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2017年の大学入試において、大阪大学は本来なら合格していたはずの30名を不合格扱いにしていたようです。

当事者は、悲しみ、憤りを感じているでしょう。とはいえ原因はどこにあるのでしょうか?

入試の結果は人生を大きく左右します。だからミスがあってはなりません。

しかし出題、採点ミスは少なくありません。

つまり、根底にある仕組みを変えていかない限り、今後もこのようなトラブルは減らないでしょう。

大阪大学入試ミス事件の概要

トラブルが公にされたのは、2018年1月6日です。

2017年の入試において、本来なら合格していたはずの30名を不合格にしていました。なお、対象者が希望すれば2018年4月からの入学を認める救済策も公表しています。

何が起きたのか?

本来1問に対して答えは1つのはずですが、物理の二次試験において、3つ答えがある問題を作ってしまったそうです。

そしてその答えを使って、以降の問題を解く大問が構成されていました。

つまり、元の問題に正解しないと、芋づる式に間違えるパターンです。これは入試問題にありがちです。そのため合否に大きく影響します。

ただし試験を行った4か月後の6月に、外部から指摘があったようです。その後も再三検討が繰り返されたようです。

もっと早く対処していれば30名は秋から入学できたかもしれません。隠ぺい体質はなかったのか?そうした点も究明すべきです。

大学入試の出題・採点ミスは多い

今回のトラブルは、大阪大学という旧帝国大学、日本でもトップクラスの大学だからこそ深刻です。

つまり不合格になった学生の中には、既に他大学へ進学している人もいます。すると、その大学に本来受かっていた生徒が落ちている?といった影響が広がっていくためです。

参考「後悔しない大学の選び方 参考にすべき7つの基準

とはいえ、出題や採点に伴うミスは少なくありません。センター試験であっても、正解が2つある?そんな問題がたまにあります。

もちろん早くわかれば、その問題は全員正解扱いします。ただし、早くわかればの話です。

そのため予備校や進学塾などは、試験が終了すると直ぐに模範解答作りに励みます。

今回のように、外部から指摘を受けて間違いに気づく!このパターンはまれではありません。
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今回のトラブルから見えてくる課題は何か

1.不合格扱いされた生徒への対応

今回のトラブルで重視すべきは、不合格扱いされた生徒たちへの対応です。その後の人生に大きな影響を及ぼすからです。

たかが1年ではありますが、1年の遅れは大きいでしょう。大阪大学出身のエリートが1年働いた賃金はいくらになるか?

もちろん落ちた!その精神的ショックも少なくないでしょう。

旧帝大を受ける高校生なら、高校でもトップクラス、自信があったはずです。その自信が根底から崩れます。意外とこちらのダメージの方が大きいかもしれません。

一方で予備校に通うお金、または私立大学へ通っていれば、その学費、そうした経済面での問題もあります。

大阪大学では費用負担も検討しているようですが、どこまで補償してくれるのでしょうか。

なお既に他大学で学んでいれば、単位の取得状況を考慮し、2年生に編入する選択肢もあるようです。

学生の不利益を少しでも減らす努力はすべきでしょう。

2.外部からの指摘を聞き入れなかった

外部からの告発で6月にはミスが指摘されていたようです。とはいえ「本学の解答が正しい」これで押し通したようです。

さらに8月と12月にも、外部からの指摘が続きました。そしてようやく、12月下旬、学内で検討し、指摘を受け入れます。

もちろん自分達で作った問題に自信を持つべきです。簡単に揺らいではいけないでしょう。

それでも指摘の検討はすべきです。また、出題に誤解を招くような点があるならば、そうした意見があることも謙虚に受け入れるべきでしょう。

二次試験の問題になると専門性が高まります。加えて、他の先生がやったことに対して学内でも指摘しづらい雰囲気もあります。

そうしたことで、先送り?ことなかれ主義に陥っていた可能性も否めません。

3.入試システムに課題あり

後述する入試問題を作る難しさにつながりますが、入試システムにも課題があります。どんどん難問化しています。

複雑な問題になると、何を計算しているのか、わからなくなることもまれではありません。

知っているがゆえの思い込み、多様な見方ができなかった可能性は大です。

なおテレビでは、大阪大学の対応を批判する風潮があります。教育評論家などもここぞとばかりに主張しています。

しかし、もっと根本的な点を議論すべきです。マスコミだって間違いを受け入れないことが少なくありません。

参考「加計学園獣医学部2018年4月開設決定!積極的に支持すべき7つの理由

入試問題を作るのは難しい

入試に関するトラブルは減りません。

というか、メールなどで内部および外部告発がしやすくなった環境もあるため、今後はもっと増えるでしょう。

その一因として、入試問題を作る難しさもあります。

1.同じ問題は二度と出せない

入試問題では、自校を含めて過去に出題されたのと同じ問題は出せません。それは不公平になるからです。

もちろん答えが公表されている問題を出せば、入試の意味がありません。

そのため入試問題を作る先生は、市販されている問題集を含めて、様々な問題をチェックします。

似た問題があれば、出すわけにはいかないのです。数値を変えるだけではダメです。

一方で予備校などが予想問題を作ります。それと似た問題を作ってしまうと、学校としてはヒヤヒヤものです。

当然ですが予備校は嬉しいでしょう。「予想問題が的中しました!」かっこうの宣伝材料になるからです。

2.難問化している

上述のように、予備校などが予想問題を作ります。さらに、過去問を利用して受験テクニックを教えます。そのため優しい問題なら、簡単に解かれてしまいます。

すると満点者が続出!これでは合否の差を付けられません。だから、さらに難問や珍問を作るようになります。

これは昨今、首都圏の中学受験でも顕著になっています。

受験産業と学校、いたちごっこが続きます。こうしたことがある以上、受験トラブルは減りません。誰が一番悪いのでしょうか?

参考「塾講師が問う!中学受験の理科はどこまで科学的に正しいのか<生物編>

入試問題が複雑化すれば、どこかにミスが現れます。思い込みで問題を作ってしまうことがあります。

予備校の先生などは、客観的に解いていくので、アラが見えてしまうのでしょう。学校側に勝ち目はありません。

3.大学の先生が本業の合間に作っている

根本的な原因は、大学の先生が入試問題を作っていることです。

先生の本業は何でしょうか?研究したり在校生を指導することです。入試問題の出題ミスのようなトラブルが起きる理由は、本業の合間を縫って問題を作っていることです。これは精神的にも重労働です。

もちろん、新しい学生を迎え入れる!これも大切な先生の仕事です。

自校の生徒や学生としてふさわしい学力レベルを入試問題で判断することは重要です。その学校の先生だからこそわかることでもあり、本業の一部とも言えるでしょう。

ならば、蛇の道は蛇?一部の学校では、予備校に入試問題の作製を依頼することがあります。

大学の先生が本業の合間で作るよりも受験の専門家に任せた方が、逆に受験生の弱点を突いた問題を作れるからです。

私立大学がセンター試験を利用する理由がここにある

本来、大学入試センター試験は、国公立大学のために作られています。

とはいえ最近では、多くの私立大学もセンター試験を使った合否判定をしています。つまり、センター試験の成績だけで合否を決める募集枠が設けられています。

この理由は、もちろん入試問題を作る煩雑(はんざつ)さにあります。今回のようなトラブルが起きるくらいなら、丸投げした方が安心です。

安易だ!と第三者が非難することもできますが、問題作成の大変さを知らない身勝手な批判は避けるべきです。

参考「2020年から始まる大学入学共通テストの英語を民間に委託して大丈夫か

入試改革こそ急ぐべきです

ミスがあれば謙虚に反省して、入試問題の作り方を検討するなどの対策を講じるべきです。

人間ですからミスは起きます。ミスが起きるという前提で考えていくことが大切です。

ならば、将来的には人工知能AIが問題を作るのかもしれません。

とはいえ重箱の隅を突くような問題ではなく、学生の意欲を汲み取れるような問題を出すべきでしょう。

たとえば「あなたはこの大学に来て何をしたいですか」といったものです。

偏差値で学校を決めるのではなく、学校の特色で選ぶことが大切です。名も知られていない定員割れ寸前の地方にある私立大学だって、面白い研究ができますよ。

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