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少子化傾向が続いているはずですが、中学・高校・大学の受験倍率は下がっていないようです。

もちろん少子化に合わせて各学校が募集定員を減らしていることもあるようですが、裏には違った要因が隠されています。

偏差値と同様に倍率も受験校を選ぶ基準になりますが、10倍を超えているからといって心配する必要はありません。

数字を的確に判断すれば、思いもよらなかった学校に受かることがまれではありません。

受験倍率の見方

受験情報のひとつに倍率があります。これによって受験する学校を変更することが少なくありません。

とはいえ、倍率をどこまで信じるべきなのでしょうか。

1.志望倍率と実質倍率の違い

倍率とは言いますが、よくよく資料を見ると、志望倍率と実質倍率の2種類があります。式で表すと次の通りです。

志願倍率 = 志願者 ÷ 募集定員
実質倍率 = 受験者 ÷ 合格者

志願倍率とは

志望倍率とは、願書を出した志願者数を、学校が提示する募集定員で、単純に割り算した数値です。

そのため学校によっては100倍を超えることもあります。それで戦意喪失することもあるでしょう。

実質倍率とは

実質倍率は、実際に受験した人数を、合格者数で割ります。

ここにトリックがあります。

つまり、願書を出しても受験しない人が少なくありません。また合格しても他校へ流れる生徒がいるため、学校は合格者を多めに出します

正しい倍率を知るには、実質倍率を計算しよう

したがって倍率を見る場合には、実質倍率を探す、計算することが大切です。

実質倍率だと、志願者が多くても2、3倍程度になっていることが珍しくありません。

実際に某私立中学では、募集定員140人に対し応募者数3,793人だったので志願倍率なら27.1倍でした。

しかし、実際の受験者数は3,746人で合格者数は2,804人?つまり実質倍率は1.3倍です。

恐れることはないのです。

2.実質倍率と志願倍率に差が生まれる理由

受験案内の本を見ていると、いろいろな学校で実際の募集定員よりも多くの合格者を出しています。

なぜこのようなことが起きるのでしょうか。

参考「2017年の中学受験が一段落しました、今年もSの優位は変わらずです

その理由は、学校側が入学辞退者を見込んで多めに合格者を発表するからです。

多くの受験生は複数の学校を受けています。そのため、すべての合格発表が終わった段階で、行きたい学校を決めます。

もちろん1人1校しか行けません。複数の学校に合格していれば、他校へ流れる合格者が現れます。

そのため余分に合格通知を送るのです。

どのくらい入学辞退者が出るかは、例年の傾向からおおよそわかっています。著名な学校でも1割程度の水増しで合格通知を送ります。

言い換えると東大に受かっても、蹴って他校へ行く人がいるということです。

うらやましい限りですが、学校側は死活問題です。

なぜなら入学者数の予想に失敗すれば、その年度の生徒数が少なくなったり、逆に多くなったりするからです。

少ないと活気が失われ、多すぎると設備面でトラブルが生じます。大学の場合は、文科省ににらまれることも珍しくありません。

参考「義務教育期間中でも留年させるべき3つの理由

3.志願倍率は日々変化する

競馬のオッズではありませんが、志願倍率は日々変化します。

願書を出す期間は、1日ではないからです。

また多くの志願者がいれば、集計に時間がかかります。最近はウェブサイトで志願倍率を日々示す学校もあります。

もちろん大手の予備校や進学塾でも、受験生や保護者へのサービスとして、独自に収集した情報を基にして応募状況、倍率などを適宜公表しています。これらを利用して受験指導が行われています。

ちなみに東京都立高校の受験では、願書提出後に倍率が新聞などで公表されます。

それを基にして志願校の変更が1度だけ許されています。

最初に倍率が高い学校は嫌われて変更される可能性は大です。

ならば倍率が下がる?合格しやすくなるかもしれません。ここにかけ引きがあります。

受験倍率が下がらない理由

冒頭で触れたとおり、受験倍率が下がらない理由には、少子化で各学校が募集定員を減らしていることだけでなく、それとは別の要因があります。

1.募集定員を減らす

そもそも少子化で生徒が集まらないなら、募集定員を減らそう!

大学の定員を減らすのは大変ですが、私立の中学や高校であれば、減らすことは簡単です。一部には中学校の過程自体を閉鎖する私立学校もあります。

一方で中高一貫教育が普及しています。高校からの募集を止める学校も増えています。

そのため、公立中学を卒業する生徒たちの行き場が減っています。

公立高校に落ちたらどうするか?そういう意味での受験倍率が上昇しています。

2.受験の多様化が進む

著名な学校であれば、年1回の受験だけで終わりです。

とはいえほとんどの学校は、複数回の受験日を設けています。同じ人が同じ学校を2回、3回、受け直すことが可能です。

こうした受験の多様化もトータル倍率を上げる原因です。

同一人物が3回受ければ、募集定員は変わりませんが、延べ受験生は3倍になります。

数字のトリックですが、そこまで公表されることはありません。数字だけみると、受験生はあせるでしょう。

3.皆が多数出願するほど倍率は上がる

倍率が上がる理由は受験生側にもあります。多くの人が多数の学校を受けるからです。

たとえば、首都圏の中学受験では1人5校程度出願するのが、最近の傾向です。1人が1校しか受験しなければ、必然的に倍率は下がります。

これは就職試験に関しても同じです。

最近の就活は大変なようです。1人で10社以上もエントリーシートを送ります。だから倍率が上がるのです。

わざわざ自分達であせる理由を作っているのが現状です。

4.景気がよくなっている

アベノミクスで景気がよくなっている事実は否めないでしょう。

つまり、保護者の収入が上がり、受験や学費にかかる費用負担ができる家庭が増えているのです。

首都圏の中学受験に関しても、受験者数が増えています。東京都が私立高校の授業料を無償化する話も、追い風になっています。

少しでもよい教育環境を求める中流世帯が増えています。

景気がよくなれば、1人当たりの受験校も増えるでしょう。

受験料が1校当たり2万円程度ですが、費用対効果、保険料と考えれば、許容できる家庭環境があるようです。

皆が受験校を去年より1校増やせば、倍率は必然的に上がります。

5.浪人生が増えている

大学受験に関しては、浪人生が増えているようです。

2018年1月13日から始まるセンター試験では、浪人生が4年ぶりに10万人を超え、総志願者数が58万人となり3年連続増加しています。

上述の景気と関連して、少しでもよい大学へ入るため、浪人を許す家庭が増えているようです。

4年後の景気は見通せませんが、リベンジする機会が増えている状況は、悪い話ではありません。

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偏差値が高くても倍率が低いこともある

一般的に偏差値の高い学校は、倍率も高くなっています。誰もがよい学校に行きたいので、競争が激しいからです。

とはいえ、偏差値が高いからと言って、実質倍率も高いとは言えません。

たとえば埼玉県にある某私立中高一貫校では、偏差値60前後、毎年東大へ10名ほどの合格者がいます。入試問題もそこそこ難しいです。

しかし実質倍率は、東大クラスで2倍程度、難関大クラスと称していますが、そちらは1.3倍程度です。

この理由は、試験日が1月上旬に設定されているため、2月1日から実質的にスタートする東京や神奈川の受験生たちにとってのすべり止め、チャレンジ校として利用されているからです。

つまり合格しても、本命中学に受かれば、入学手続きをとりません。

受験に関しては、見た目の数字に惑わされると、失敗することが少なくありません。お金はかかるでしょうが、専門家である進学塾に通う、塾のスタッフと相談することのメリットがここにあります。

倍率は目安に過ぎない

受験に際して注目する数字は偏差値です。同様に倍率も重視されます。

とはいえ、あくまでも目安にすぎません。

倍率が高いから落ちるわけでもありません。そんなことで志望校を変えたり、滑り止めを増やしてもいけません。

陳腐な言い方ですが、頑張れば受かるし、油断すれば落ちます。トリックの解明に費やす時間を勉強に当てましょう。

一方で信頼できる専門家(塾や予備校)を探すことも大切です。

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