマをかけるように言われたのだとか。不条理な学校の指導に対し、その子の親は猛反論。その後どうなったのかは覚えていませんが、今回の黒染め同様訴訟を起こしていればおそらく大問題へ発展したでしょう。

また違う高校では、激しく縮れた天然パーマに悩む女子高生がストレートパーマをかけたいと申し出ると、校則違反になると却下されていました。

これらは各高校の校則によるものなのでしょうが、どちらも納得のいかない規則のように感じます。

戻らない時間をどう考えるべきか

指導者のいじめ?高校生の強制髪染めは人権侵害か

茶髪であるがために指導者のいじめを受けたとも言える女子高生は、心に大きく傷を受けているでしょう。

地毛をとがめられ受けさせてもらえななかった授業、過ぎ去った時間は取り戻せません。高校時代は、一生を左右させるほど大切な時期です。このような指導は、生徒の健全な心の育成を妨げるのはもちろん、大学入試にも影響が出るのは否めないでしょう。

大切な時間を奪われてしまったせいで、人間不信に陥ってしまっても仕方がない状況です。実際に女子生徒が不登校に陥ってしまっている現実。たった220万の賠償請求では済まされない問題であるとも言えます。

戻らない時間をどういった責任を取るのか。判決に注目が集まっています。感じ方には個人差があるでしょうが、簡単に済ませられない問題です。

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