
大手企業が密かにやっている研究があります。
それは人工光合成です。
何故か?
光合成は究極のエネルギー製造工場だからです。
原始的ではありますが、確実な仕組みです。
それが効率よく安価にできるなら?
エネルギー問題は一気に解決できそうです。
一方で二酸化炭素を削減する技術としても注目されています。
では人工光合成に関する研究の現状はどうなのか?
実用化は可能なのでしょうか。
光合成とは
小学校の理科を復習しましょう。
植物は葉緑体を持っています。
葉っぱなどが緑色に見える理由でもあります。
そこで光合成が行われています。
具体的な仕組みとは?
空気中の二酸化炭素を葉の裏にある気孔から取り入れます。
また根から水分を吸収します。
これらを材料に、太陽光を変換エネルギーとして使います。
すると栄養分であるデンプンが作られる!
結果として酸素という廃棄物が出ます。
この一連の過程が光合成です。
これができるのは?
自然界では葉緑体を持っている植物だけです。
研究の現状は
人間自体が光合成できるとよいですね。
食べる必要がなくなります。
するとダイエットも不要ですね。
もちろん食べる楽しみも失せてしまいますが。
では大手企業は実際にどこまで研究しているのでしょうか。
1 東芝
人工光合成に取り組んでいる企業として、東芝があります。
材料は二酸化炭素と水であることに変わりはありません。
しかし太陽光をエネルギーとして取り入れる装置をどうするか?
太陽光発電みたいな話です。
そこで東芝は金ナノ触媒を用いています。
なお光合成で大切なことは?
このエネルギー変換効率がどの程度か?
東芝ではエネルギー変換効率を1.5%にしました。
低い数字と思いますか?
とはいえ自然の植物もその程度です。
最もエネルギー効率が高いとされるサトウキビでも最大5%!
案外太陽光エネルギーは無駄にされているのです。
一方で光合成の産物として作り出しているのは何か?
東芝は一酸化炭素を目指しています。
一酸化炭素は猛毒ですが?
それでも二酸化炭素を除去する技術として有望視されています。
2 豊田中央研究所
一方の雄は豊田中央研究所です。
お気づきの人もいるでしょう。
トヨタ自動車の関連企業です。
人工光合成が実用化すれば?
二酸化炭素を出さない車が作れそうですね。
ならばエネルギー変換の仕組みはどうなのか?
豊田ではCO2光還元触媒というのを開発しました。
金属錯体を利用しています。
ちなみに錯体とは?
ちょっと難しい話ですが、
金属と非金属元素が結合した化合物の一種です。
なお豊田では光合成によって何を作っているのか?
主に蟻酸です。
こちらも耳慣れない物質ですね。
名前の通りアリが持っている有機化合物の一種です。
しかし極めて基本的な炭素化合物でもあります。
そこから応用例は限りがありません。
気になるエネルギー変換効率はどの程度か?
植物を超えた!
4.6%に達したようです。
後はコスト削減ですね。
3 パナソニック
人工光合成の分野ではパナソニックが老舗かも。
独自に人工光合成の技術を開発しています。
使うのは窒化ガリウムと呼ばれる半導体です。
また触媒には酸化ニッケルを利用します。
人工光合成の研究に際しては、この触媒をどうするか?
そこが大切です。
企業ごとの拘り?違いにもなっています。
なお生産物としては蟻酸や一酸化炭素のようです。
しかし将来的にはメタンを目指しているとか?
一方で変換効率は如何に?
1%に達しています。
触媒如何でこれは大きく変わります。
家電メーカーとしての底地からに期待しましょう
人工光合成は何のため
人工光合成は何のためにやるのでしょうか。
現状では主に二酸化炭素の削減を目指しているようです。
これは2020年頃には実用化したい!
どの企業そう考えているようです。
取り組んでいる企業の性格としてはそうでしょうね。
しかし光合成は栄養物を作り出す仕組みです。
将来的には食糧問題にも取り組んで欲しいですね。