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フェーン現象は、中学入試の問題に出やすい項目のひとつです。

出題形式は、

  • フェーン現象のしくみを説明する
  • 計算問題

としても登場します。

ここでは中学受験と中学生の理科向けに、フェーン現象の基本的な原理を知ると同時に、計算方法も確認しておきましょう。

朝起きられない子供…やる気の問題ではない理由【キリツテイン】

フェーン現象とは

フェーン現象とは、高い山を越えた空気の温度が異常に高くなる現象です。

フェーン現象が起こると、風下側の山の麓(ふもと)では、季節外れの猛暑になることも多いです。

なお詳しいしくみは、下記を参考にしてください。

参考「フェーン現象とは何かわかりやすく解説!原理・しくみがわかります

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中学受験理科・フェーン現象問題の解き方

1.記述対策

フェーン現象が記述問題として出されることはあまりありません。その理由は、簡潔に文章でまとめることが難しいためです。

たとえば市販の中学受験用参考書では、次のように説明されています。

文英堂『特進クラスの理科』426ページ

風上の山のふもとの気温にくらべて、風下の山のふもとあたり(盆地や平地)の気温が10℃くらい高くなり、気温が非常に高くなることがある。このような現象をフェーン現象という。

学研『?に答える!小学理科』268ページ

風によって運ばれる空気は、山をこえてふきおりるときに温度が上しょうします。そのため、山のふもとではかわいた空気にさらされ、気温が高くなります。これをフェーン現象といいます。

KADOKAWA『出るとこだけ図と表でまとめる理科の要点整理』198ページ

湿った空気が山を越えると、乾燥した高温の空気になる現象

なお簡潔という意味では、大学受験用参考書に出ている記述が参考になります。

文英堂『理解しやすい地学IB』155ページ

山を吹き越えた風が、風下側の山ろくで異常に高温になる現象

旺文社『みんなのセンター教科書 地学Ⅰ』225ページ

空気塊が山を越え吹き降りることにより風下側の温度が上昇し、乾燥する現象。

浜島書店『ニューステージ新地学図表』172ページ

湿った空気塊が山を越えると、高温で乾燥した空気塊になる。このような現象をフェーン現象という。

フェーン現象の出題形式

言い換えると、上記のような解説があり「このような現象を何と言うでしょうか?」というような問題が出されます

「フェーン現象」と答えられるようにしておきましょう。

2.計算問題

中学受験問題でフェーン現象についてたずねられるときは、計算問題が中心になります。

ここでは中学入試に出てくるフェーン現象の典型的な問題と解き方について解説します。

(1)条件の設定

風上側にある山の麓A地点の標高は0メートル、気温20度とする。

風上側にある山の斜面で、雲ができ始めるB地点の標高を1000メートルとする。

山頂にあるC地点の標高は2000メートルとする。

風下側にある山の麓D地点の標高も0メートルで、ここの気温を求める。

なお気温は標高100メートル当たり1℃変わる。ただし雲があれば100メートル当たり0.5℃だけ変化する。

(2)計算方法

B地点の気温の求め方

A地点では20℃だった。

山に沿って標高が上がるごとに100メートル当たり1℃ずつ下がるので、標高1000メートルにあるB地点の気温は、10℃になっている。

1000(m)÷100(m)×1(℃)=10(℃)
20(℃)-10(℃)=10(℃)

答え10℃

山頂C地点の気温の求め方

B地点で雲ができるので、これより上は、100メートル上がるごとに0.5℃下がる。

そのため、標高2000メートルにある山頂C地点の気温は、5℃になる。

2000(m)-1000(m)=1000(m)
1000(m)÷100(m)×0.5(℃)=5(℃)
10(℃)-5(℃)=5℃

答え5℃

風下側の麓D地点の気温の求め方

山頂を越えると雲がなくなるので、山を下るにしたがい、標高100メートル下がるごとに1℃ずつ気温が上がる。

そのため麓D地点の気温は25℃になる。

2000(m)÷100(m)×1(℃)=20(℃)
5(℃)+20(℃)=25(℃)

答え25℃

すなわち風上の麓A地点より風下の麓D地点の気温は5℃高くなる。

朝起きられない子供…やる気の問題ではない理由【キリツテイン】

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中学校理科・フェーン現象問題の解き方

中学校の理科または高校の地学では、露点によって雲ができる標高を自分で求める問題が出されます。

1.露点とは

露点とは、空気に含まれている水蒸気(気体)が、冷やされることで水滴(液体)になるときの温度のことです。

露点に達する具体的な現象として、冷たいジュースを入れたコップの表面が濡れる、また冬の夜など、窓ガラスの室内側に水滴がつく、いわゆる結露があります。

2.露点の求め方

飽和水蒸気量は気温で変わる

空気1立方メートル中に含むことができる水蒸気量は、気温によって変わります。この最大量を飽和水蒸気量と呼びます。飽和水蒸気量に達したときの温度が露点です。

たとえば、

  • 気温0℃の時の飽和水蒸気量は4.8グラム
  • 同じく5℃の時6.8グラム
  • 10℃の時9.4グラム
  • 15℃の時12.8グラム
  • 20℃の時17.3グラム

になります。表にすると以下のとおりです。

温度(℃) 飽和水蒸気量(g/m3)
0 4.8
5 6.8
10 9.4
15 12.8
20 17.3

※この数字は決まっていますが、覚える必要はありません。問題に必ず表もしくはグラフとして示されます。

3.例題です

風上側にある山の麓A地点の標高は0メートル、気温20度とする。

山頂にあるB地点の標高は2000メートルとする。

風下側にある山の麓C地点の標高も0メートルである。

なお気温は標高100メートル当たり1℃変わる。ただし雲があれば100メートル当たり0.5℃だけ変化する。

問1.標高何メートルで雲ができる?

標高0メートルにあるA地点の気温が20℃、空気1立方メートル当たり12.8グラムの水蒸気を含んでいる。

このまま山の斜面に沿って空気が上昇するとき、標高何メートル地点で雲ができる(露点に達して水滴ができる)でしょうか。

標高の求め方

上記の数値より、1立方メートル当たり12.8グラムの水蒸気を含むことができる気温は15℃です。

つまり気温が15℃になると露点に達するので、15℃になる標高で雲ができます。

雲のないところでは、標高が100メートル上昇するごとに気温は1℃下がるので、A地点の20℃から15℃に下がるまで、標高は500メートル上がります。

つまり標高500メートルの地点で露点に達し、雲ができます。

答え500m

問2.風下側における気温の求め方

後の計算方法は、中学入試の問題で示した手順と同じです。

山頂の気温の求め方

山頂が2000メートルなので、雲ができたところからさらに1500メートル上がることになります。

500メートルから上は雲ができるので、気温は100mごとに0.5℃下がります。

そのため、標高500メートルの地点より気温は7.5℃下がります。

1500(m)÷100(m)×0.5(℃)=7.5(℃)

つまり山頂では7.5℃になります。

15(℃)-7.5(℃)=7.5(℃)

答え7.5度

風下側C地点の気温の求め方

山を越えると空気は乾燥し、標高100メートル下がるごとに1℃ずつ上がります。

そのため風下側の麓、標高0メートルの地点では気温が20℃上がって27.5℃になります。

2000(m)÷100(m)×1(℃)=20(℃)
7.5(℃)+20.0(℃)=27.5(℃)

答え27.5℃

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速く正確に解く計算力が問われます

フェーン現象の問題は、計算が中心です。基本的なしくみを理解することが大切です。

また限られた時間の中で、いかに速く・かつ正確に解くか。この力も、入試やテストで問われています。

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