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前回、台風教室6時間目 ビューフォート風力階級を知ろう!という事で、世界共通の風の強さの基準というものを学習しました。
しかし、各国には、それとは別に、独自の風土や表現にマッチする風の強さのレベルを示す指標のようなもの、が存在します。そして、台風爆弾低気圧など、強風を伴う悪天候の際には、それを使って予報や状況を伝えているのです。

日本の風の強さのレベル

日本の気象庁でも、強風時の風の強さの目安を分かりやすく伝えるため、2000年(平成12年)に風の強さと吹き方という参考資料を作成しました。その後、何度か改正が繰り返され、今使用されているのは、2013年(平成25年)に改められたものです。
これにおいては、風の強さを強い風・やや強い風・非常に強い風・猛烈な風と4つに区分し、さらに、風速10m/sから40m/s以上まで、5m/sごとに7段階に分けて、どのような危険があるかを明確にしています。ちなみに、その目安は、日本風工学会瞬間風速と人や街の様子との関係を参考にしたもので、かなり信憑性は高いでしょう。
それでは、日本における風の強さのレベルを一つずつ解説しましょう。

レベル1・・・風速10~15m/s やや強い風

時速に換算すると約50km/hで、予想される最大瞬間風速は20m/s!

人はどうなる?

向かい風の中で歩きにくくなる!傘が飛ばされたり壊れたりする!

木や建造物はどうなる?

樹木全体が揺れる!電線が揺れる!樋が揺れる!

交通はどうなる?

車は、道路の吹流しの角度が水平になり、高速運転中では横風に流される感覚を受ける!基本的に鉄道への影響はない!

レベル2・・・風速15~20m/s 強い風

時速に換算すると約70km/hで、予想される最大瞬間風速は30m/s!

人はどうなる?

向かい風の中で歩けなくなり、転ぶ可能性あり!高所での作業は非常に危険!

木や建造物はどうなる?

電線が唸る!雨戸やシャッターが揺れる!取り付けの悪い看板やトタン板が飛ぶ!屋根瓦や屋根葺材が剥がれる可能性あり!

交通はどうなる?

車は、高速運転中には横風に流される感覚が大きくなる!一部の有料道路では速度規制が出る!一部の新幹線と在来線・私鉄では、速度規制が出る!

レベル3・・・風速20~25m/s 非常に強い風

時速に換算すると約90km/hで、予想される最大瞬間風速は40m/s!

人はどうなる?

子供は立っていられない・歩けない!大人も何かに捕まっていないと自力では立っていられない・前屈みになりながらでなければ歩けない!飛来物によって負傷するおそれあり!

木や建造物はどうなる?

細い木の幹が折れたり、根の張っていない木が倒れる可能性あり!看板が飛んだり落下したりする!道路標識が傾き、劣化の激しいものは折れる!屋根瓦や屋根葺材が飛ぶ可能性あり!固定されていないプレハブ小屋は動いたり倒れたりする!ビニールハウスのフィルムが広範囲に渡って破れる!

交通はどうなる?

車は、通常の速度で運転するのが困難になる!多くの有料道路で速度規制が出る!一部の有料道路で通行止めになる!多くの新幹線と在来線・私鉄で速度規制や運転見合わせが出る!

レベル4・・・25~30m/s 非常に強い風

時速に換算すると約110km/hで、予想される最大瞬間風速は40~50m/s!

人はどうなる?

何かに捕まっていても飛ばされる可能性あり!自力では歩けない!もはや屋外は危険!

木や建造物はどうなる?

テレビアンテナが倒れる!煙突や瓦が吹き飛ばされる!固定の不十分な金属屋根の葺材は剥がれる可能性あり!養生の不十分な仮設足場は崩壊する!

交通はどうなる?

走行中のトラックが横転する可能性あり!多くの高速道路で速度規制や通行止めが出る!多くの新幹線と在来線・私鉄が運転見合わせになる!

レベル5・・・風速30~35m/s 猛烈な風

時速に換算すると約125km/hで、予想される最大瞬間風速は50m/s!

人はどうなる?

屋外での行動は自殺行為!

木や建物はどうなる?

雨戸が外れる!古い家や土台のしっかりしていない家は倒壊する可能性あり!

交通はどうなる?

車が飛ばされる!ほぼ全ての高速道路で通行止めになる!ほぼ全ての鉄道が運転見合わせになる!

レベル6・・・風速35~40m/s 猛烈な風

時速に換算すると(約140km/h)で、予想される最大瞬間風速は60m/s!

人はどうなる?

外出厳禁!

木や建造物はどうなる?

倒れる樹木が続出!電柱や街灯が倒れる可能性あり!ブロック壁が倒壊する!外装材が広範囲にわたって飛び散り、下地材が露出する建物が続出する!

交通はどうなる?

多くの一般道で速度規制や通行止めが出る!

レベル7・・・風速40m/s以上 猛烈な風

時速に換算すると約140km/h~以上で、予想される最大瞬間風速は60m/s以上!

人はどうなる?

100%飛ばされる!

木や建物はどうなる?

石が飛び散る!木造家屋を中心に倒壊する家屋が続出!鉄骨構造物でも変形する可能性あり!

交通はどうなる?

電車が横転する!

やっぱりやっぱり風は怖い!

いかがですか? 前回の風力階級でも、やっぱり風は怖いと痛感させられましたが、さらにその思いが強くなったのではないでしょうか? 特にこうして見てみると、そう言えば、車が飛んだり、バスやトラックが横転しているのをテレビのニュースで見た事があるという方は少なくないはず!!中々実感の湧いて来る風の強さの目安です。そこで次回は、これを踏まえ、台風の大きさの基準を勉強しましょう。

<参考>→気象庁|予報用語 風の強さと吹き方

https://youtu.be/ziklD-tDvjw
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