スポンサーリンク

桜祭りは花祭りではありません。

4月の京都と言えば花祭り! という事で、全国各地から本当に大勢の観光客が押し寄せます。
ところが、彼ら彼女らは、神社であっても、お寺であっても、さらには、公園や河川敷であってもOK!
とにかく桜の名所と呼ばれるようなところで何かしらのイベントをやっていれば、これが京都の花祭りとばかりに喜ぶと言うから困ったものです。

そもそも花祭りたるもの、神社や公園でひらかれてはたまったものではありません。
何しろ、花祭りというのは、我らが仏教徒の敬うべきお釈迦様の誕生日パーティーなのです。
やはりお寺できちんとお祝いするのが礼儀というものでしょう。

という事で、速い話、桜の花見で盛り上がるのは、あくまでも桜祭りであって、決して花祭りでないという事だけは知っておいて頂きたいものです。

お釈迦様の誕生日いつ?

今更ながらではありますが、4月8日がこの世に仏教を開いたお釈迦様のお生まれになった日です。
仏教大国日本に生まれ、且つ、仏教徒であるなら、やはりきちんとお祝いして差し上げたいではありませんか!!

クリスマスは知っているのに、花祭りは知らない!

日本人の多くは仏教徒でありながらも、イエスキリストの誕生日であるクリスマスを盛大に祝います。
恐らく、12月24日がイブで、翌25日がクリスマスであるという事をご存じない方は殆どいらっしゃらないでしょう。
にも関わらず、4月8日のお釈迦様の誕生日となると、ついつい忘れるのはまだいい方で、端から知らないという方も思いのほか多いと言うからビックリですね。
これでは、当日開かれる花祭りが今一盛り上がりに欠けるのも、ある意味、致し方のないところなのかも知れません。

日本人は何故、キリストの誕生日ばかり重要視するのか?特に敬虔なる仏教徒の方にしてみれば、腑に落ちないところだろうと思われます。
けれど、今更それを攻めても、正しく釈迦に説法! 単に煩がられるだけです。そこで、取り敢えずは花祭りの意義と知名度を広める事が大切でしょう。

花祭りを知ろう!

キリストの誕生日であるクリスマスとは大違いで、どうしても見過ごされがちなお釈迦様の誕生日4月8日!
けれど、花祭りについてのあれこれが少しでも分かれば、きっと興味も湧くはずで、今年は気にしてみようと思われる方も多少なりとも増えるのではないでしょうか?

正式には灌仏会

お釈迦様のバースデーをお祝いする花祭りは、正式には「灌仏会(かんぶつえ)」と言い、日蓮正宗派(にちれんしょうしゅうは)以外のお寺では、大切な大切な年中行事です。
そのため、様々な呼称と風習を各寺院ごとに持っている事も確かでしょう。
まず、呼び名としては、「降誕会(ごうたんえ)」や「仏生会(ぶっしょうえ)」、あるいは「浴仏会(よくぶつえ)」、「龍華会(りゅうげえ)」などと、いかにも仰々しい名前を付けているところもあれば、花祭りと同様、「花会式(はなえしき)」と、親しみ安い呼び方をしているところもあります。

灌仏会法要ってどんなもの?

花祭りこと灌仏会には、呼び名がいろいろあるように、その風習も独自のスタイルを確立しているお寺は少なくありません。とは言え、基本的な灌仏会法要はどこも似たようなものだと思っておいて頂いてOKです。

灌仏会法要の基本スタイル

多くの寺院では、灌仏会の当日になると、まずは何はともあれ、境内に沢山の草花で飾り付けをし、「花御堂(はなみどう)」と呼ばれる特別な空間を作ります。
そして、その中に「灌仏桶(かんぶつおけ)」と呼ばれるこれまた特別なバスタブを設置すると、そこになんと、清らかな水や温泉ではなく、健康茶として知られる甘茶(あまちゃ)をなみなみと張るのであります。
勿論これは、主役となる各お寺の仏様のために準備したお風呂ですから、普段は本堂に安置されている仏像様方にお入り頂きます。

何故、甘茶のお風呂なの?

初めて見る人には、思わず目が点の仏様の甘茶入浴ですが、実はこの習わしは、お釈迦様が旧暦の4月8日に生誕された際、9匹の竜たちが寄り集まり、天から清浄な水を降り注ぎ、それを産湯にして身を清められたという伝承に基づくものです。
だったら、何も、甘茶でなくてもいいんじゃないの? そう思われる方も多い事でしょう。実際、今でも清浄な水というのは比較的手に入りやすいものですし、もしかしたら、温泉の方が喜ばれるかも知れません。
ただ、一説によると、天竜が降り注いだ水は清浄な水だったとは言え、何故かほのかな甘みや香りを持っていたというのです。

甘茶で無病息災祈願

どうやら、お釈迦様がお使いになった産湯は、今で言うフレーバーウォーターみたいなものだったのでしょう。
そこで、お釈迦様の故郷であるインドでは、元々香水(こうずい)と呼ばれるお香を焚いて香り付けをした水で仏様に沐浴して頂いていたらしく、日本でもそれに習い、江戸時代までは、「五香水(ごこうすい)」や「五食水(ごしょくすい)」と呼ばれるお香の香り漂う水が使用されていたと言います。
しかし、江戸時代に入り、日本の中部産地にのみ自生する「アマチャ」と呼ばれるユキノシタ科の落葉低木ガクアジサイの変種の薬草の強い甘みと殺菌作用が注目を集めるようになりました。
そこで、その甘茶に誕生日仏像を浸ける事により、悪い虫からお守りするようになったのです。
そう、正しく仏様の無病息災を願うという訳ですね。
<参考>→灌仏会 – Wikipedia

灌仏会の+1行事の稚児行列

ところで、イエスキリストの生誕を祝うクリスマスにおいては、ミッションスクールを中心に、聖母マリア様を主役にした劇やパレードが多く開かれますが、お釈迦様の生誕を祝う花祭りには、そのような風習はないのでしょうか? いえいえ、決してそんな事はありません。
灌仏会でもまた、お釈迦様の母であるマーヤ様や白い象を主役にしたパレードが開かれるところも少なくないのです。
特に、白象はマーヤ様が自分のおなかの中に入る夢を見た瞬間、仏の申し子であるお釈迦様を身ごもったと言われ、花祭りでは誕生日仏像に次ぐ第2の主人公とも言われる存在!
そこで、幼い子供たちが、白い象を引っ張って門前町を練り歩く稚児行列は、付属の幼稚園や保育園を持つ仏閣を中心に、灌仏会の+1行事として頻繁に行われています。
<参考>→甘茶を飲む灌仏会の行事について学びましょう!(ALL You NeeD Is InformaTion Blog)

京都のお勧め灌仏会スポットベスト3

という事で、4月8日になると、奈良の東大寺や東京浅草の浅草寺、そして、鎌倉の極楽寺などなど、全国各地の有名なお寺では、必ずと言っていいほど、灌仏会法要が行われます。
中でも、数多くの大きなお寺が軒を連ねる京都市内は、正に花祭りラッシュ! 至るところで様々なイベントを楽しみ、甘茶の振る舞いを受ける事が出来るのです。
そんな甘茶を旦那や彼氏に飲ませれば、悪い虫が付かなくなるかも・・・!?
ただ、どこも大体開催時間が同じであるため、灌仏会の梯子というのは難しいでしょう。
そこで、取り敢えず初心者にお勧めという何カ所かをご紹介しておきたいと思います。

京都のお勧め灌仏会1、やっぱり釈迦堂で!

お釈迦様のお誕生日を気合いを入れて祝いたければ、やっぱり釈迦堂でしょう!
しかし、京都市内には2つの釈迦堂があって、市街地に位置する上京区の“千本釈迦堂”こと「大報恩寺(だいほうおんじ)」は、毎年旧暦の4月8日に当たる5月8日に灌仏会を開催するため、いきなりですが、今回のお勧め候補からは脱落です。
よって、もう一つの“嵯峨釈迦堂”の名で親しまれる右京区の「清凉寺(せいりょうじ)」を推薦します。
こちらは、毎月8日にお釈迦様の生誕を喜ぶ8日法要というのが開かれているのですが、本家本元の生誕日に当たる4月8日は、ご多分に漏れず、花御堂が組まれ、「お花まつり」と称した本格的な灌仏会が行われます。

また、本堂前には地元の嵯峨仏徒連盟によって白象もお目見えし、運が良ければ、満開の桜の中で本当に華やかな花祭りを楽しむ事が出来るのです。
加えて、光源氏ゆかりの名所の一つである事などもあって、女性には特に喜ばれるスポットでしょう。
<詳細>→嵯峨釈迦堂「清凉寺」年中行事千本釈迦堂「大報恩寺年中行事」

京都のお勧め灌仏会2、やっぱり総本山で!

西の嵯峨野路と並んで、京都を代表する散策スポット東山のスタートラインとも言えるポジションに聳えるのが、法然上人の教えを今も大切に受け継ぐ浄土宗の総本山「知恩院(ちおんいん)」です。
という事で、こちらの灌仏会法要は、やはり花御堂を作って甘茶でお祝いという一見ありきたりのものではありますが、流石、寺院の風格が違いますから、実に厳かで重みのある時が流れます。
正に大人の花祭りが味わえる場所であると言っても過言ではないでしょう。

ただし、浄土真宗派の方にとっては、いささか抵抗があるかも知れません。
ですので、その場合は京都駅近くの下京区にある「西本願寺(にしほんがんじ)」の灌仏会に参加されるといいでしょう。
こちらでは、参拝者が誕生仏像に甘茶を掛け、一緒に無病息災を祈る事が出来ます。

尚、同じく浄土真宗派の「東本願寺(ひがしほんがんじ)」の灌仏会は、稚児行列付きですが、先の千本釈迦堂と同様、旧暦で行われるため、今年は4月29日の昭和の日です。
<詳細>→「総本山知恩院」行事・法要INDEX浄土真宗本願寺派「西本願寺」本願寺の一年「東本願寺 東山浄苑」年中行事

京都のお勧め灌仏会3、やっぱり楽しい誕生日会で!

ここまで読んで、今年は是非、京都の本当の花祭りを楽しんでみようと思われた方は少なくない事でしょう。
ただ、やっぱりまだ少々敷居が高いという方には、ドーンと一発!今風の簡閲会をお勧めします。

実際、もっと若者に花祭りに対する理解と親しみを持って欲しいという事で、京都の龍谷大学では、伏見区にある深草キャンパスを中心に、毎年4月上旬、様々な灌仏会イベントを開催しています。

流石にこちらは、堅苦しい行事もそこそこに、楽しくなくっちゃバースデーパーティーじゃないというのを絵に描いたような賑やかなイベント!!
可愛らしい稚児行列ならぬ、学生たちの仮装行列さながらのユニークなパレードがあったり、軽音サークルによる演奏会があったりします。
勿論、甘茶の振る舞いもあって、その他、クイズ大会もあれば、手作り数珠や手作り華葩(けは)の教室もあるので、家族みんなで楽しい花祭りの一日を過ごす事が出来るでしょう。
<詳細>→「龍谷大学(りゅうこくだいがく)」花まつり(灌仏会)

スポンサーリンク