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1メートルとは何か?誰が決めたのか?

科学的根拠はあるのでしょうか。考えてみれば不思議な話です。誰もが長さの単位について疑いません。

とはいえアメリカに行けば、世界標準とは全く異なるインチやマイルを使います。

そもそも長さとは何でしょうか。

長さとは何か

長さとは何か?

数学で言う長さとは「2点間の距離」です。

では距離とは何か?

これを言い出すと堂々巡りになってしまいます。

そのため「長さ」は、定義できない基本的な用語、先験的な、自明なものと考えます。

時間の長さなど哲学的な話になります。

参考「タイムマシンはできるのか?時間と空間について

とはいえ、いつから人間は長さを気にするようになったのでしょうか。

たぶん物欲と関係してくるのでしょう。「他人より多くの土地を確保したい!」比べる基準が必要です。

古代から、縄に結び目を作ったり、特別な棒を使った長さを測る方法はありました。

だからこそエジプトのピラミッドを筆頭とする遺跡群が正確に建てられたのでしょう。どんぶり勘定でやっていれば、早々に崩れていたはずです。

最古の単位はキュビット

最初の単位とも言われるのが約8000年前のメソポタミアで使われていたと考えられるキュビットです。

時代によって前後はありますが、1キュビット約50cmです。およそ腕の長さです。ちなみに私のわきから手首まで、約50cmです。

キュビットの2倍、つまりダブルキュビットが今の1メートルもしくは1ヤードの基準になったとも言われています。

民族的に身体の大きさに違いがあるので、ずれが生じたのかもしれません。

なお古代ローマでは、若干今とのずれはありますが、インチ・フィート・マイルに該当する単位が用いられていたようです。

長さでも、すべての道はローマに通じる、のでしょうか。

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長さは絶対的なものなのか

1.定規の長さは同じなのか

自宅にあるものさしや定規の目盛りを比べてみたことはありますか。ぴったりと同じでしょうか?

我が家にある竹製のものさしとプラスチック製の定規を比べてみると、若干ではありますが、ズレているような気がします。

もちろん日常生活では数ミリ程度の違いなら気にならないでしょう。

1メートル当たり1ミリずれていたとしても、大きな影響はなさそうです。気にする必要もないし、実際に気にしていませんね。

そう考えると、長さとは絶対的なものなのでしょうか。

ただし潔癖症の人は、物の位置が1ミリでもずれるとイライラする?

精密機械を作る際には必要かもしれませんが、全体が同じようにずれていれば、系統誤差と言いますが、これなら問題ありません。

2.定規とものさしは違う

ちなみに、定規とものさしは同じでしょうか。厳密には違うようです。

定規は線を描くもの

たとえば定規とは、主に線を描くために用いられる道具です。

どちらかといえば付いている目盛りは正確とは言えません。

三角定規や製図で用いるT定規、デザインで使う雲定規などがありますが、あくまでも線を描くものです。

ものさしは長さを測るもの

一方でものさしとは、長さを測るための道具です。

厳密に言うと、線を描く際には使えません。厳しい先生だと、ものさしで線を描いていると、ものさしで叩かれる?かもしれません。

ものさしには、

  • ステンレス製の直尺(ちょくしゃく)
  • 軟らかいプラスチック製の巻き尺
  • 大工さんなどが使う折れ曲がった折尺(おりじゃく)

などがあります。

3.長さは伸び縮みする

アインシュタインが唱える相対性理論によれば、長さは伸び縮みします。

つまり物体が高速で動くと、長さが進行方向に対して縮みます。理論上は、光の0.6倍の速さで進むと、長さは2割短くなるようです。

アインシュタインは

「時間も長さも絶対的ではない!観測者によって異なる」

と考えました。これが相対性と言われる理由です。

もちろん人間には感知できない違いですが、スマホの位置情報にも使われているGPSは、相対性理論が生かされています。

長さの単位は国によって違う

1.メートルが国際単位です

現代の日本ではメートル法が採用されています。

つまり1メートルを単位として、1000メートルが1キロメートルです。

逆に1000分の1メートルが1ミリメートルです。そして100分の1メートルを1センチメートルと呼びます。

ちなみにキロは、1000倍を現わす単位であり、キログラム、キロバイトと同じです。

またミリは1000分の1、センチは100分の1、さらにデシは10分の1を意味します。

メートル法は国際的な長さの単位です。日本では明治時代から採用されています。

当時のヨーロッパから導入されたようです。第二次世界大戦後の日本はアメリカに統治されましたが、メートル法は譲らなかったようです。

2.アメリカではインチやマイルを使います

世界の中心とも言えるようなアメリカでは、日常生活でメートル法を採用していません。

大国であるが故に、我が道を進めるのでしょう。そのためアメリカ製のジーンズや靴を買うと、サイズがわかりづらいですね。

アメリカでは

  • インチ(約2.54cm)
  • フィート(約30.48cm、12インチ)
  • ヤード(約91.44cm、3フィート)
  • マイル(約1.61km、1760ヤード)

を使っています。現状ではアメリカだけがこの単位のようです。

3.今でも寸や尺、間を使うことがある

日本でも独特の単位があります。

たとえば、わら人形に打ち付けるのは五寸釘!つまり、日本では尺貫法がありました。

具体的には

  • 1寸が約3.03cm
  • 10寸=1尺で約30.3cm
  • 10尺=1丈で約3.03m

です。

ここから6進法になりますが、6尺=1間(けん)これが約1.818mです。間は今でも何となく使われています。畳や窓、扉の長さは約1.8m、幅は0.9mです。

さらに、1町=60間=360尺で約109.09m、そして1里=36町で約3.9kmです。ただし、地域によって若干の違いがあります。

1メートルとは何か

1.地球の円周の4000万分の1が1メートル

1メートルはどうやって決められたのでしょうか?科学的な根拠はあるのでしょうか。

一番初めは1791年、地球の子午線に当たる北極点から赤道までの長さの1000万分の1を1メートルと定義しました。

ここから事実上、地球の円周が4000万メートル、すなわち4万キロメートルになりました。

当時はその程度でよかったのでしょうが、科学技術が進歩するにつれ、地球が完全な球体ではないことがわかります。

すると測る場所によって1メートルがずれてしまいます。

なお現在地球の赤道半径は6,378kmです。

また南北の極を通る円周の半径、つまり極半径は6,357kmです。

ここから赤道上の円周は40,054km、子午線上の円周は39,922kmになります。

2.メートル原器が作られる

それでは困るので金属製のメートル原器と呼ばれるものが作られました。

これがすべてのものさしで使う1メートルの基準になります。

熱や劣化によって膨張や収縮しないように、白金とイリジウムの合金で作られています。

3.物理的な基準が作られる

まったく同じメートル原器を大量生産できるのか?

そこで科学的に考えようということで、原子番号36のクリプトン、その同位体で原子量86のクリプトン86が真空中で発するオレンジ色の光の波長を基準にしました。

この1,650,763.73倍を1メートルと決めました。

さらに1983年からは、光の速さを基準にしています。

つまり光は1秒間に約2億9979万メートル進むので、その逆数をとり、光が真空中で299,792,458分の1秒間に進む距離を1メートルと定めています。

日常生活ではどうでもよいことですが、光の速さは本当に一定なのか?約30億分の1秒が本当に正確に測れているのか?凡人には計り知れません。

次元の話

長さは1本の線ですが、直角に交わる2本の線の長さを測れば、縦×横=面積が計算できます。

さらにもう1本垂直な線を交えると、縦×横×高さ=体積になります。

計算上、2次元である面積はメートルの2乗(平方メートル)で現します。そして3次元である体積はメートルの3乗(立方メートル)です。

では4次元はあり得るのでしょうか?感覚的にはわかりませんが計算上はメートルの4乗をすれば可能です。ちなみに0次元とは、長さや大きさのない、点です。

几帳面になりすぎてはいけない

そもそも長さの単位はいい加減なものです。科学的根拠があったわけではありません。

公平性、お互いの利便性を考えて作られたものです。

そのため几帳面に考える必要はありません。小さなことで争うのは止めましょう。

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