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2017年のイグノーベル賞で日本人が生物学賞を受賞しました。現在の性別観念を超越する事実を見つけたようです。

そもそも性別、オスとメスの違いは何でしょうか。

正しい性別など本当はないのかもしれません。

本物のノーベル賞にも値する発見です。

オスとメスの定義

オスとメス、科学的な定義はあるのでしょうか。

たとえば、

  • 相対的に大きな生殖細胞、つまり卵(らん※)を作る方がメス
  • 小さな生殖細胞、つまり精子を作る方がオス

と呼ばれます。(※最近は「卵子」ではなく「卵」と称するケースが増えています)

そのため現状では見つかっていないようですが、卵より大きな精子を作る生物種があれば、その場合、オスとメスという呼び方が逆になるのでしょう。

なお卵が大きく精子が小さい理由は、鶏の卵でわかるように、卵には子供が成長するための栄養分が詰まっています。

一方で精子の役割は、単に遺伝子を運ぶだけです。そういう意味でオスは無責任なのでしょうか。

オスは精子をまき散らす?メスは一つの卵を大切に育てる?

種によって異なりますが、それが生物として、子孫を残す大切な戦略でもあります。

そこに倫理が入ると面倒になります。あくまでも生物学の話です。

有性生殖とは何か

1.無性生殖から有性生殖が生まれる

生物進化の初期は、細胞分裂によって数を増やしていました。

現在でも単細胞生物は分裂によって増殖します。これを無性生殖と呼びます。

アブラムシでも一部で無性生殖が行われています。

とはいえいつからか、オスとメス、つまり2つの性を作り出す戦略が生まれました。

オスとメスで個別に生殖活動を行い遺伝子を出し合って子孫に伝える!これが有性生殖です。

では、なぜ性別は二種類なのか?三種類以上にならなかったのか?

もちろん二種類だけでも、多様性が生み出せたからでしょう。

しかし三種類の性別を持つ生物が、見つかっていないだけで、どこかにいるかもしれません。

2.有性生殖のメリット

有性生殖のメリットは、遺伝子をシャッフルできることです。そのため多様性のある子孫を残せます。

たとえば、現在の環境条件が続くならば、今のままがいいのでしょう。

しかし大きく環境が変化すれば、つまり天変地異などが起きれば、多様性があるほど生き残る確率は高まります。

さまざまな可能性を持つ子供をたくさん残しておく、どれかが当たるだろう!宝くじ的な戦略を行っているのが有性生殖です。

人間の諸活動によって絶滅の危機に瀕(ひん)する生物種もいます。

とはいえ知的に長けた個体があれば、人間に歯向かう?人間の裏を突くことで生き延びることもできるでしょう。

都会に住み着くハクビシンやカラスなどが典型例かもしれません。

3.有性生殖のデメリット

有性生殖は、コスパに合わないリスクの多い戦略と考えられています。

その理由となる有性生殖のデメリットは以下のとおりです。

パートナー探し

有性生殖のデメリットは、パートナーを探す!人間界でもありがちな非常に面倒なシステムを有することです。

自然界においても望ましいパートナーに出会える確率は低いでしょう。

セミのように成虫期間が1週間程度と短ければ、異性に出会うことなく死んでしまうこともまれではありません。

意外とそちらの方が多いかもしれません。

遺伝ミスや劣勢(潜性)遺伝子の集積

さらに遺伝子の交換は本当に正しい行為なのか?

遺伝のミスを起こしたり、近親交配を続けると、劣性(潜性)遺伝子が集積して致死的な結果を生むこともあります。

参考「遺伝用語の「優性」「劣性」は「顕性」「潜性」に変更されます

4.有性生殖ではオスの方が派手

人間は女性の方が派手?これは生物界において特殊な事例です。

つまり、自然界では一般的にオスの方が派手です。

ニワトリやクジャクなどの鳥類、カブトムシやクワガタ、チョウもオスの方が目立ちますし、メスのセミは鳴きません。

ほ乳類であってもライオンのたてがみ、ゾウアザラシのようにオスは大きさがまったく違います。

つまり、オスであることを誇張するようになっています。

これに関してハンディキャップ理論というのがあります。

つまり「私は目立つ存在というハンディがあっても自然界で生きられるほどの力がありますよ」そう主張しているようです。

力のあるオスほどメスからパートナーとして選ばれやすいからです。

自然界では強いオスが比較的多くの子孫を残しますが、中には、どさくさに紛れてメスと交わるちゃっかりオスも少なくありません。

この点は見習うべきかもしれませんが。

5.無性生殖でも多様性は生まれる

無性生殖だと遺伝的多様性は保てないのでしょうか?

とはいえ、抗生物質の薬剤耐性やウイルスの変異で見られるように、単細胞生物でも遺伝子の多様化はあります。

もちろん世代交代が速いからではありますが、有性生殖が必ずしも有利だとは断言できないでしょう。

遺伝子の複製ミスは毎回のように起きています。

それが優位に働くか、致命的なダメージになるか、それはまさに時の運です。

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生殖突起を持つメスがいた

有性生殖を行う種では、交尾と呼ばれる生殖行動があります。

通常の交尾において、オスが生殖突起(交尾器官)をメスの体内に挿入し、遺伝子が詰まった精子をメスに伝えます。

これは体内受精をするほとんどの生物において同じです。

しかしブラジルの洞窟で、逆パターンの昆虫が見つかりました。

トリカヘチャタテと呼ばれる3ミリほどの虫は、メスが交尾器官をオスの体内に挿入し、その管を通じてオスから精子と栄養を受け取るようです。

この発見がイグノーベル賞に選ばれました。

出すのではなく吸い込むので、交尾には時間がかかるようです。平均して1回の交尾に40時間以上かかるとか?2日以上です。

もちろん子孫を残すために生死をかけた大切な営みです。

オスがメスに栄養を与える、エサと引き換えに交尾できる、もしくは交尾後に食べられる事例は多々あります。

とはいえ、直接オスから栄養をもらっているのは、ある意味で合理的かもしれません。そのついでに精子ももらう?どちらが先だったのか?わかりません。

性的マイノリティは必然的結果かも

人間の話に飛躍させると面倒になります。一部の過激な人たちが騒ぎ出すからです。

とはいえ、あくまでも生物学的に考えてみましょう。

現在でも同一部族内だけで結婚する集団があります。伝統的な生活を続けるなら、急激な遺伝的変化は不要です。

とはいえ、近親交配は避けたいでしょう。そこで隣部族から女性を略奪する!経験的に学習していたのでしょう。

日本を含めた、いわゆる先進国は環境が大きく変わりました。

国際結婚も普通になり、遺伝的多様性が広がります。ならば、性的マイノリティの登場は必然的結果なのかもしれません。

もちろん子孫を残せるか?難しいでしょう。

ただし昔も今も、同性愛者はいます。男色は武士のたしなみでもありました。どこかにそうした遺伝子が受け継がれてきたのでしょう。

ということは、人間にとって必要な資質なのかもしれません。

異質な存在は社会で阻害された歴史があります。それが集団を保つために必要でした。

しかし、今は考え方にも多様性が生まれました。そういう意味では、いい時代になった?人間の進化が始まるのかもしれません。

人間は進化しない不思議な種です

ホモ・サピエンス、つまり現在の人間は、非常に特殊な生物です。

北極圏などの極寒地から赤道などの熱帯地域まで、実に多様な環境に適応しています。

これだけ異なる環境下で生存でき、それでも相互交配能力を持つ、極めて稀な生物です。

通常ここまで生息分布を広げると、亜種が生まれます。

生物の教科書に載っているように地域的隔離ができ、お互い同士の繁殖能力が失われ、新しい種が成立するはずです。

とはいえ人間は、人種や民族を問わず、子孫を残せます。

なぜ、こんなことができたのでしょうか?

もちろん世代サイクル、一個体当たりの寿命が他の種に比べて長いことも原因でしょう。有性生殖で遺伝子を拡散した結果でもあります。

有性生殖は望ましい方法なのか

科学とは、ある意味で、人間が考えたものです。自然の様子を調べて、とりあえず法則化しただけです。

だから、生物界では例外が多いのも事実です。自然は人間の思い通りには進んでいないのです。

反論がないから正論!それだけです。

そのため有性生殖が望ましい方法なのか?資本主義と同じく、現状において有効なシステムである!そういうだけです。

今後は第三の性が生まれる可能性もあります。生き物とは、生き延びるために驚くほど多彩な戦略を考えてきたからです。
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