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2018年9月6日未明、最大震度7の地震が北海道を襲いました。

地震の影響で、一時は全道が停電する事態となりましたが、道内の発電所の復旧や本州からの電力で、少しずつ復旧しているようです。

この電力復旧をする今のタイミングに、テレビで盛んに注意するよう呼びかけられている、ある言葉があります。

それが、通電火災

電気が復旧したときに火事になる場合があるので、気をつけてください!」と注意を促しているのです。

では、通電火災とは何で、どうして起こるのでしょうか。

この記事では、

  • 通電火災の起こる原因
  • 通電火災の防止法・対策

について、くわしく解説します。

通電火災とは

通電火災とは、電気が通って起こる火災のことです。

大規模な地震などの災害で起こった停電が復旧するときに発生する火事を指します。

阪神・淡路大震災で知られるようになった

通電火災が注目されるようになったのは、阪神・淡路大震災のころです。

神戸市のウェブサイトには、以下のように説明されています。

この火災が注目されたのは21年前の阪神・淡路大震災の時でした。阪神・淡路大震災では神戸市内で157件の建物火災が発生しましたが、原因が特定できた55件のうち35件が電気火災と最も多く、そのうち33件が通電火災でした。

このように、阪神・淡路大震災により、大規模震災後には通電火災が起こることが一般的に知られるようになりました。

通電火災の経緯

どのように通電火災が起こるのか、その経緯を見てみましょう。

  1. 大規模地震で停電する
  2. 使用していた家電製品のコンセントを抜かない(抜けない)まま避難し、留守にする
  3. 宅内が地震発生時と同じ状態のまま、電力が復旧する
  4. 電熱器具に電気が通る
  5. その周りにある紙などの燃えやすい物が過熱されて、出火

大震災後の停電後は、避難や買い出しなど、自宅を離れなくてはいけない事情がでてきます。

地震のショックや停電で、家電のコードがコンセントに差したままであることを気にしている余裕はないでしょう。

通電火災の原因

いつも電気を使っているときには起こらないのに、どうして地震の後に電気が通るだけで火事になるのでしょうか。

通電火災の原因は、大きくわけて4つあります。

1.地震発生時に使っていた電熱器具による火災

地震が発生したときに使っていた電熱器具が原因で、通電火災を起こすことがあります。電力が復旧したときに、電熱器具に通電し、燃えやすい物が過熱されて出火するからです。

電熱器具とは

出火の原因となる電熱器具の一例をあげてみましょう。

  • アイロン
  • ドライヤー
  • 電気ストーブ
  • オーブントースター
  • 観賞魚用ヒーター など

安全装置が正常に作動しない

「でも、電熱器具が倒れたり温度が上がりすぎたら、電源が切れる装置がついてなかったっけ?」と思う人もいるでしょう。

そうです。通常なら、電熱器具にはサーモスタットという過熱防止装置、転倒時電源オフなどの安全装置が付いています。

しかし、正常に装置が動くのは地震が起こっていないときの話です。地震が起こると、安全装置が正常に動かないこともあります。

  • 地震の衝撃による故障
  • 地震時の宅内の状態や落下物などが原因で、正しく作動しない

こういった原因で作動してしまった電熱器具によって、通電火災が起こることがあるのです。

2.配線がショートすることによって起こる火災

電源コードや配線がショートすることで火花が飛んで、火事になることもあります。

地震の衝撃や、落下物などにより、電源コードや配線が一部断線したり、傷ついたりするためです。たとえば、重たいタンスが倒れて、コンセントに差したままのコードを押さえつけていて破損する場合などが考えられます。

ショートすると、バチっと音がして火花が飛びます。その火花が、散乱した室内の燃えやすい紙やホコリなどに引火して、火事が起こるのです。

筆者は、古くなったテーブルタップをショートさせたことがあります。偶然、コードのショートした部分に重なっていた服が焦げてしまい、怖い思いをしました。

3.コンセントに水などの液体がこぼれて漏電

「地震の揺れで、熱帯魚水槽の水がこぼれた!」

これは、2018年6月に起きた大阪北部地震での筆者の経験です。

水槽は倒れませんでしたが、海水が大量に床にこぼれてしまいました。

こんなふうに、地震で液体がこぼれるのは起こりやすい被害でしょう。

  • 水槽や花びん、化粧水などの液体がこぼれる
  • 容器が割れて液体が漏れる

運悪く、その液体がコンセントにかかってしまったら…。それが通電火災の原因になりうるのは、簡単に想像できますね。

4.ガス漏れが発生しているところに通電して発火

ガスを使っているおうちで注意してほしいのが、コレです。

ガス漏れが発生している最中に電力が復旧し、ショートした火花が飛んだらどうなるでしょうか。

火花がガスに引火して、自宅が燃えてしまいます。最悪、爆発する可能性もあるでしょう。

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通電火災が怖い理由

通電火災は、とても危険だということを理解していただけたと思います。

しかし、通電火災が怖い理由はこれだけではありません。

それは、火事が起こるタイミングにあります。

時間差で火災を起こす

通電火災が怖い理由は、地震が起きてしばらくしてから出火するからです。停電→電力復旧までしばらく時間があるので、通電火災は時間差で起こるのです。

発見・初期消火が遅れる

通電火災が時間差で起こるということは、避難後、誰もいない家で火事が起こる可能性が高くなります

そのため、火事の発見・初期消火が遅れてしまうのです。

避難して誰もいないなら、人に被害が無いかもしれません。

でも、火事の発見・初期消火が遅れます。物が散乱した宅内なら、燃えやすいものに次々と引火するでしょう。

通電火災は、気づいたときには火や煙が外からわかるくらいになっている場合が多いのです。

近隣の建物にも引火してしまうかも

もし、あなたの家が通電火災によって出火したとしたら、どうなるでしょうか。

あなたの家が燃えることははもちろん、となり近所の建物にも火が燃え広がってしまうかもしれません。天候によっては、飛び火によって広範囲で火事になる場合もあります。

このように、通電火災は自分の家だけの問題ではないのです。

通電火災を起こさないための対策法

地震後、通電火災で自宅がなくなったら、生活再建はさらに大変なものとなります。そうならないためにも、通電火災を起こさないように対策をしておかなければなりません。

地震後の通電火災は防げる災害です。日ごろからきちんと対策しておけば、あなたの財産を守れるのです。

ブレーカーを落としてから避難する

一番カンタンな通電火災の対策法は、ブレーカーを落としてから避難することです。

停電から復旧したときに、家電製品に通電しないようにしておくためです。

これで、あなたが自宅を留守にしている間の通電火災を防げます。

感震ブレーカーを設置する

「大震災があれば、気が動転して、ブレーカーを落とすことなんて忘れてしまうと思う…」と考える人もいるでしょう。

そんなあなたは、ブレーカーごと変えてしまうことをおすすめします。

感震ブレーカーという、地震の揺れでブレーカーが落ちる装置を持ったブレーカーに取り替えるのです。

これを使えば、震度5以上の揺れで、自動的にブレーカーを落としてくれます。

ただし、少々お値段が高いことが難点です。

パナソニックのウェブサイトによると、希望小売価格16,500円〈税抜〉からでした。しかも、すでにパナソニック製の分電盤が設置されていないといけません。新設するとなると、3万円以上はかかります。

それに、電気工事士による設置工事が必要なので、別途工事費も必要になるでしょう。

これだけの出費で、自宅などの財産が守れるなら、安いものとも考えられます。とはいえ、痛い出費には違いありません。

ちょっと悩みどころですね。

スイッチ断ボールIIIを使う

もっと手軽でお安く、ブレーカーを落とす方法はないのか。

よくよく調べてみると、スイッチ断ボールIIIという、器具があることがわかりました。

これは、家のブレーカーに取り付けるだけで、震度5から自宅のブレーカーを自動で落としてくれるように設定できる装置です。(震度6・震度7で落としてくれる設定も可能)

スイッチ断ボールIIIを使えば、家のブレーカーがカンタンに簡易の感震ブレーカーに早変わりします。

しくみは、ブレーカーにボール(おもり)を取り付け、地震が起きたときにおもりが動いて、ブレーカーのスイッチを落としてくれるというもの。

単純なしくみなので、大丈夫?と思うかもしれませんが、単純だからこそ確実に作動して、あなたの財産を守ってくれるのです。

取り付けは自分でできますし、ひとつ3,240円で買えます。

こんなに手軽で安いのに、あなたの財産を守ってくれるなら、試してみる価値はありますね。

ブレーカーを上げるときの注意点

避難後に自宅に戻って、電気を使う際は以下の点をチェックしてからブレーカーを戻しましょう。

  • 電気機器やコードが損傷していないか
  • 倒れた電気機器・電熱器具がないか
  • 周りに燃えやすいものがないか

電気機器・コードの損傷チェック

損傷した電気機器やコードがあれば、使ってはいけません。コンセントを抜きましょう。

倒れた電気機器・電熱器具のチェック

倒れた電機機器など、正常な置き方になっていない電気機器・電熱器具は火災の原因になります。こちらも元に戻して、安全に使えるかチェックしましょう。

周りの燃えやすいものをチェック

また、気づかず損傷していた電気機器がショートしたり、発火するかもしれないので、周りに燃えやすいものがあれば片付けておきましょう。

問題を取り除いてからブレーカーを上げる

以上をチェックしてから、ブレーカーを上げて、電気が正常に使えているか確認してください。

見た目に問題が無くても、大地震の後のことです。異音やヘンな臭いがするなど、何か異変を感じたら、すぐに電気機器(場合によっては、電気)の使用を中止しましょう。

通電火災は防げる災害!

大規模地震が起こったら、命を守ることが第一。それに気が動転してしまって、通電火災の危険や、ブレーカーを落とすことは忘れてしまいがちです。

なので、地震が起こる前からの準備で通電火災を防ぐことが大切です。

先に説明したとおり、通電火災は防げます。この記事を読んだ今から準備を始めてください。

今ならまだ間に合います。あなたの財産を守る為に、対策をはじめましょう。

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