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昨今は駅のホームから転落する人が増えています。痴漢を疑われ線路を走って逃げる事例もありました。

また、ラッシュ時にホームのギリギリを歩いていると電車に接触する危険もあります。

参考「人身事故が多いですね。しかし起こしてはいけない5つの理由

その対策として、JRをはじめとした電鉄各社はホームドアの設置を急いでいます。

とはいえ、首都圏では未だ普及していません。安全第一ではありますが、ホームドア設置駅が増えない理由は何でしょうか。

参考「人身事故に出遭ってしまった!対応策は5つです

ホームドアとは

ホームドアとは、電車のホームに設置する自動ドア付きの仕切り柵です。電車が到着し、車両のドアが開いている時だけ開きます。

通常は1メートル程度の高さなので、乗り越えようと思えば乗り越えられます。

とはいえ、衝動的な自殺・歩きスマホやケンカ・視覚障害者の転落を防ぐには十分です。

一方で地下鉄や地下駅の場合は、ホーム自体をすっぽりと包む、事実上関係者以外は線路に入れないタイプのホームドアもあります。これをフルスクリーンタイプと言います。

フルスクリーンタイプの台場駅ホームドア

ちなみに日本で初めてホームドアを設置したのは1974年、東海道新幹線の熱海駅です。通過する車両の風圧が危険だということで設置が決まったようです。

現在の普及率

新しい路線に関しては開業と同時にホームドアが設置されています。

たとえば

  • 神戸新交通ポートアイランド(1981年)
  • 営団地下鉄南北線(1991年)
  • 多摩都市モノレール(1998年)

などです。

しかし在来線では2000年以降から順次設置が始まっています。

国土交通省の統計によれば、2016年度末現在でホームドアが設置されている駅は686だけです。
[PDF]ホームドア設置駅数の推移|国土交通省

日本には貨物専用を除いても9000駅以上あると言われています。

もちろん新宿駅などのように複数のホームがある場合には、一部(小田急線)のホームだけにホームドアが設置されているという事例も珍しくありません。

そのため普及という意味ではまだまだです。

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ホームドアが普及しない理由

ホームドアの必要性が叫ばれる一方で、普及が進まない理由は何でしょうか。

1.費用が高い

第一の理由は、もちろん費用が高いことです。

駅の長さにもよりますが、1ホーム当たり数千万円するとも言われています。

コストパフォーマンスを考えれば、乗客数の多い駅を優先することになるでしょう。不採算路線なら後回しです。

ここで大事な問題は、ホームドアの設置費用を誰が負担するのか?です。

もちろん、ホームの所有者である電鉄各社でしょう。事故が起きて責任を追及されるのは電鉄会社です。

とはいえ公共交通機関であれば、国や地方自治体からの補助も必要です。

一方で設置費用を乗客が負担する?

ホームドア設置のために運賃を上げます!」皆さんは納得できるでしょうか。

昨今相次ぐ架線事故など、インフラの老朽化は待ったなしです。その改修費用は誰が責任を持つべきなのでしょうか。

参考「電気工事士を目指せ!電気系技術者の不足が深刻化しています

2.重量にホームの基礎が耐えられない

意外に知られていない事実は、ホームドアが重いということです。その重量にホームの基礎が耐えられない可能性があるようです。

設置したが故に、ホームや線路が歪んだり、ホームドアが崩れて乗客や電車にぶつかれば、大事故になります。

この基盤工事からやり直すとなれば、コストはさらにアップします。

工事のためには一部運休する必要があるかもしれません。一時の不便が将来の安全安心につながるなら、我慢すべきなのでしょうか。

もちろん昨今は軽量化できるアルミを使ったホームドアも開発されています。

将来的には、より軽くて丈夫な炭素繊維やプラスチックを利用したタイプも登場するでしょう。それを待つのも一法です。

3.駅にスペースがない

都心の駅は狭いです。数人が並んだらいっぱいになる駅が少なくありません。

そこへさらにホームドアを設置したら、お客さんが歩けなくなるでしょう。朝夕の混雑が一層激しくなります。

かつては白線が引かれていましたが、今は黄色い点字ブロックが電車を待つラインになっています。その位置にホームドアは設置されます。圧迫感もあります。

ホームの両側に設置するとなれば、きゅうくつな感じがするのは否めません。

もちろん都心ならホームの拡張は不可能です。ただし最近は「開かずの踏切」を解消するために、私鉄などで線路や駅を地下もしくは高架に移す事例があります。

そうした根本的な解決策も必要です。

4.車両ごとにドアの数や位置が違う

JR東日本では、朝夕の混雑解消のために6ドア車両を導入しました。

ラッシュ時には椅子も折りたたみ立ち客専用になります。1両当たりの乗客数が増え、乗降も楽になりました。

さらに乗降しやすいようにドアの横幅を広くした車両もあります。

画期的に思えましたが、ホームドア設置に際しては失敗でした。なぜなら、車両ごとにドアの数や位置が違うからです。

つまり、ホームドアの位置は設置したときに決まります。固定されます。車両ごとにホームドアの位置を移動させるような臨機応変な変更はできないのです。

JRでホームドア設置が進まない、隠れた理由です。

そのため今後は、ドア数が同じ車両にそろえる方針です。結果論ではありますが、コスト高になってしまったようです。

そうした長期的な展望が必要です。

ちなみに特急電車は、車両の前と後ろにしかドアがありません。新幹線ならば専用ホームがありますが、在来線は、普通・特急のホームを共用する駅が少なくありません。

特急専用のホームを作るとなると、これも難題です。

5.設置する時間がない

ホームドア工事をいつするか?これも切実な問題です。

つまり設置には、資材の搬入を含めて時間がかかります。終電が23時台に終わる路線なら比較的簡単かもしれませんが、首都圏ならば、設置をするまとまった時間がありません。

ホームドアの設置工事は、基本的に終電後から始発までの間にします。

とはいえ都心の路線では、夜中の1時頃に終電があり、3時間後の4時過ぎには始発が走ります。

たった数時間で設置するのは、人海戦術であっても大変です。

そのためお客さんの少ない日曜日や祝日の午前中などを運休して設置することもあるようです。同一駅でもホームごとに日を改めることも珍しくありません。

6.技術的課題が多い

センサー技術が向上しており、ホームドア設置に関するトラブルはあまり起きていないようです。

とはいえ、駆け込み乗車に失敗したら?ホームドアと電車の扉、2段階ではさまれるリスクがあります。

逆にホームドアと車両の間に取り残されるリスクはないのでしょうか。

またホームドアにベビーカーや車いすがはさまったら?

もちろん利用者側の注意も不可欠です。

日中はホームに駅員さんがいないことも多いです。曲がったホームなら車掌さんの死角もあります。

どこまで自動化技術に頼れるのか?人工知能AIが活躍してくれるのでしょうか。

7.そもそも本当にニーズはあるのか

上述のコストパフォーマンスとも関係しますが、本当にホームドアを設置するニーズはあるのでしょうか。

転落事故が起きる度にホームドアがないことを非難しますが、あれば本当に防げたのでしょうか。

一方で、ホームドアにはさまれる事故が起きたら?世論は一斉にホームドア非難に回るかもしれません。匿名の傍観者である世論を聞く中途半端な調査ほど無責任なものはありません。

ドア数を増やす車両の開発など、電鉄各社は努力をしています。とはいえ、時代の変化の方が速いようです。

10年後には、画期的な技術が生まれているかもしれないし、逆にホームドア不要論が出ている可能性も否めません。さらなる二度手間は避けたいです。

何を優先すべきなのか

公共交通機関の使命は、安全第一です。とはいえ民間企業です。採算度外視のことはできません。

お金を出せば何でもできますが、そのお金は誰が出すのでしょうか。

そもそも利用客がしっかりしていれば、ほとんどの転落事故は防げます。

いい加減な行動をしてれば、結果的に運賃が上がります。

優先すべきなのは、一人ひとりのモラル向上なのかもしれません。

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