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今回は、5月5日に食べる柏餅の7つの不思議を解明しよう(前編)の続き、後編です。

柏餅の生地と中身のあんについての不思議は、前編でそれなりに解明できました。

そこで次は、柏餅の真の主役とも言える葉っぱの不思議に挑戦しましょう。

不思議4.柏餅の葉っぱの色

柏餅を包んでいる葉っぱ!

これもまた、緑色と茶色のものがあります。

柏餅の餅生地のように、やっぱり着色料を使って、あえて2色のものを用意しているのでしょうか?

生地の色分けと同じように、

  • 緑色の葉っぱは、こしあん入り
  • 茶色の葉っぱは、つぶあん入り

と、葉っぱの色を使い分けて味を区別し、見た目のバランスを整えるお店もあります。

柏餅の緑の葉は鮮度の証

 

実は葉っぱの色は、葉の鮮度そのものを表していると言っても過言ではないでしょう。

そう

  • 緑色の葉っぱは、収穫して間もない青葉
  • 茶色は、収穫後に乾燥させて長期保存を可能にした葉っぱ

なのです。

茶色い葉っぱはこうしてできる

もともと我が国の端午の節句は、旧暦で祝うものでした。

つまり今の6月上旬に行われる単語の節句は、まさしく緑の葉が一面に茂る季節です。

その時季なら、いくらでも立派な柏の葉が集められました。

ところが、今は新暦を使います。

新緑を迎えるころに端午の節句も迎えてしまいます。

すると、まだ柏の葉っぱの成育が十分ととはいえません。

どうしても天然物の柏の葉は、小ぶりなものが主流になってしまいます。

一方で、柏の葉っぱたちが立派に成長するころには、柏餅の需要の最盛期はすっかり終わっています。

なので、そのタイミングで柏の葉が豊作でも意味がありません。

そこで、たくさん収穫できた柏の葉を加熱殺菌した後、キレイに乾燥させ、1年間貯蔵しておくことにしました。

そうすれば、翌年の需要期に再び葉を戻して柏餅に使えるからです。

この場合、銅イオンなどの葉緑素が無くなっているため、茶色の葉っぱの柏餅になってしまうのです。

復活した青葉にご用心!

ということで、青葉ならではの

  • あざやかな色合い
  • いい香り

これらを楽しみたければ、緑色の葉に包まれた柏餅を選ぶべきでしょう。

近ごろは、南国から輸入し、新鮮な生葉を使っているお店も多くあるので、手に入りやすくなっています。

けれど、一つ気を付けないといけないことがあります。

特性青葉などと称される、新たな技法で生まれた緑色の葉っぱの存在があることです。

実は、従来の乾燥葉は、ステンレス釜でボイルしていました。

しかし、それを銅製の釜を使ってボイルすることにより、再び銅イオンを葉っぱに注入することが可能になるんですね。

特に、ボイルと同時にクエン酸を入れておくと、釜の銅イオンを誘引してくれるため、驚くほど容易に柏の葉の緑色を復活させることができるのです。

とはいえ、あくまでも元は乾燥葉ですから、香りまでが戻りません。

見ると嗅ぐとでは大違い!

やはり目でも鼻でも初夏を味わいたいと思われる方は、天然柏葉にこだわるのが大事でしょう。

不思議5.柏餅は柏の葉には包まれていなかった!

なるほど、茶色の葉っぱは、去年の葉っぱであることがわかりました。

それでもまだ、柏の葉に包まれているだけましだと言えるでしょう。

えっ、何を言ってるの?柏餅は、柏の葉に包まれているから柏餅なんじゃない!

と思われる方も多いでしょう。

でも実は、そうとは限らないのです。

それどころか、基本的に柏餅は柏の葉には包まれていません。

柏=コテノガシワ

かしわもちは、漢字で書くと「柏餅」!

これはどこの国語辞典を調べてもそうなっていますから、間違いなさそうです。

ところが、この「柏」という漢字は、本来はヒノキ科に属する針葉樹「コノテガシワ」を示すものです。

今ではコノテガシワ属唯一の現生種となった、ある意味貴重な植物だとも言えます。

コテノガシワは、

  • 芽吹く力が素晴らしく強い
  • 成長が速いのに根がしっかりと発達する
  • 少々の暴風雨にも、害虫の攻撃にも負けない丈夫な木

という特徴を持っています。

そして何と言っても、子供が手を上げたような姿で枝が直立するところから、コテノカシワという名が付けられたのです。

たとえ柏餅が、江戸時代から端午の節句に食べられていたとしても、男の子の健やかで立派な発育を願う一品に用いるには最適だったことでしょう。

実際、葉っぱそのものは、春になれば黄金色に輝き、ますます柏餅の主役の座にふさわしいのでは?という気がします。

<参考>→コノテガシワ – Wikipedia

柏餅は槲(かしわ)餅!!

しかし、このコノテガシワの葉は、クリスマスシーズンになると脚光を浴びるモミの木のような細い葉です。

お餅を包めるような葉ではありません。

実は、私たちが見慣れている柏餅の葉っぱは「槲(かしわ)」と書くブナ科のカシワという木の葉なのです。

しかし、今さら和菓子屋さんの店頭に「槲餅あります!」なんて書いてあればどうでしょうか。

たちまち誤字だと騒ぎ立てられるでしょう。

それに、読めない人も少なくはなさそうですね。

それに何と言っても、千葉県の柏市は、ブナ科のカシワを市の木に指定するとともに、市の名前にまで「柏」の字を用いています。

もはや日本では、「柏ではなく槲である」という誤解を解くのは不可能であると言っても過言ではありません。

一応、Wikipediaにおいても、柏餅 – Wikipediaのページでは、きちんと

厳密には「槲」の字を使うのが正しい。

と、指摘はされています。

では、なぜ漢字が「柏」「槲」の2つあるのでしょうか。

実は漢字発祥の地・中国では、ヒノキ科の植物を柏科と呼んでいます。

それが日本でも引き継がれ、柏の字は、コノテガシワに代表されるようなヒノキ科およびスギ科のさまざまな針葉樹を意味することとされたようです。

とはいえ結局のところ、一般的にそれで知れ渡っているという点から見て、かしわ餅は柏餅でOKなのでしょう。

柏餅でも槲(かしわ)餅でもないかしわ餅も多い!

ということで、柏餅が実は、柏の葉っぱに包まれていなかったというのは、ちょっとびっくりでしたね。

しかし、もっとビックリなことがあります。

実は、柏の葉にも、槲(かしわ)の葉にも包まれていない柏餅が、日本にはたくさん存在するのです!

というのも、実は、西日本(特に中国四国地方)場合、槲の木の自生が元々少ないのです。

特に端午の節句が近づくと柏(槲)の葉っぱの需要が高まりますが、この地域では入手困難に陥りがちなのです。

そこで、「猿捕茨(サルトリイバラ)」の葉っぱを代用していることがよくあります。

サルトリイバラは、丘陵地帯の崖っ縁などで見かける、茎がくにゃくにゃ節ごとに曲がった1メートルから3メートルくらいの木です。

槲の葉より、かなり小降りのややハート型に近いかわいらしい葉っぱに、お餅がくるまれているというよりは挟まれている柏餅!

これを見たら、それはいばら餅の可能性大なのです。

他に、全国の山林で当たり前のように見かけるホウノキやミョウガの葉を使うこともあって、これらは厳密には「しば餅」と呼ぶのだとか・・・!!
<参考>→サルトリイバラ – Wikipedia

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不思議6.柏の葉は食べるのか?食べられるのか?

わたしたちが見慣れている柏餅の葉(槲の葉)ではなく、サルトリイバラに包まれているだけ、まだマシかもしれません。

それどころか、まだ葉っぱで包まれているだけよしとすべきなのが、現代社会の柏餅事情だと思うのです。

実は最近は、経費節減とばかりに、ビニール製の柏の葉もどきに包まれた柏餅もあるからです。

これでは風味も何もあったものではありませんね。

柏餅の葉は食べられるの?

さすがにビニール製の柏の葉は、間違っても食べる人はいないでしょう。

でも、本物の槲の葉だったらどうでしょうか?

桜餅の葉っぱも食べるのだから、柏餅の葉っぱだって食べてもいいんじゃないの!?

そう思う人も多いらしく、実際、召し上がる人は少なくないといいます。

事実、先のWikipediaの柏餅の項にも、

包んでいる葉は個人によっては食べる場合も食べない場合も存在するが、

と記されています。

食べる人がいる以上、柏餅の葉っぱは食べられないものではないのでしょう。

しかし柏餅の葉っぱは、本来食べるために巻いていたのではないようです。

端午の節句は徐々に高温多湿の時期を迎えます。

そのため、江戸時代に柏の葉の持つ高い殺菌力を頼りに使用とした、というのが柏餅誕生の理由のひとつらしいからです。

ようするに、数日間の貯蔵や手で持って食べるときの抗菌対策だったというのです。

なので、柏餅の葉っぱは元々食べるために巻くおむすびの海苔のような役割ではなく、ラップのような役割を担うものだということなんだろう、と思われます。

柏餅の葉は食べる?

実際問題、柏餅の葉は、槲という大木の葉っぱですからね、見るからに筋も多くて硬そうですし、食べる物ではないでしょう。

とはいえ先述の通り、茶色になった柏餅の葉は一度乾燥させたものを茹でたり蒸したりして使いますから、青葉に比べれば、しなやかさはあります。

そのためか、人生何ごとも経験とばかりに、一度は柏餅を葉っぱごと食べることにチャレンジした人は思いのほか多くいます。

その人たちの感想として、「やっぱりまずい!美味しくない」という答えが、圧倒的多数なのです。

よって、毎回きちんと食べる方はごく少数派で、どうしても食べてみたければ一度食べれば十分ということになるのではないでしょうか?

もちろん、無理をして食べるものではないので、おいしくお餅だけ召し上がればいいと思います。

不思議7.なんで柏餅は槲の葉に包まれているの?

さあ、柏餅の七不思議、いよいよ最後の謎の解明です。

これが分かればきっと、端午の節句にどうして柏餅を食べるのかという答えも出そうですよ。

柏の葉で生を継ぎ、姓を継ぐ!

そもそも、なぜ、槲の葉に包んだお餅なんぞが登場したのでしょうか?

その理由の一つは、先述の通り、槲の葉の持つ高い殺菌作用を利用したいということです。

柿の葉寿司や笹団子と同じような保存食としての用途ですね。

ですから、無理に槲の葉でなくても、笹や柿の葉でも良かったのかもしれません。

実際、同じ端午の節句に食べるちまきは笹の葉で包まれていますよね。

しかし、槲の葉は、秋になると紅葉するものの、他の木のように、その後に葉が枯れ、キレイに落ちるということはありません。

その大半は、茶色くなって、見た目はみすぼらしくても、しっかりと枝にしがみつき、新芽が出たのを見届けてからようやくその一生を終えるのです。

つまり、その木が丸裸になることがない!

そこから、子孫繁栄と共に、代々我が家の名が途絶えることなく継続していきますようにと願って槲の葉を使った、という一つの仮説が成り立つことになりました。

こうして、生を継ぎ、姓を継ぐべく男の子の健やかな成長を祝う端午の節句の祝いの品として用いられるようになったのです。

はやい話が、もともと柏餅は、端午の節句のために編み出された季節限定のスイーツだったんですねぇ!!

だから、5月5日に食べるんです。

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