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厚生労働省は2016年10月12日、来る東京オリンピック・パラリンピックへの対策として、受動喫煙の防止案を明らかにしました。これまでの努力規定から、罰則を含めた強化策を検討するとのこと。

吸わない人にとっては嬉しいことですが、喫煙者の権利を剥奪することはないのか。もちろん喫煙者もマナーを守ることが原則です。しかし受動喫煙の害に関する公平な情報提供があると言えるのでしょうか。

これまでは努力規定でした

タバコの煙が気になる人は昔からいました。しかし大きく情勢が変わったのは、健康増進法が発効された2002年です。とはいえ当時は、国民に健康を押し付けている!事実上の禁煙法だ!揶揄されたのも事実です。

同法は受動喫煙の防止を謳っています。具体的には学校、病院、事務所、役所、飲食店などのように不特定多数が集まる場所では喫煙席を別途設けるべし!そうした努力規定があります。

もちろん努力すればよいのです。頑張ってます!それでOKです。ただしそうした中途半端な対応だと、バッシングされます。そのためコーヒーショップなどでは喫煙席と分けられていますね。

黒船が来た?

法律でどこまで決めるべきか。喫煙者の権利もあります。日本専売公社のままなら国が介入できたでしょう。しかし日本たばこ産業株式会社JTは1985年に設立です。民間企業の業務を妨害できない?タバコ農家への補償も深刻です。

うやむやにして何とか乗り切れそうでしたけど、そこへまた黒船?2020年東京オリンピック・パラリンピックがやってきます。外圧で制度を変えるのは、日本のお家芸でもありますから。

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喫煙者が少数なら多数決の原理

日本は世界的にみれば民主主義国家です。ならば多数決によって決めることも重要なのでしょう。つまり現在の喫煙率はどの程度なのか?喫煙者が少数であれば、一定の制限を設けるべきでしょう。

例えば厚生労働省の「国民健康栄養調査」では2013年の喫煙率が男性32.2%、女性8.2%でした。一方でJTによる統計では同年の男性32.2%、女性10.5%でした。いずれにしても喫煙者はマイノリティだということがわかります。

特に女性において非喫煙者が大多数を占めます。であれば喫煙者が肩身の狭い思いをしても仕方ないのかもしれません。とはいえ民主主義の原則は、別の側面も?すなわち少数者の意見も斟酌すべし!

民主主義国家であれば異なる意見の人たちと共存することが求められます。だからこそ国際化が成立するのでしょう。ならばうまい方法による分煙がベストの選択と言えるはずです。

受動喫煙を防止すべき理由は

1.医学的に考えれば完全禁煙は必須

タバコの有害性を否定することはできないようです。百歩譲ったとしても、タバコは百害あって一利なし!お酒のような言い訳はできないようです。唯一挙げるとすれば、本人のリラックス効果でしょう。タバコミュニケーションもある?

とはいえ医学的に考えれば、完全禁煙が必須です。大麻などよりもタバコは習慣性があります。タバコが止められない理由は、ニコチン中毒だからです。故に気合ではなく、お医者さんと一緒に禁煙すべきなのです。

こちらもありがちなのが喫煙している医師や看護師です。患者さんと雑談しながら喫煙所でタバコを吸っているシーンは、傍から見るとギャクでもあります。

2.教育上も完全禁煙すべきか

一方で教育上の問題もあります。子供の健全な成育を考えれば、学校も禁煙すべきです。昭和の時代は、職員室でタバコを吸いながら生徒に、タバコを吸うな!お説教していました。でも説得力はなかったですね。

子供も悪知恵があります。平成の世は、先生も潔癖にすべし!ならば喫煙所を作るのではなく、学校は完全に禁煙!ただし少数意見を排除するのは教育的にどうなのか?言い出したらキリがないのも事実です。

3.交通機関などの密室では火事が心配

新幹線や飛行機が禁煙になって久しいですね。喫煙者の苦労を思うと、かわいそうではあります。もちろん喫煙者本人の健康を考えれば、数時間であっても吸わない時間を持つべきなのでしょう。

特に気密性の高い飛行機や電車内などは臭いが充満します。電車内でハンバーガーを食べる人?デパートで買ったお惣菜の臭いが漏れ出てる?化粧や香水など、通勤電車ならこちらも規制してほしいですね。

ただし心配なのは、昔の中学生のように隠れて吸うことです。飛行機のトイレや新幹線のデッキ部分で吸う人が未だにいるとか?健康以外でも火事や事故の問題があるので、気を付けてもらいたい点です。

4.お店では死活問題になりそう

多数決で考えれば喫茶店や居酒屋などの飲食店はどうすべきなのか。市場規模で考えれば、非喫煙者の方が多い。ならば完全禁煙した方が売り上げが伸びるのかもしれません。

ただしグループの中に1人でも喫煙者がいれば、そのお店は選ばれなくなる?もっと怖いのは、常連さんを失うことでしょう。裏切り行為にも匹敵するからです。ならば焼き肉や焼き鳥、焼き魚の煙はどうなのか?

スケープゴートの可能性もある

1.路上喫煙こそ規制すべきでは

お店や交通機関などの密閉空間では一定のルールができつつあります。とはいえ未だに減らないのは路上喫煙、歩きタバコです。夜の住宅街など、たぶん家では吸えない人達が、最後の一服?ゆっくりと吸っている光景が見られます。

観察していると、多くの人はポイ捨てします。受動喫煙も困りますが、こちらの方が嫌ですね。後に残るからです。雨に濡れたら最悪です。散歩の犬が舐めてしまう?躾の問題かもしれませんが、危険です。

開放空間かもしれませんが、紫煙は流れてきます。喉が弱い人は敏感です。突然咽こんでしまうケースもあります。施設内の防止対策よりも圧倒的多数と考えられる路上喫煙こそ対応すべきでしょう。それがなければ今まで通りザル法です。

2.結局はオリンピックファーストか

今回の規制強化は、オリンピックファースト?東京都民にとっては複雑です。もちろん東京都は他の道府県に比べてお金が潤沢にあります。多少の無駄遣いがあっても行政上の問題はありません。

しかしオリンピックパラリンピックのために膨大な予算が費やされる!アスリートや子供達にとっては夢のような話でしょうが、本当に大多数を占める国民のためになるのか?

1964年の東京オリンピックは、戦後復興、経済成長!終わった後も施設を有効活用できました。おかげで新幹線や高速道路が整備されました。とはいえ2020年以降は、廃墟が増えるだけ?建築屋と政治家が儲かるだけ?批判があります。

JTが我慢すれば、日本で受動喫煙防止を強化しても困るところはないのでしょう。しかしオリンピック・パラリンピックがあるから受動喫煙防止を急げ!ちょっと違和感があるのは否めない事実です。

3.本当に受動喫煙は危険なのか

そもそも論になりますが、本当に受動喫煙は危険なのでしょうか。もちろん国立がん研究センターなどがもっともらしい統計を出しています。受動喫煙がある人は肺がんリスクが1.3倍になるとか。

統計を見る場合、数字が持つ意味について注意する必要があります。例えばがんは国民の半分が罹る病気!とはいえ長寿になれば当たり前の話です。また肺がんの発症年齢は、60歳以降で増加する!不思議ではないですね。

さらに1.3倍、言い換えると3割増です。これは多いのか?ただしヘビースモーカーでも肺がんに罹らない人もいます。がんは遺伝や体質、生活習慣なども少なからぬ要因です。受動喫煙だけのせいにするのは弱い者いじめかもしれません。
参考
受動喫煙で年間1.5万人が死亡している?データを読み解く
がん患者は2016年に100万人を突破?統計の裏には何がある

電気タバコも対象になる

タバコ業界のホットな話題として、電気タバコ・電子タバコがあります。つまり火を使わないタバコです。紫煙が出ないので、こちらも分煙の対象にすべきなのか?議論が分かれる点です。

とはいえ分類上、紫煙が出なくてもタバコはタバコのようです。当面は規制の対象になるようです。

外野からの素朴な感情ですが、電子タバコでもタバコを吸っている気分になるのでしょうか?潔くない?何のために吸っているのでしょうかね。
参考「電子タバコは健康に問題ない?普及するか?

罰則は効果的なのか

罰を与えないと人間は止めない?しかし死刑制度があっても殺人犯は減らない!極論ではありますが、罰則規定は効果的なのでしょうか。

だったら、そもそも論になりますが、常習性が極めて強いタバコ自体を世界的に禁止すべきなのでしょう。タバコのパッケージにわざとらしくメッセージを記すのは、滑稽です。

とはいえ財務省は、たばこ税が減る!だから罰金で帳尻を合わせる?一番困るのはここかもしれません。

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