
デフレの影響もあるでしょうが、ちまたには「格安」の文字が並んでいます。とはいえ、それに誘われてしまうとトラブルにあうかもしれません。日本人は「ただ」「サービス」に弱いですね。しかしその裏事情を知るべきです。後から「だまされた!」言ってもお金は戻りません。
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「てるみくらぶ」の事件は人ごとでない
衝撃的?ある意味では起きて当然!格安旅行が好きな人たちの間で有名だった「てるみくらぶ」が2017年3月27日、自己破産を申請して倒産しました。芸能人でも利用者は多かったようです。
倒産した瞬間にも海外旅行中だった人が大勢いたとか。慣れていない人は当地でパニックだったでしょう。
- ホテルから宿泊を拒否される!
- 追加料金を払わされた!
- 帰りの飛行機に乗れない!
クレジットカードがあれば急場をしのげるでしょうが、バックパッカーならどうするか?
そもそも、生粋の?バックパッカーなら、てるみくらぶを選ぶことはなかったでしょう。
そういう差!裏事情を知っているか?が運命を分けたのかもしれません。とはいえ、人ごとではありません。いつでもどこでも、この瞬間でも、同じことが起きている可能性があるのです。
格安には裏があると知るべし
格安!そこには裏事情があります。言い換えると、正規料金では売れない!その理由を考えるべきでしょう。サービスのただ乗りは危険です。知らぬが仏?無知ほど怖いものはない!
1.格安チケットは余り物です
格安航空券の初心に戻るべし!
つまり格安航空券とは、パックツアーに原点があります。
↓
航空会社:その代わり席を埋めてね!
↓
とはいえ、すべてが売れるわけではない!
↓
旅行会社:そこで安く仕入れたチケットを個人に販売した!
これがすべての始まりです。
そもそもは、余り物のチケットです。
空で飛行機を飛ばすよりは、安くても乗ってくれ!そういう思いで投げ売りしている航空券のことです。たとえば飛行機に乗れば、空港で何かを買ってくれるかもしれません。そうしたオマケも大切なのです。
言い換えると、格安チケットが常にあるとは限りません。てるみくらぶが失敗した背景には、航空会社がチケットを余らせないように飛行機を小型化させたこともあるようです。余り物を中小の旅行会社が争って奪い合う!今現在、既にこんな状況に陥っています。
2.サービスが制限される
安いなら、サービスが制限されます。もちろんチェックインすれば、正規料金の客と同等の機内サービスを受けられます。これは格安航空会社LCCとの大きな違いでもあります。とはいえ、搭乗手続きを済ませるまでは何が起きても不思議はありません。
たとえば、後述するようなオーバーブッキングは当たり前です。そのため、少しでも早くチェックインを済ませるべきです。また天候不良などで飛行機が飛ばなかった場合、キャンセル待ちは正規料金の人優先です。後回しになる可能性は大です。
これは昨今はやりとなっているスマホの格安SIMも同じ原理です。こちらも注意しましょう。契約してから、そんなはずでは?後悔しても始まりません。使い勝手を考えれば、結果的に値段の差はない?逆に割高となるかもしれません。
3.オーバーブッキングは当たり前
2017年4月9日アメリカで衝撃的な事件が起きました。著名な航空会社であるユナイテッド航空でオーバーブッキングが発生!乗客が無理やり飛行機から引きずり降ろされました。こんなことがありえるのか!映像を見た人は、ショックでしたね。
そもそもオーバーブッキングとは何でしょうか。航空会社はあらかじめキャンセルが発生することを見込んで、座席数よりも多めの予約を受けています。そのためANAやJALではなくなったようですが、国際線ではリコンファームをするのが当たり前です。
リコンファームとは、同フライトに搭乗する意思があることを事前に連絡することです。予約の再確認とも呼ばれます。これをしておかないと、当該便を予約しているにもかかわらず乗れないことがあります。私もかつてそれで大失敗した経験があります。国際線恐るべし!
しかしオーバーブッキングが生まれる背景には、お客側の問題もあります。昨今話題になった宅配便でも同じですが、安易にキャンセルしすぎです。格安航空券の予約もドタキャンが多いのです。だから航空会社も過剰に予約を確保します。悪循環が進みます。
今回のトラブルが起きた遠因には、お客側のマナーもあるのでしょう。結局は自分たちの首を絞めている!そういうことを自覚すべきです。
消費者に予防策はあるのか
格安被害にあわないために、消費者ができる予防策はあるのでしょうか。
1.信頼できる会社を選ぼう
当たり前ではありますが、信頼できる旅行会社を選びましょう。そういう意味では大手を選ぶべきです。もちろん大手でもリスクはあります。とはいえ、倒産する確率は低いでしょう。とくに初心者であれば、旅行しない人でも知っているような超有名企業にお願いしましょう。
言い換えると、ネットだけの会社は信頼できるのか?便利の裏にはリスクがあります。トラブルがあった際に、問い合わせ先がわからない!最後は人と人の関係が大切です。窓口での対面販売をおろそかにしてはいけないのでしょう。
2.予約を過信してはいけない
予約した!とはいえ、それで安心してはいけません。最終目的地に着くまで過信は禁物です。時を同じくして起きたユナイテッド航空での事件、格安チケットなら優先的に、降りろ!もしくはチェックインを後回しにされる可能性は大です。
また上述のように、リコンファームの必要性を事前にチェックしておきましょう。その際は、航空会社の連絡先をメモしておくべきです。短期の旅行なら、空港に到着した時にリコンファームしておくことをオススメします。
3.添乗員を信じてはいけない
現地の添乗員が同行します!これも信用しきってよいのでしょうか?小さなツアーであっても、だからこそ?行きたくもない、そして安くもないお土産屋さんで時間つぶしをされます。ついつい何かを買ってしまう?結果的に割高!
また添乗員は、トラブルがあった際、逃げてしまいます。そうなると味方はいません。これも私自身の経験から得た教訓です。彼らも生活が懸かっている!自身を守ることを優先します。完全アウェー状態を乗り切れる資金力と語学力、コミュニケーション力が試されます。
4.そもそもリスクがあると覚悟する
格安航空券が登場した時を思い出しましょう。原点に戻るべきです。リスクがある!だから安い!そうしたことを覚悟しておくべきです。そもそもそんな値段で飛行機に乗れたり有名なホテルに泊まれると考える時点でアウト!絶好のカモ状態です。
もちろんお金を払っている!言いたいでしょうが、正規のお金なのか?自分が航空会社やホテルの立場なら?どうでしょうか。ならばそんな金額で売るな!お叱りを受けるかもしれませんが、それがビジネスです。
格安航空券で得したこともあったはずです。自分が被害にあった時だけ怒るのは、いかがなものでしょうか。お互い持ちつ持たれつです。たとえば、お釣りを多くもらうと黙っているけど、少ないと文句を言う!自分勝手な話です。
5.大使館や領事館の場所をチェックすべし
海外旅行する際、その国のどこに日本大使館もしくは領事館があるか?チェックしていますか。今回の事件であらためて思いました。こんなトラブルが起きたらどうすべきか?お金がなかったら?路頭に迷ってしまいます。
そんな際には、大使館もしくは領事館へ駆け込みましょう。大使館は国の代表組織ですが、領事館の仕事は、当該国における短期旅行者を含めた在留邦人を守ることです。小さな国では大使館しかないこともありますが、最悪の場合は助けてもらえます。事前に調べておきましょう。
なお路頭に迷っても、最終的にはビザが切れます。入国管理法違反?結果的に強制送還!安心してください。日本には帰れますよ。そう割り切ることも必要なのかもしれません。ただし国交がない国であれば、半永久的に拘留される可能性もあります。注意しましょう。
トラブルこそ旅行の醍醐味(だいごみ)
トラブルにあった人にはお見舞い申し上げますが、そうしたトラブルこそが旅行の醍醐味でもあります。そもそも格安航空券の原点に戻れば、何らの不思議もない?大騒ぎすることでもないのでしょう。それをどうやって克服するか?武勇伝がまたひとつ、生まれるのです。