
近年、ますます注目度を増している心理学。
「ちょっと興味がある」
「心理学を勉強してみたい」
「自分や自分の身近な人のために学びたい」
そんな人も多いですよね。
ここでは、プロおすすめ!心理学の基礎や基本がわかる、初心者さん向けの本を紹介します。
目次
- 1 初心者向け心理学本選びのポイント
- 2 初心者さんにおすすめの心理学本10選
- 1 『イラスト図解 わかる!使える! はじめての心理学』ゆうきゆう監修
- 2 『決定版 面白いほどよくわかる!心理学 オールカラー』渋谷昌三
- 3 『本当にわかる心理学』植木理恵
- 4 『パンダ先生の心理学図鑑』ポーポー・ポロダクション
- 5 『世界の心理学50の名著 エッセンスを学ぶ』T・バトラー=ボードン
- 6 『ゼロからはじめる! 心理学見るだけノート』齊藤勇監修
- 7 『人の心は思いのまま! マンガ心理学入門』齊藤勇監修
- 8 『マンガでやさしくわかる心理学』横田正夫著/松尾陽子マンガ原作/山鳥おふう作画
- 9 『平松っさんの心理学』高倉みどり
- 10 『心理カウンセラーをめざす人の本 ’18年版』コンデックス情報研究所著/新川田譲監修
- 3 何から読めばいい? 心理学の勉強をはじめるには
- 4 さいごに
初心者向け心理学本選びのポイント
初心者さんが読む心理学の本でおすすめなのは、とりあえずとっつきやすいものです。
心理学を体系的に勉強しようと思うと専門用語が多く、医学や薬学なんかも絡んでくるので、難しく感じがちです。
まずはぱっと見て、直感的に理解できそうな本を選びましょう。
「やさしい」「はじめる」などの初心者タイトルを選ぶ
初心者向けの心理学本は、以下の言葉がタイトルに含まれていることがよくあります。
- やさしい
- はじめる
- わかる など
逆にいえば、心理学を体系的にまとめた専門書にはこういった言葉はまず入っていません。
書店で手にとって選ぶのなら、まずはタイトルがやさしそうなものから手にとってみるといいですね。
事例や場面ごとに解説・紹介されている本を選ぶ
具体的な事例・場面の中で心理学の解説がされている本を選ぶことも大切です。
心理学は学問なので、本当はもっと体系的に学ぶ必要があります。ですが、ぶっちゃけそれはとっても難しい! 絶対挫折します(苦笑)。
なので、初心者さんには、具体的に場面をイメージしながら学べるケースワーク(事例学習)タイプの本がおすすめ。
「こんなときにはこんな心理が働いているよ」という“事例→心理学用語”のパターンになっているものを選ぶようにしてみましょう。
マンガなど読み物でも大丈夫!
マンガで解説されているものはもちろん、心理学を題材にしたストーリー性のあるマンガや小説なども、心理学初心者にはおすすめ。
こういったタイプの本は、ケースワーク(事例学習)ができるうえに、ストーリーといっしょに記憶にも残りやすいからです。
心理学の専門家としてではなく、自身の教養にと考えている人にも生きた知識が得られるのでピッタリですね。
また、専門用語が出てきても難しく感じないので、専門書に手を出してみたけれど読めなかったという人にもおすすめです。
初心者さんにおすすめの心理学本10選
では、プロカウンセラーである私がおすすめする心理学の本をご紹介しましょう。はじめての一冊にピッタリの厳選本です。
『イラスト図解 わかる!使える! はじめての心理学』ゆうきゆう監修
精神科医のゆうきゆう先生が監修している心理学本。イラストが多く、予備知識不要で楽しく読める一冊。
イラストが多く、事例が場面ごとなのでとっつきやすい
はじめて心理学に触れるのなら、絶対おすすめの一冊です。
イラストが多くて直感的にわかりやすく、図版だけでも要点がわかるほど見やすいからです。
さらに特徴的なのが、シーン別&ケース別に解説されているところ。
- 悩み
- 暮らし
- 友だち
- 恋愛
- 仕事
- 人間関係
この6つのシーンに分けて、さらに
- 自慢話ばかりしたがる人には?
- 束縛したくなる理由とは?
といった具体的なケースごとに解説しています。
だから、心理学の予備知識がまったくなくても、具体的な場面をイメージしながら心理学を学べます。
『決定版 面白いほどよくわかる!心理学 オールカラー』渋谷昌三
心理学をさまざまな角度から解説した入門書。社会心理学者・渋谷昌三著の一冊。
心理学をさまざまな方向から知る一冊
この本最大のポイントは、さまざまな角度から心理学を知れる点!
初心者向けの心理学の本は、わかりやすいので行動心理学を中心に書かれているものが一般的です。しかし、うってかわってこの本では、有名な心理学者の考えや心の病気などもテーマに挙げています。
また、参考書かのような色使いもわかりやすく、随所に工夫と配慮が見られるのも注目のポイントですね。
専門的な用語もたくさん出てきますが、色使いや解説イラストがわかりやすいので、内容よりずっとやさしく読めます。
『本当にわかる心理学』植木理恵
「ホンマでっか!?TV」などのテレビ出演も多い、臨床心理士・植木理恵先生の著書。実践で使える心理学を目指すのなら、この一冊。
理論も技法も網羅した、初心者でも実践まで見据えられる心理学入門書
単に心理学に触れるだけでなく、学んだ先に実践を考えているのなら、この本がおすすめです。
「心理学とは」から始まり、「理論」「技法」までしっかりカバー。
技法には、良く使われる認知行動療法のほか、絶食療法や絵画療法など、幅広いアプローチが解説されています。
- 実験
- 観察
- 測定
- 統計
- 数値化
といった科学的根拠をベースにしているので、多少小難しい部分もありますが、科学ベースのトリビア本などを読める人なら大丈夫なレベルです。
これまで哲学寄りな心理学本しか読んだことがなかった人にもおすすめしたい一冊。
『パンダ先生の心理学図鑑』ポーポー・ポロダクション
「人の心を動かすようなおもしろくて楽しい良質なものを作ろう」が生きる、おもしろ心理学本。
心理効果の男女差や個人差まで検証。他にはない切り口の心理学本
切り口がおもしろく、内容が深いのがこの本。
心理効果ごとに解説されていて、
- その効果について、男女差や個人差がどの程度あるのかを表示
- その効果を裏付ける研究について、きっちり解説
- それを使ってみたくなる具体例
までが書かれています。
随所に出てくるパンダ先生にも癒やされます。
そもそも、この本を手がけているポーポー・ポロダクションは、「人の心を動かすようなおもしろくて楽しい良質なものを作ろう」をポリシーに掲げている事業所。難しいことをやさしく楽しく学べる工夫がいっぱいです。
『世界の心理学50の名著 エッセンスを学ぶ』T・バトラー=ボードン
さまざまな心理学の本を斜め読みできるエッセンス本。フロイトやアドラーなど、心理学の名著をぎゅっと凝縮。
心理学の名著を斜め読み。心理学者と名言を知れる一冊
心理学者や心理学の名著を知りたいのなら、ぜひおすすめしたいのがこの本。心理学の名著をざっくりまとめてくれているので、おおまかな心理学の話がわかります。
- 精神分析の創始者と呼ばれるフロイト
- 近年人気のアドラー
など、心理学を築いた先人の古典的名著はもちろん、身近な恋愛や人間関係にスポットをあてた
- 雑学本
- ビジネス本
などもカバー。心理学の世界をぐるっと一周できた気分になります。
心理学にちょっぴり慣れてきた人のセカンド本としてもおすすめです。
『ゼロからはじめる! 心理学見るだけノート』齊藤勇監修
「目に見えない心を、目に見えるように」と視覚情報から心理を解説した、齊藤勇先生監修の一冊。
わかりやすいシチュエーションとイラストで人の心を「見抜く」&「動かす」
学問なんて難しいことはとりあえず置いておいて、すぐに心理学を使ってみたい人にはこの本がおすすめ。
わかりやすい日常のシチュエーションとわかりやすいイラストを使って、心理学の基本が解説されています。
本の柱は、以下の3つ。
- 人間の心理のふしぎ
- 他人の心理を見抜く
- 人の心を動かす
普通に生活していると見えない心の動きを、目に見えるようにわかりやすく解説しているので、あまり難しいことは考えず、スイスイ理解が進むのがうれしい一冊です。
文字が少なくイラストが多めなので、文章が苦手な人にもおすすめの入門書です。
『人の心は思いのまま! マンガ心理学入門』齊藤勇監修
『見るだけノート』と同じく齊藤勇先生監修のマンガ解説本。世渡り上手になるための心理テクニック満載。
マンガ半分、解説半分でわかる使える心理学テクニック
読み物としても、心理学の入門編としてもおもしろいのがこの本。各テーマごとに短い文章解説と図解、さらに直感的にわかるマンガがのっていて、以下の計4章で構成されています。
- 外見を変える
- 舞台を変える
- 質問を変える
- 恋愛心理学
単純に雑学の読み物としても楽しく、同時にしっかりした解説があるので、心理学の入門書としてもおすすめ。
人間関係の心理学にフォーカスされているので、実践もしやすく、理解も進みますね。
とりあえず自分のために、身近なことから学んでみたい人におすすめの一冊です。
『マンガでやさしくわかる心理学』横田正夫著/松尾陽子マンガ原作/山鳥おふう作画
「マンガでやさしくわかる」シリーズのひとつ。比較的、心理学の体系が学べる初心者本。
心理学の全体像を眺めたい初心者さんに最適
心理学をもう少し体系的に見たいと考えるなら、この本がおすすめ。
心理学を体系的に学ぼうとするとかなり難しいので、初心者向けの書籍では事例ごと・シーンごとにまとめられたものが一般的です。
しかし、心理学は単なるノウハウではなくて学問なので、やはり「もう少し全体像を見たい」!と思う人もいるでしょう。その観点からおすすめしたいのがこの本です。
残念ながら、マンガ部分だけを読んでも心理学についてはほとんどわかりませんが、間の解説を読んでいくと心理学についての大まかな知識が得られます。
『平松っさんの心理学』高倉みどり
普通のフィクションマンガだけれど、随所に心理学が登場する、おもしろくてわかりやすい一冊。
登場人物と一緒に心理学を学んでいけるマンガ
専門書ではなく、分類としては青年マンガ。心理学がしっかり学べるので、ぜひおすすめしたいのがこの本です。
というストーリーで、読み物なのにケースごとに心理学を学べます。
心理学をモチーフにしたマンガは他にもありますが、きっちり用語も解説してくれて、お話自体もおもしろいマンガは多くありません。ストーリー性のある心理学の本を選ぶならダントツでコレです。
『心理カウンセラーをめざす人の本 ’18年版』コンデックス情報研究所著/新川田譲監修
臨床心理士・新川田譲さん監修。「心理学を仕事にしたいな」と思ったら、ぜひ読んで欲しい一冊。
漠然と心理学を仕事にしてみたい人が将来のビジョンを描くための本
いろいろ心理学に触れたら、最後に読んで欲しいのがこの一冊。タイトルどおり、心理カウンセラーとして活躍したいと考える人のために書かれた本です。
心理学の基礎用語解説もありますが、仕事の実態や、資格の種類などにまで詳しく解説。
- 自分がどんなフィールドで活躍したいのか
- そのためには、どんな準備が必要なのか
などを具体的に考えられるようになります。
自身や身近な人のために学ぶだけなら必要ありませんが、仕事として目指したいのなら絶対読んで欲しい本ですね。
何から読めばいい? 心理学の勉強をはじめるには
心理学の勉強を始めてみようと思っても、本の種類も多いし、民間資格も増えてきて、何から始めればいいかが悩みですよね。
心理学の勉強を始めたいときには、何から読めばいいでしょうか。
最初はとにかく興味を持って読める本
まずは、どんな心理学の本でも良いので、自分が興味を持って、きちんと理解できる本を1冊読み切ってみることをおすすめします。
心理学は奥が深いので、きちんと勉強しようと思うと案外難しいからです。
難しい本を読むために必要なのが「用語」。聞き慣れない用語への抵抗をなくしておけば、専門の勉強を始めるときにすんなりと頭に入りやすくなります。
だから、とりあえずは抵抗感なく専門用語に触れられる本を読んでみるのがおすすめなのです。無理なく読める本を少しずつステップアップさせて、専門の勉強への素地をつくりましょう。
自分の活躍の場を思い描こう
心理に携わる仕事は多岐に渡ります。
私は教育を中心にカウンセリングを行っていますが、他にも医療や福祉、恋愛にだって心理学の出番がありますよね。
業務も、クライアントへのカウンセリングだけでなく、企業の職場改善提案に、予防的なトレーニング講習や研究の道もあります。
職業にはせず、単に自身や身近な人のために使う人もいるでしょう。
心理学を学んだ先に、自分がそれをどのように活用していきたいのかによって、学ぶべきことも変わってきますね。『心理カウンセラーをめざす人の本 ’18年版』のような本を参考に、目標を決めましょう。
通信講座は活躍のフィールドを決めてから
心理学の需要が高まってきた昨今、心理学の学べる民間資格取得講座も増えています。
私も通信講座で勉強してメンタルケア心理士(※)の資格を取得しましたが、「心理学の予備知識無しのまま一人で学習するのは、結構難しい」と感じました。(※現在は「こころ検定」)
また、心理系の民間資格の中身は、多種多用です。
そのため、資格によっては、
- 思っていた勉強ができなかった
- 活躍の場が自分の思い描くものとかけ離れていた
なんてこともあります。
基礎知識がないまま、やみくもに資格取得の勉強を始めて「思っていたものと違った!」と気がつくのは、お金や時間がもったいないですよね。
なので、まずは興味を持って読める本をいくつか読んで知識を蓄えてから、通信講座を探してみましょう。
さいごに
知っていれば絶対プラスになる心理学。仕事にしてみたい人はもちろんですが、自分自身の日常生活や、一見関係なさそうな仕事にも役に立つことはたくさんあります。
雑学本でもマンガでも、まずは読みやすく理解しやすいものから読んでみれば、きっともっと勉強してみたくなるはず。
人の心の動きを理解して、毎日をもっと充足したものにしてくださいね。